Japanese
ザ・クロマニヨンズ
2011年12月号掲載
Writer 伊藤 洋輔
悲しいとき、辛いとき、挫けそうなとき、必ずや助けに来てくれるヒーローをあなたは信じているだろうか?子供の頃、ブラウン管の向こうではそんなヒーローが数多く活躍していた。ウルトラマンに仮面ライダー、ゴレンジャーなどの戦隊シリーズ、アニメでもそうだ。悪を倒し地球の平和を守る、そんなヒーローに憧れ、夢中になっていただろう。いつしかそれがフィクションの絵空事だと気付き、目の前の現実を見据えた大人に成長していくのだが、誰しも心には永遠に色褪せないヒーロー像を持っている。そしてこの男たちは、あの頃の想いを呼び起こすように僕らの童心をくすぐり、元気を、勇気を、希望をくれる。悪を切り裂く剣はマイクに、ギターに、ベースに、ドラムに。悪をなぎ倒す拳は真っ直ぐな言葉に……ヒーローは現実にも存在する。純真無垢なロックンロールがそれを立証するのだ。おっと!前置きが長くなってしまったな。とにかく、僕らのヒーローが新年のファンファーレを告げるアルバムと共に帰って来たんだ!ザ・クロマニヨンズ、待望の6枚目『ACE ROCKER』を紹介しよう。
ネガティヴに聞こえるかもしれないが誤解しないでほしい。まず初めに断わっておくが、新作だからといってシフト・チェンジするような変貌は一切みられない。大胆なギミックもない。身も蓋もない言い方をすれば、いつもと変わらない。しかしここには、愚かなほどに己の愛するロックン・ロールを信じた熱く純粋な魂がある。ただ、それだけ――すなわちそれは真意にして“歌わずにはいられない歌”であり、だからこそ激しく心に訴えかけてくるものがあるのだ。そんな彼らに大胆な変貌など誰が望むのだろうか?頑固一徹、不変のかっこよさがあり、最早、達観したと言っても過言ではない圧倒的なオリジナリティ=ヒロト&マーシー節が満ちているのだ。まったくもって“ACE ROCKER”というタイトルに嘘偽りはない。そんな意志が貫かれた珠玉の12曲、スタートは「他には何も」から。“やらずにはいられない事がある!ただそれだけ!”だと投げ掛け力強いギター・サウンドと性急なリズムで突っ走る世界観はヒロト&マーシー節のスタンダードと呼べるものだが、まさにオープニングに相応しい爽快なナンバーだ。続く「ハル」はセンチメンタルな想いと美しい季節の情景を絡めたものだが、疾走感あるパンキッシュなサウンドに文学的な詩情のコントラストはさすがの一言。“オー オー”から“ラララ”のアンセミックなコーラスを楽しめるのは「バニシング・ポイント」。誰もが否応なく引き込まれる間口の広さがあり、ライヴでの凄まじい盛り上がりが目に浮かんでしまう。「欲望ジャック」はソリッドなギター・サウンドに低くスウィングするベース・ラインでスリリングな作風となり、クールな一面を垣間見ることができる。ミドル・チューンの「ボッチ」では詩世界に注目してほしい。ひとりボッチを太陽や月、富士山という壮大な情景で形容する世界は、まさしくワン・アンド・オンリーなザ・クロマニヨンズのメタファー?なんて深読みを感じさせユニークだ。そして「ナンバーワン野郎!」~「雷雨決行」の流れはやはり本作のハイライトだろう。昨年シングルとしてリリースされた2曲だが、どちらもシンプルに力強いロックンロール・ナンバーであり、“立ち上がれ!”というメッセージが印象的な「ナンバーワン野郎!」に至ってはCMでもお馴染みとなり、今や“日本を元気にする曲”として幅広い層に影響を与え続けている。ラストはクロージングならではのしんみりとした……とはならずマリアッチ調の愉快な「メキシコの星」で締め括るなんて実にザ・クロマニヨンズらしい。湿り気のないカラッとした流れであり、その気持ち良さは感情をどこまでもポジティヴに持ち上げてくれる。ヒーローの去り際は決まり文句が付き物だが、“いつでもどんなときでも笑いを忘れずに”、なんてメッセージを投げかけているようだ。最後の最後までかっこよく、僕らの胸を熱くさせる『ACE ROCKER』。キャリア20年以上を誇りながらも、瑞々しい感性でブレず一直線に突っ走るその姿が反映された素晴らしいアルバムである。
そして、来月からは大規模な全国ツアー「ザ・クロマニヨンズ TOUR ACE ROCKER 2012」がいよいよスタートする。これまで何度となく日本中を暴れ回った彼らが今何を想い歌い叫び、何を与えてくれるのか?本当に楽しみだ。最後に、ヒーローは存在する……だろ?
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