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INTERVIEW

Japanese

THEラブ人間

2012年05月号掲載

THEラブ人間

Member:金田 康平(歌手)

Interviewer:伊藤 啓太


-そして先ほど初期衝動を振り絞って書いたという「悪党になれたなら」、この曲は男女関係において陰と陽であれば陰の部分を描写した曲だと思いますが。

そうですね、一番初めに自分が歌いたかった部分ではあったので、それがやっぱ3年間を振り返った時に、自分の持ち味というか、3年間で歌ってきたことっていうのは僕にとって"再生"だったのね。まぁ"蘇生""再生"というか、いつだって自分がどん底にいて、そっから"前を向け!頑張れ!"って言われたくないんです。言われてもうーんとしか言えなくて。でも俺もそう思ってるんですよ、自分に対して"お前頑張れよ、金田!"って。でも俺はやっぱりそこに説得力がないと頑張れない、言われる言葉に。そう思ったときにたいそうな人間ではないから、自分のロウ・ライフを、ロウ・ライフの中でどれだけあがいていけるか、ロウ・ライフの中で見えるちょっとした光だけを歌いたい。そのちょっとした光だけを見せることで、自分をがむしゃらに走らせることができると思うんですよね。そういう曲です。本当に「悪党になれたら」の最後の三行まで希望は1個も無いんですよね、ほんとだったら"心なんて死んでしまえ!もうこりごりだよ!"で、この曲は終わっても良かったはずなんだけど、やっぱり"なんて言えたらいいな"っていう言葉をつけざるを得なかったですね、やっぱりそこに救いを僕は自分に求めました。僕は3年間でこういうことを歌ってきたはずです。

-自分の弱い部分、人によってはネガティヴにとられてしまいかねない部分をさらけ出すということに金田さんは抵抗はないのでしょうか?

人によってはネガティヴに捉えられてしまう部分を僕がここに残さなかったら、または俺が結婚しないで、子供が産まれないで、奥さんもいなかったとしたら、誰が覚えてくれる? ってなるじゃないですか、俺はもうそっちのほうが怖いですね。残さないで2012年の金田康平が1986年に生まれて、まぁいくつで死ぬかわかりませんけど、金田康平っていう男がいたんだけどこんな歌を歌っていたんだよって誰かが言ってくれなくて、こんな人だったんだよその人はって言うのを俺が誰とも結婚しなかったり、誰も俺のことを覚えてくれていなかったとしたら、歌にしないと怖いです、そっちのほうが何万倍も怖いです。人にどんな風に見られているっていうことを気にしなくなってもう長い間経つんですけど、それが良かったのかなとは思いますね。だからそういう部分でこの曲もだし、全曲ですね。今まで出したCDもだし、まだやっていない曲も合わせて、全曲絶対に覚えていてほしいです。覚えていてくれないと怖い、俺ですら忘れると思うから自分のことでも。やんなきゃいけないことって少ないから、それだったら嘘つかないことぐらいはやんなきゃなって、そうでもしないと勿体無いですよね、80年くらいですから。 「悪党になれたなら」はサウンド面で、正直最後の最後の絞りかす絞って書いたから、俺は3年間の自分に寄り添って書いたつもりが、やっぱりラブ人間の新しい、一番最新の楽曲らしいサウンドになって、演奏自体、メロディーが、今まで一曲も作ったことがないようなサウンドになって。洋楽しか聴かないキッズたちってたくさんいるじゃないですか。僕もある時期そうだったんですけど、ほんとに洋楽しか聴かなくて。

-私も一時期そういう時期ありましたね。

俺もすっごくよくわかるんですよ、"邦楽なんてダサい"みたいな。

-"洋楽聴いてる俺かっこいい"みたいな(笑)。

(笑)。なんか、「悪党になれたなら」では、例えば演奏だけでその洋楽キッズたちをちゃんと踊らせられるんじゃないかなって今思っていて。しかもラブ人間の匂いを一切損なわずに。それができて良かったです、夜の匂いがちゃんと演奏になっていて。今までは血と汗と涙の匂いは、べっとりとした匂いはすごく出せていたんですけど、きちんとね、精液だとかそういうラブホテルのベッドの中でおこなわれる行為がきちんと演奏に出たのは初めてでしたね。これはほんとに最後の最後に残りかすを出せたことで自分の新しい部分が見えて、それを詰め込むから多分ラブ人間は次のセカンドに行けて、これを出さなかったらいけなかったんだなっていうような思いになった曲です。

-そして「わかってくれない」ではある意味での暴力的な言葉が並んでますね。

なんか、これはこのアルバムを録音している段階で、メンバーにここのアレンジはこうしようって話をしている時にわかってくれなかったんで、そのままスタジオのトイレで書きました。

-わかってくれないと(笑)。

はい(笑)。

-じゃあ曲が書きあがるのは早かった。

一瞬でしたね、でもまぁそっから、それをテーマにしてメンバーの事は一切書かなかったんですけど、"グダグダ文句垂れるなよ"くらいですね。