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INTERVIEW

Japanese

毛皮のマリーズ

2010年04月号掲載

毛皮のマリーズ

Member:志磨遼平(Vo)

Interviewer:佐々木 健治

圧倒的なライヴ・パフォーマンスとそのキャラの立ったロックンロールで人気を集める毛皮のマリーズが、アルバム『毛皮のマリーズ』でメジャー・デビュー!このインタビューでは、前作『Gloomy』制作前からこのゴキゲンなロックンロール・アルバム『毛皮のマリーズ』に至るまでの志磨遼平が自身のロックンロール観の変化を赤裸々に話してくれた。

-よろしくお願いします。頂いたアルバムの資料には全曲解説を書かれていますけれど、インタビューとか、こういう原稿でも何でも、音楽以外の言葉で伝えることは好きな方ですか?

はい。大好きですね。もしかしたら、ミュージシャンとしては邪道なのかもしれないですけど、喋ることも書くことも僕は好きですね。

-今回メジャーからのリリースを決めた理由から教えてもらえますか?

僕は声を大にして言いたいんですけど、古くからの有名な音楽が僕は好きなので、アンチ・メジャーとかそういうわけでは全くないんですよ。アンダーグラウンド志向と言うのはないんですよ。なので、今回はタイミング的にと言うか。これが二十歳の時であれば、二十歳でデビューしていただろうし、早ければ早いほど問題はなかったんですけれど、今になってしまったという感じですね。遅ればせながらというか。

-逆に、アンダーグラウンド志向に見られそうなイメージがありそうですけど。僕もそういう風に思っていたところがあるし。

いつも、そういうアンダーグランドのシーンでは、ちょっと浮いてしまうんですね。アンダーグラウンド・シーンから見ると、にわかというか、違う感じに捉えられてしまって。それで、凄くメジャーな感じの人達とやると今度はアンダーグラウンド代表みたいな。

-どっちつかずだった。

そうですね。どこにも属せずって言うのはありましたね。あんまり友達がいない。僕達には属しているシーンって言うのがないんですよ。例えば、KING BROTHERSとかGUITER WOLFとか、僕達のちょっと前の世代は爆音のガレージ・バンドがいっぱい出てきて。その頃が僕達はちょうど17、8歳だったので、そういうバンドよりも少し後なんです。そして、僕達が関西から上京してきたくらいに、関西ゼロ世代みたいなことを言われるバンドが出てきて。僕達はやっぱりそこでも隙間と言うか、どちらでもない。どちらのイベントにも呼んでもらって、面白かったですけれど。

-じゃあ、ずっと活動の中で、チャンスは待っていたんだ?

そうですね。迎合するのは嫌なので、デモ・テープ審査に送ってとかは全くなかったし、ただライヴをやっていただけだったんですけどね。いや、それにしても何も来いひんなと。楽屋にスーツを着た人が名刺を持ってくるって言うのをずっと待っていたんですけどね。17、8で自分のバンドを始めた時には、10代でデビューって言う夢があったので。僕、バンドを組んでライヴさえすれば、すぐにチヤホヤされると思っていたんですよ(笑)。

-(笑)

でも、1年待っても何も来ないし、恥を忍んでこちらから出向こうかと思って東京に来て。そこはしょうがないと。そこから、ホンマ苦節何年ですかね?7、8年ですか(笑)。だから、「今何故メジャーに?」って言うのは全くないです。

-前作からの変化もはっきりしていますよね?

一番大きいのは、自分の為に音楽を作るのを止めたことですね。今までは、僕がどうなるのかっていうことにしか興味がなかったんですよ。僕が音楽をやることによって、僕という人間はどういう風に歳をとっていくのかなというのが見たくて。だから、僕に楽しいことをたくさんくださいと思っていたんですよね。何でもよかったんですよ。例えば、ライヴ中にメンバーともお客さんとも喧嘩したり、ライヴ中に物を壊すのも面白かったし。若かったから、いろいろなところに喧嘩を売りに行くのも面白かったし。やんちゃと言うか。それは音楽でなくても、たくさん本も読んだし、映画も観たし、女の人と遊んだし。散々いろいろやって、僕はどうなるのかっていうのが僕の基本的な興味だったんです。そういうのは、『Gloomy』の前でそういうことがパタッと止みまして。『Faust E.P』を出したところで。そこから、一年ほど引き篭もりまして。何も手につかずって言う状態で。