Japanese
THEラブ人間
2012年05月号掲載
Member:金田 康平(歌手)
Interviewer:伊藤 啓太
-そういった紆余曲折がありTHEラブ人間を結成した訳ですが、結成した経緯を教えて頂けますか?
2009年の1月に下北沢のCAVE BEというライヴハウスで僕が働いていて、CAVE BEで今のキーボードのツネ・モリサワも働いていて同僚で、さらにバイトにバイオリンの谷崎が居たんです。この3人は別々のバンドをやっていて対バンしたりしていたんですけど、全部のバンドが同じタイミングで解散、活動休止という状況になったんです。その時にツネと僕でスタジオに入って、俺がアコギでツネがピアノで、その場で僕が「りんごに火をつけて」という曲を作って、歌って合わせてみたら、この人めちゃくちゃピアノ下手だけどめちゃくちゃ良い顔で弾くなって思って、THEラブ人間を結成しようと思いました。それから谷崎に電話して"お前バイオリン弾けるんだろ、バイオリン弾け"って言ったら"分かりました、弾きます"って加入して、ベースとドラムは僕の飲み友達を誘ってTHEラブ人間結成です。
-結成したタイミングから恋愛至上主義というのは一貫してあった?
そうですね。元々21世紀型のフォーク・ソングをやりたいって話をしていて、まずエレキ ・ギターを持ってフォーク・ソングをやろうかなとか、色々あったんですけど、とにかく自分なりのラヴ・ソングを歌いたいなという気持ちで恋愛至上主義と付けたんです。それから5月にベースが脱退して、おかもとが加入しました。結成して1年半~2年経ったぐらいのタイミングで前のドラムが脱退して服部がドラムとして加入して今に到ります。
-THEラブ人間には"恋愛至上主義"というものがベースとしてあって、21世紀型のフォーク・ソングをイメージしていたということですが、すごくフィジカルなフォーク・ソングを歌うバンドだなとすごく感じていて、70年代辺りの昔のフォーク・ソングの影響なのかなと感じました。それ以降の例えば90年代、2000年代のフォーク・ソングを歌うバンドはどちらかというとメンタル的な部分であったり、客観的な心象風景を歌う方が多いですが、ラブ人間はすごく血生臭い、人間臭いバンドだなと感じました。
70年代のあの頃からフィジカルな部分が抜けて、メンタルチックになったものだけが今残っていると僕も思っていて、だから僕も今の90年代、2000年代のフォーク・ソングと言われていたものたちをフォーク・ソングとして聴けなかったんです。なんかもう少し汗の臭いが欲しいなと思っていたし、70年代のあの素晴らしき方々は心象風景がとても美しかったと思うんです。繊細で傷つき易いのに、誰かのことを傷付け易くもあるというか、僕もそういう歌をもっともっと力強く歌いたいなと思ったときに、70年代のあのフォーク・ソングからもう40年以上を経っているわけで。あの時の、70年代の人たちみたいに、自分のことを客観視したくないと思ったんです。自分のことを客観視して分かったような顔をして歌いたくはないというのが、恋愛至上主義の根底でもあり、21世紀型のフォーク・ソングの根底でもありますね。自分のことを客観視せずに、とことん自分のことを歌うというか。
-「おとなになんかならなくていいのに」「わかってくれない」では"おとな"という言葉がキーワードとして出てきます。決してポジティヴなワードとしては使ってないように思いますが、金田さんにとって"おとな"とは?
うん、難しいんですけど、ポジティヴではないかもしれないけど、「おとなになんかならなくていいのに」では、なんつーか、ネガティヴでもないかなと思う。おとなになんかならなくていいのに"ね"みたいな感じです。結局自分から足が大人の方向に向かっているのには気づいちゃっているから、抗ってはいるけれど、大人になった自分がいて、でも、明日もう昨日の自分が子供に見えるような、この積み重ねを妙に自分のMっ気というか、楽しんでみたりして。なんかね、「おとなになんかならなくてもいいのに」っていう曲は、冒頭のほんとにネガティヴなものとしての大人が、最後には大人になって年を取っていくことなんて大したことねぇよっていうようなことを歌いたかったんです。だから"everything 's gonna be alright"ってことを歌っていて。だから年を取って身長が伸びて、色んなセックスを覚えて、色んな人を傷つけたとしても大丈夫、そんなことは関係ない、大人になるっていうことは余裕だよって、君の世界はそんなものでは何も変えられたりはしないっていう、そういう意味での「おとなになんてならなくてもいいのに」だったんですよね。「わかってくれない」に関しては完全にメタクソ言ってますけどね。
-(笑)確かにこの曲に関しては完全に直接的なワードですよね。
そう、大人ってことばはよく使うんですよ。
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