Japanese
ザ・クロマニヨンズ
2010年10月号掲載
Writer 島根 希実
ザ・クロマニヨンズが新作をリリースする。シングル『オートバイと皮ジャンパーとカレー』と、その翌月にリリースされるアルバム『Oi! Um bobo』。共に“当たり前のようにシンプル”な作品だ。…というよりシンプルとしかいいようがない。他に言いようがないのだ。
「オートバイと皮ジャンパーとカレー」はオートバイと皮ジャンパーとカレーのことを歌っている曲。というより、オートバイと皮ジャンパーとカレーのことしか歌っていない。掘っても掘ってもオートバイと皮ジャンパーとカレー。開けても開けても結果は同じのマトリョーシカのごとく、見た目以上のものは出てこない。
これをシンプルの極みといおうか。ぐだぐだ言ってる音楽、何分もかけて、何小節もかけて愛を語ったり、平和を歌ったりしている音楽が馬鹿馬鹿しくなる。だってここには、たった一言で全て済んでしまう音楽があるのだから。
一つも難しいことは言ってない歌詞とメロディ。当たり前のことしか言っていないの、最低限のパーツで作られているのに、足りないネジはなく、一つの緩さも弛みもなく、ロックしてロールしてパンクまでしてしまえるのはなんなのか。この、十分すぎるほどの作品の密度はなんなのだろう。
その答えは、言葉一つで成立してしまう、単語のみでドラマを作り上げてしまえるという、彼らの“純粋さ”故のミラクルに他ならない。言葉ひとつで成立するとはどういうことか。例えば、アルバム収録の「我が心のアナーキー」なら、“戦争が終わらない” までヒロトが歌いきる前に、“戦争”だけで成立してしまうのだ。それで完結してしまえるのだ。
そういえば、以前ASIAN KUNG-FU GENERATION のアルバム『ワールド ワールド ワールド』を聴いたときに、言葉とメロディとの整合性をみたように思った。それは、歌詞が、文章としてではなく、単語一つ一つにまで解体され、耳に飛び込んでくる感覚からくるものだった。全ての言葉たちは初めからこのメロディをまとって生まれてきたのではないかというほどに、音に馴染んでいて、それはもはや渾然一体とかの次元ではない。言葉が、ヘッドフォン越しに風のように吹き抜け、跳ね、走り、自由に遊びまわる。後藤の息づかい、エモーショナルな歌い方までもが初めからそう収まるように決まっていたように自然で、1曲の中にある全ての要素が必然のように存在しているという感覚。そしてその全ての必然は言葉に直結していく。それは、音楽が言葉を解放した瞬間であり、言葉そのものがロックしているということだ。
クロマニヨンズの場合、これにさらにもう一要素プラスされる。それが前述した、“ドラマ性”だ。ヒロトが発する一言にはプロローグからエピローグまでが詰まっている、ワンワードで聴く側を納得させてしまえるのだ。つまり音のミラクルのみならず、心まで納得させてしまえるミラクルがあるというわけ。そして、そのミラクルを成せるのは、その“純粋さ”故。子供のような無防備な純粋さ故に他ならない。
子供の何の気なしのふとした行動や一言に、はっとしたり涙したりすることってあるでしょう。無防備に発せられた言葉の説得力というか。そういうことなのだと思う。伝えるべきことに、一切のためらいがなく、言葉に曇りがない。シンプルであるのが当たり前のロック少年は、そうやって、ますます童心に帰っていくのだ。
- 1
LIVE INFO
- 2025.12.16
-
くるり
SPARK!!SOUND!!SHOW!!
優里
YOURNESS
GANG PARADE
ザ・クロマニヨンズ
GODSPEED YOU! BLACK EMPEROR
Mrs. GREEN APPLE
- 2025.12.18
-
桃色ドロシー
あいみょん
くるり
Nikoん
東京初期衝動
The Ravens
リーガルリリー
ザ・クロマニヨンズ
点染テンセイ少女。
渡會将士
高岩 遼
カメレオン・ライム・ウーピーパイ
Homecomings
PompadollS
- 2025.12.19
-
(sic)boy
Helsinki Lambda Club
桃色ドロシー
ガラスの靴は落とさない
Nikoん
flumpool
吉井和哉
東京初期衝動
LiSA
BIGMAMA / THE BOYS&GIRLS / KALMA / オレンジスパイニクラブ / ハク。
SHERBETS
VII DAYS REASON
キノコホテル
羊文学
僕には通じない
Mrs. GREEN APPLE
BLUE ENCOUNT
- 2025.12.20
-
NANIMONO
PENGUIN RESEARCH
LACCO TOWER
RADWIMPS
ポルカドットスティングレイ
ぜんぶ君のせいだ。
The Cheserasera
flumpool
ハシリコミーズ
ZOCX
クジラ夜の街
ExWHYZ
浪漫革命
mudy on the 昨晩
"MERRY ROCK PARADE 2025"
ザ・クロマニヨンズ
Awesome City Club
SPECIAL OTHERS
LUCY
アイナ・ジ・エンド
め組
ACIDMAN
UVERworld
パピプペポは難しい
eastern youth
Mrs. GREEN APPLE
優里
- 2025.12.21
-
NANIMONO
The Biscats
桃色ドロシー
クジラ夜の街
RADWIMPS
LACCO TOWER
NEE
東京スカパラダイスオーケストラ
SPRISE
GLIM SPANKY
フラワーカンパニーズ
MOSHIMO
DURAN
(sic)boy
"MERRY ROCK PARADE 2025"
VII DAYS REASON
ザ・クロマニヨンズ
LiSA
Appare!
Newspeak
齋藤知輝(Academic BANANA)
Keishi Tanaka
鶴
清 竜人25
MONOEYES
暴動クラブ
UVERworld
OKAMOTO'S
優里
- 2025.12.22
-
DOES
東京スカパラダイスオーケストラ
フラワーカンパニーズ
Kroi
FINLANDS
アーバンギャルド × 氣志團
あいみょん
- 2025.12.26
-
(sic)boy
"FM802 ROCK FESTIVAL RADIO CRAZY 2025"
水曜日のカンパネラ
TOMOO
ポップしなないで
ビレッジマンズストア / 忘れらんねえよ / 3markets[ ] / Cloudy ほか
坂本慎太郎
インナージャーニー
LACCO TOWER
UVERworld
RADWIMPS
RAY
- 2025.12.27
-
優里
東京スカパラダイスオーケストラ
MOS
"FM802 ROCK FESTIVAL RADIO CRAZY 2025"
ハシリコミーズ
Mirror,Mirror
ザ・クロマニヨンズ
LEGO BIG MORL
神聖かまってちゃん
the band apart × FRONTIER BACKYARD × ASPARAGUS
"COUNTDOWN JAPAN 25/26"
ExWHYZ
Appare!
RADWIMPS
凛として時雨
- 2025.12.28
-
優里
水曜日のカンパネラ
MONO NO AWARE
LEGO BIG MORL
柄須賀 皇司(the paddles)
"FM802 ROCK FESTIVAL RADIO CRAZY 2025"
KenKen
SPRISE
Nikoん
ザ・クロマニヨンズ
"COUNTDOWN JAPAN 25/26"
(sic)boy
YONA YONA WEEKENDERS
DJ後藤まりこ × クリトリック・リス
吉井和哉
Plastic Tree
- 2025.12.29
-
"FM802 ROCK FESTIVAL RADIO CRAZY 2025"
KiSS KiSS
"COUNTDOWN JAPAN 25/26"
"fractrec presents『OBSCURE TOWER 2025』"
Devil ANTHEM.
The Biscats
TOKYOてふてふ
RELEASE INFO
- 2025.12.17
- 2025.12.19
- 2025.12.20
- 2025.12.21
- 2025.12.22
- 2025.12.24
- 2025.12.26
- 2025.12.27
- 2025.12.29
- 2026.01.01
- 2026.01.04
- 2026.01.06
- 2026.01.07
- 2026.01.09
- 2026.01.11
- 2026.01.12
FREE MAGAZINE

-
Cover Artists
ZOCX
Skream! 2025年12月号









