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INTERVIEW

Japanese

nano.RIPE

2014年07月号掲載

nano.RIPE

Member:きみコ (Vo/Gt)

Interviewer:山口 智男

-どんな内容のアニメなんですか?

高校生のひと夏の話なんです。主人公の女の子の家がガラス工房で、彼女もガラス職人を目指しているんですけど、ちょっとファンタジーの要素があって、ガラスの向こう側に小さな頃から、おぼろげだけど、何か違う景色を見ながら、それが何なのかわからず過ごしてきていて、実はそれは未来だったっていう予知能力を持った女の子の物語です。未来が見えるとか予知能力と言うと、すごくファンタジックに聞こえるんですけど、未来は決まっているわけではなく、どれを選ぶかは自分次第だというメッセージが込められているんです。そこが素敵だなと思ったので、それは歌詞に反映してると思います。

-ああ。「透明な世界」の"透明なガラスの向こう ぼんやりと透かして見えた景色はまだ"って歌詞はそういうことだったんですね。

そういうことなんです(笑)。あたしがずっと書いてきた世界観にすごく近かったので、すんなり入ってきたものを、そのまま表現したらこうなりました。あたしの言葉でこのアニメを歌ったらどうなるだろうってイメージで自由には書いたんですけど、アニメの世界にはかなりリンクした曲になっていると思います。

-曲そのものは前のアルバムを作った後にできたものなんですか?

3月に打ち合わせをしてからササキジュン(Gt)が書き下ろしました。

-これがnano. RIPEだっておっしゃったんですけど、確かに4人の個性が演奏に表れていますね?

シンプルであることをすごく意識したんですけど、積み重ねてきたものに加え、アルバムを作って、自分たちのスタイルがようやく確立できたという実感はあるので、そこは特に意識せずに自然に出せたかもしれないですね。

-今回、「透明な世界」というタイトルがついているせいか、ササキさんのギターがそんなに歪んでいないという印象でした。

キラキラしていますね。歌詞にも"キラッ キラッ"っていう言葉を入れているというのもあって、全体的なサウンドはキラッとした、爽やかにものにしたいよねというのはありました。

-そして、楽器隊の個性がより出ているのがTrack.2の「絶対値」なのかな、と。

これは楽しみながらも自分たちを追い込んで作りました(笑)。

-追い込んでっていうのはプレイ的に?

プレイ的に。技術的に。この曲は何度も何度もアレンジしたんですよ。リズムと言葉の絡みが難しいとか、ドラムとベースの絡みももうちょっといいのがあるんじゃないかとか、いろいろ詰めていって、この形にしたんですけど、そういう意味では3曲の中で1番、時間をかけました。そうですね、個性がより出ているかもしれないです。

-これはササキさんの曲ですよね?ギターのリフがトリッキーというか、ひねっているというか、すごくおもしろい。

デモの段階ではここまでギターも入ってなくて、メロディも音数が少なかったんですよ。でも、これは言葉を詰めたほうがっこよくなるだろうなと思って、言葉を詰めすぎても違うしなといろいろ悩みながら、最終的にこの歌詞になったんですけど、プリプロしてみたらササキジュンがああいうギターを入れてきたんで、そう来たかって(笑)。

-サビでアップ・テンポになるところもいいですね。ライヴで絶対、盛り上がるでしょうね。

盛り上がりますね。元々は、もっとしっとりしたバラードを入れようと思って、3曲決まってたんですけど、9月から始まるワンマン・ツアーでこの曲があるとまた1個、ポイントになるんじゃないかということで、今回入れちゃおうと急に入れることになったんですよ。

-なるほど。曲をばらけさせずにストレートな3曲でまとめたところにはそういう狙いもあったわけですね?

昔だったら"1曲ぐらいバラードを入れたほうが"ってなってたと思うんですけど、夏だし、これを持ってワンマン・ツアーに行くし、もう振りきっちゃおうって。そのへんは新しい挑戦かもしれないですね。