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INTERVIEW

Japanese

オワリカラ

2011年05月号掲載

オワリカラ

Member:タカハシヒョウリ(Vo&Gt)

Interviewer:島根 希実


-じゃあ、次はこういうものをやろうというのは、1stが出来上がってちょっと落ち着いた段階では、もうある程度次は見えていた?

そうですね。なんか1stの曲って、いろんなもの、いろんな要素を全部詰め込んでいて。例えば構成とかがすごく複雑だったりとかっていう風にしたいと思ってたんですよね。で、それを全部取っ払った時に、すごくダイレクトで、ソリッドで、削ぎ落とされてるんだけど、でもオワリカラの歌のビートみたいなものが、ポーンとストレートに届くっていうようなものをやりたいなと思って。だけど、それが一体どんなものかっていうのは分かんなかった。でも、ツアーを沢山やっていくうちに、何かそれをオワリカラなりのやり方で表現するっていうことがだんだんできるような気がしてきて。で、8月にアルバムを出して、そのままツアーしてる9月ツアーの最中に、「swing」っていう曲がポーンって出来て。その曲が出来た時に、すごくシンプルで削ぎ落とされてるんだけど、すごくディープなムードもあって、そしてオワリカラらしい。脳みそと体のバランスっていうのかな。マインドとフィジカルがすごく拮抗してるみたいなものが出来たなと思って。それがオワリカラの次のステップというか、バンドが前進したところにある、オワリカラらしいロックだなぁと思って。「swing」って曲がポーンと出来たから、この方向でアルバム1枚いけるなと思って、一気に曲がどんどん出来たみたいな感じなんですけど。

-リスナーとして聴いていても、前作を聴いた時に、“外に出ていない”という感覚を持ったんです。保守的という意味ではなく、開けても開けてもドア、ドア、ドア……を開き続けるようなディープな迷宮っていうか。で、今回一曲目の「swing」を聴いた時に、その扉がブチ壊されるような感覚を覚えて。痛快でした(笑)

なるほど、ありがとうございます。すごく良い意味で、開けた感じがあると思うんですよね。前作を作ってた2年間って、バンド組んでからずっとライヴハウスにいたんですよね。ライヴハウスで働いてて、ほとんど毎日ライヴやってるみたいな感じで。だから、すごく地下の空間、ライヴハウスっていう地下から世界に発信してるっていうような意識で詞とかを書いてたんだけど……。でも、今のオワリカラって、ツアーに出て色んなところに言ったりして、街に出たって言ったらいいのかな。地下の空間から、なんとなく光りのある方に一歩踏み出したところから音楽をやってるような気持ちで。そういうところが出てるのかもしれないですね。

-つまり、アルバムの方向性が見えてきたのは、前作を完成させて、その段階までのオワリカラを出しきって、ツアーっていう形で外に出て、そして「swing」が出来てっていう中で。

そうですね。

-次のアルバムが見てくる段階があったとしたならば、ツアーというのは大きかった?

そうですね。ツアーでそれをちゃんと音楽にする方法が見えてきたみたいな感じかな。

-やっぱり、きちんと段階を踏んで進んでいっているんですね。それをしっかり自覚されていますし。“自覚的”という意味で、個人的に、前作ってものすごくよく作り込まれたコンセプト・アルバムだなと思っているんです。『ドアたち』っていうタイトルが頭についたことで、“タイトル”“楽曲”“ジャケット”全てが繋がって。そうやってきれいにまとまってコンセプト的になったからこそ、それまでのバンドの2年間をドキュメントしたようなリアリティが一気に加わったと感じてたんです。“バンドとしての頭出しの勢い”というか、“今あるものがそのまま鳴っているようなリアリティ”があったんですね。そういった意味、一つテーマを上げてドキュメンタリーを作るようだったっていう意味で前作はコンセプト的だったと思ったんですが、コンセプトっていうところでは今作はどうですか?

基本的には、今出てくるものを入れようっていうことだったので、例えばこういう感じの曲が必要だから、こういう感じの曲を作ろうって感じではあまりやってないんですよね。その辺は、あんまり脳みそで作ってないんですよ。野生の勘みたいなもので、みんながそれぞれ今出せるものを出し合って作っていくって方向だったから。だから今回のアルバムって、こういうものを作ろうと思って作ったってわけじゃないんですよね。ただ、気持ちとしては……。全体を通じているムードとしては、聴いてる人にダイレクトに届くものをっていうこと、オワリカラの一番コアみたいなものがダイレクトにいくようなアルバムにしたいっていう気持ちはすごくあったから、そういう感覚がすごく強いアルバムだとは思う。『ドアたち』って、自分の中で完結してるものなんですよね。例えば10代の時からこういう音楽がやりたいとか、こういうバンドをやりたい、こういうものがかっこいいんだっていう気持ちを形にするっていうのが一つのテーマだった。それって、すごい俺にとっては大事なことだしすごい可愛いアルバムなんだけど、『イギー・ポップと讃美歌』は、もっと誰かにとってダイレクトに届くもの。それのオワリカラなりの形っていうのを考えたっていうのはありますね。