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INTERVIEW

Japanese

ザ・クロマニヨンズ

2013年01月号掲載

ザ・クロマニヨンズ

Member:甲本 ヒロト (Vo) 真島 昌利 (Gt)

Interviewer:沖 さやこ


-『ACE ROCKER』のツアーで得たものが作品に反映されていたりしますか?

真島:ないんじゃないかな(笑)。何かを得ようとか、何かを学ぼうとか、そういう気持ちでツアーをしているわけじゃないから。

甲本:楽しいからやってるんだよ。楽しいよ、ツアー。純粋に楽しい。どういうところが楽しいかはわからないけど(笑)、最高だね。みんなでご飯食べに行ったり、移動中も楽しいし。そりゃ楽しいよ! ロック・バンドだよ? ロック・バンドができるんだよ。それで移動してさ、いろんな土地に行って、やることはロックンロールだよ。楽しくないわけないよ。

真島:そうだよね。ロック・バンドで全国ツアーなんて――。

甲本&真島:最高だよ(笑)!

甲本:口から言うだけでもワクワクしてきちゃうよね。そんなことをやってみたい人がいっぱいいるんだよ。

-ロック・バンドで全国ツアー......やりたくてもできない人たちもたくさんいるでしょうしね。

甲本:でも本当にやりたければ、やるだろうね。

-確かにそうですね。レコーディングの1日の流れはどうなっているのでしょう?

真島:大体ね、2時ごろスタジオに集まって。6時くらいまでなんやかんややって、ご飯食べて休憩して、7時半とか8時くらいからもうちょっとやって、終わる。

-レコーディング中で大事にしていることなどはあるのでしょうか。

真島:......二日酔いにならないこと?

甲本:そうなんだよ、帰ってから晩酌がね(笑)。

真島:家に帰ってから音楽とか映画とか、楽しいテレビとかDVDとか見ながら、楽しい気持ちになっていっぱい飲んじゃうと、恐ろしいことに二日酔いになってしまうんです。ひとりで飲んでるのに(笑)。ツアーの移動日の前の日に飲みすぎて、移動日に二日酔いになることがたまーにあったかな。大変ですよ。お酒とか食べ物とか、見るのも嫌だもん。気持ち悪くて。

甲本:でも不思議なもんで、夕方にビールを1口飲むと治るんですよ。

真島:うん。その前は"今日は絶対酒抜こう"って思ってるんだけど、なぜか知らないんだけど陽が落ちると自然とビール飲んでるんですよ。自分でも気付かないうちに(笑)。

甲本:下手に抜くとね、煮詰まっちゃいますよ。

-ツアー中は健康管理も大事になってきますしね。

真島:そうですね。前々回のツアーで3本延期にしちゃったんで(※"ザ・クロマニヨンズ ツアー 2010-2011 ウンボボ月へ行く"のツアー中に真島がインフルエンザに感染したため)、自分で凄く寂しくなっちゃったんです。すごいへこんで。"だめだ、これじゃいかん!"って。そういえばみんなインフルエンザの予防接種したって言ってたな......って、前回のツアーも予防接種して。健康には気をつけようと思ってます。

-今作も甲本さんの楽曲と真島さんの楽曲が6曲ずつと綺麗に半々になっていますが、これはそういう風にルール付けをなさってのことなのでしょうか?

甲本:それは全部なりゆき。教えてあげます。......スタジオに来ます。"今度のアルバム用に新曲を出そう"って言います。そのとき僕らは曲を全部持ってます。で"じゃあとりあえずマーシー1曲やってみて""うん"つってマーシーが1人で弾き語りで歌ってやります。それをみんな聴きながら、リズムをつけたりベース・ラインつけたり、僕はじゃあこんな風に歌ってみようって歌詞カードをもらって歌い方決めたりして、30分から1時間でその1曲が8割がたはそこでできあがっちゃうんです。"じゃあマーシー、ちょっとションベンしてもう1曲やるか"って言ったとき、マーシーが"俺もう1曲やる!"とは言わないよね。"次ヒロトやってみなよ""じゃあ俺次やるわ"ってやるじゃん。自分が1時間くらいその場を使ってやるじゃん。その後、俺も"もう1曲やるわ!"とは言わないよね。"次マーシーやんなよ"って言うよね。普通でしょ? そんで何曲かできたときに"今度のアルバム12曲入りくらいにしようか""今何曲ある?""10曲""じゃああと1曲ずつ出して終わろうぜ"......それだけ。それが3日間くらいのうちに行われる。1日1人2曲くらいずつ出して。4時間あれば4曲出るわけだから。

真島:だいたいスタジオに歌を持っていって、歌って、みんなに聴いてもらって。2回目くらいからはみんなが小さい音で合わせて入ってきて。3、4回やる頃にはバンドである程度形にはなってるかな。そのままレコーディングに行く曲もあるし、みんなから"ここをこうしたほうがいいんじゃない"って意見が出たり、1回持ち帰って詰めたりとか。で"これもうできてるんじゃない?"っていうのは何となくわかるじゃないですか。付け足すこともないし、引くところもないし、いい形になってるんじゃない? って感じになったらレコーディングする。

-なるほど。確かに普通と言えば普通ですけど、凄く朗らかでいい関係ですね。

真島:やったぁ、朗らか(笑)。朗らかですよ僕たちは。

甲本:朗らかだよぉ。朗らか兄弟です(笑)。

-(笑)。先ほど楽曲ができるのは"日々の暮らしの中から"とおっしゃってましたが、どういう出来事がキッカケになることが多いのでしょうか?

真島:や、それがわかってたらね、なるべくそのキッカケを日々の生活の中で多くしようとするんですけど、わかんないんですよ。シャワー浴びてたり、お風呂入ってたり、散歩してたり、トイレ入ってたり、寝る直前とか。ポン、てひらめく。なんか出てくる。

甲本:どうにもなんないです。(真島と)一緒かどうかはわかんないけど、一緒のような感じはする。......なりゆきですよ、何もかも。

真島:寝る直前とか、枕もとの電気も消してさ。そんなときに出てくると大変なんだよ。眠いから寝ちゃおうかなぁとも思うんだけど、でも"ん!"と思ってテープ・レコーダーを引っ張り出すのか、寝るのか俺は? っていう選択。頑張って起きるときもあるし、寝ちゃうときもある(笑)。まぁこれくらいだったら寝ても明日の朝起きても憶えてんだろうなぁって思うと、翌朝にはすっかり忘れてますからね。

甲本:いいんだよ。忘れたら忘れたで。