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INTERVIEW

Japanese

nano.RIPE

2014年07月号掲載

nano.RIPE

Member:きみコ (Vo/Gt)

Interviewer:山口 智男

-Track.3「フォルトファインダー」はインディーズ時代の曲の再録ですね?

インディーズ時代の曲をいまだに聴きたいと言ってくれるファンもいるし、ライヴでもやっていきたいしということで、今のメンバーで録りなおしたいと思っている曲ってまだまだたくさんあるんですよ。その中で今回、「フォルトファインダー」になったのは、"グラスリップ"のエンディング・テーマの候補だったからなんです。ガラスの向こうに未来が見えるという設定に「フォルトファインダー」の歌詞がリンクする部分があったので、この曲をここで出すのもありなんじゃないかってことで候補に挙げたんです。結局「透明な世界」に決まったんですけど、世界観も近いし再録したいとも思っていたので、このタイミングで入れてしまおうということで少しアレンジしなおして入れました。

-「透明な世界」も「フォルトファインダー」も自分が見ている世界を捉えた歌ですけど、世界の捉え方に違いがありますよね?そういう捉え方しだいで、世界ってどうにでも変わるのかなというのをこの2曲を聴いて思ったんですけど、きみコさんにとってその2曲で見えている世界ってどんなふうに違いますか?

「透明な世界」は"ガラスの向こうに見える未来を選ぶのは自分なんだ"というメッセージを込めた曲なんですけど、「フォルトファインダー」は2007年ぐらいに書いた曲で、今よりもずっと若かったし、尖ってたんですよ(笑)。それこそ"周りは全員敵だ"ぐらいに思っていて、せめて自分のここ(歌詞にあるように右手を握って覗き込む)から見える世界だけは美しいものであってほしいという想いを込めたんです。だから、書いている時の気持ちは正反対かもしれない。7年経って、ずいぶん大人になりました(笑)。

-「フォルトファインダー」の歌詞が少なくて自分でも驚いたとブログに書いていましたね?

サビなんて1行ですからね。1行しかないサビってすごいなって思いました(笑)。あっという間にできた曲なんですよ。ちょうど、わーっと曲作りをしていた時期だったんですけど、この曲は本当に30分ぐらいでわーって書きあげました。サビの後半で"なああああーい"と歌ってるんですけど、音符に対して、言葉が全然少ない。そういうところは、今だったらちゃんと言葉を入れてしまうと思うんですけど、この時はそういう勢いがあったからそういう言葉のはめかたをしたんだろうなって。今のあたしには書けない曲ですね。言葉が大事だ大事だと言ってnano.RIPEは活動してきたんですけど、"あぁ"っていう言葉もそれはそれで意味があると思うんですよ。歌詞カードに載らない"あぁ"の中にもいろいろな感情がある。溜め息でも独り言でも、ふとした瞬間に洩れる"あぁ"や"はぁ"でも、そういう言葉に込められる感情ってすごくいろいろある。同じ"あぁ"でもいろいろな捉え方ができると思いました。この「フォルトファインダー」もライヴでみんな歌っちゃうと思うんですけど、歌ってくれる人それぞれの"あぁ"になったらいいなと今回、再録して思いました。

-言葉にならないと言えば、「透明な世界」も出だしのサビの後に歌詞カードに載っていない......。

謎の(笑)。

-そう、謎の。あれはコーラス?

一応コーラス扱いですね。

-でも、何か言葉を歌っているように聴こえるんですけど。

歌ってます、ちゃんと。

-なぜ歌詞カードに載せていないんですか?

あれは元々は入ってなかったんですけど、ササキジュンがこういう感じのを入れたい入れたいとなんとなくのイメージで言ってたんですよ。"こういう感じのコーラスで。でも言葉が乗っているものを入れたいんだよね"って。それで、歌録りの当日まで悩んで、その日に書いたものをそのまま入れて。"未来スコープ 不透明な世界から 未来スコープ 透明な世界へ"と歌ってるんです。"未来スコープ"って"グラスリップ"そのものの世界なんですけど、敢えて歌詞カードには載せませんでした。最初はもっと遠くに聴こえてたんですけど、エンジニアさんもメンバーもスタッフも"聴こえるけど、うん?何だろう。何て言ってるんだろう?"ってぐらい出しちゃったほうがいいんじゃないかって。それで、あれぐらいのバランスまで上げたんです。

-よく聴いたらわかる?

たぶん、わかると思います。あ、でも、言われてみたらって感じかもしれないです。英語っぽく聴こえるような歌い方をしてみようってちょっとムニャムニャって歌ってるんですよ。