Japanese
あいみょん
2019年10月号掲載
Writer 石角 友香
あいみょんの9thシングル表題曲「空の青さを知る人よ」は、ご存じの通り同名映画の主題歌として、彼女が同じタイトルの曲にしたいと書き下ろしたものだ。ところで、いきなり本題からずれるのだが、映画の公式サイトのストーリーの手がかりとなるキャッチフレーズに"井の中の蛙、大海を知らず――されど、空の青さを知る"とある。有名なことわざに続く言葉を書いた人物は不明だが、往々にこうした"続き"は書かれている。この意味は、まだ狭い世界しか知らない未熟者だが、そこから何かを見るときの視線はまっすぐだと解釈することも可能だ。これは映画のヒロインである17歳のベースに夢中の相生あおいや、現実には存在していないであろうしんのを示唆しているように思える。
それらを踏まえて楽曲「空の青さを知る人よ」を聴くと、俄然歌の主人公の人物像と相まって、切なさだけじゃない焦燥や、愛する人に対する愛の表現の意味が、見えてくるような気がする。男性の一人称で歌われるこの曲。歌い出しから、"全然好きじゃなかった/ホラー映画とキャラメル味のキス"という印象的なフレーズで始まり、おそらくそれらは、好きになれなかったけれど、在りし日の君を追いかけている。むしろそれが、存在した君のメタファーとして強く印象に残る。そして、"空の青さ"は彼と彼女では見え方が違ったのだろうなというくだりが、最後の数行で登場。断定はできないが、どんなに想いを寄せた相手でも、その人にしか見えない"青"=価値観や感性、生きるうえでの守りたい真実は、完全にはわからない。
呼び掛けるように歌うのだが、相手は果てしなく広がる空だ。具体がないときの思いとは、そういうものじゃないだろうか。
サウンドやアレンジは、彼女のニュートラルな状態でのフォーキーな質感だが、今回、飛躍的にメロディと構成の冴えを感じるのは、サビ前の"空虚な心の落とし穴"での、不安をかき立てるメロディとファルセットでオクターヴ上に重ねたコーラス。このひと展開が、限りなく広がる空を低い姿勢で見上げている視線からの跳躍として、効果を上げていると思う。さらに、"赤く染まった空から/溢れ出すシャワー"という歌詞は、夕陽なのかな? と想像するが、赤と青の対比が情景的にも言葉的にも強烈な感覚を残す、さすがのワード・チョイスである。プロデュースは、あいみょんの音楽的な世界観を作るうえで欠かせない存在となった田中ユウスケで、前作表題曲「真夏の夜の匂いがする」と同様、八橋義幸のギターと高桑 圭のベース、ドラムは今回、坂田 学が叩いている。さらに、飛翔感を担うのは弦楽カルテット。ストリングスが入っていることをことさら意識させないほど、メロディと歌詞に寄り添ったアレンジが心地いい。
カップリングの「葵」は、同じ音の"あおい"だ。ちなみに、植物のタチアオイの花言葉は、英語だとambition=大望や野心といった意味がある。未熟なものたちが描く大望を優しくてどこか懐かしいサウンドに乗せ、発声も柔らかいニュアンスで歌う。「空の青さを知る人よ」が、君を探し、追いかけている状態だとすれば、「葵」は、再会したうえで、またお互いの道を行くような清々しさがある。なお、「葵」のプロデュースは、こちらもお馴染みの関口シンゴ。田中、関口のシングルにおける曲の温度感の棲み分けは、今回映画の劇中主題歌とエンディング主題歌という棲み分けともリンクしていて、実際、映画の中で時間軸と共に曲を味わうのも楽しそうだ。
なお、シングル・リリース日の10月2日には初の武道館公演にして、たったひとりの弾き語りに挑んだ、今年2月18日のライヴの模様を収めた『AIMYON BUDOKAN -1995-』もリリース。完全収録されたあの日の様子を、現場にいた人も未見の人もぜひ確認してみてほしい。
▼リリース情報
ニュー・シングル
『空の青さを知る人よ』
2019.10.02 ON SALE
WPCL-13107/¥1,000(税別)
[WARNER MUSIC JAPAN/unBORDE]
amazon
TOWER RECORDS
HMV
・"AIMYON TOUR 2019 -SIXTH SENSE STORY-"
追加公演チケット先行抽選受付シリアル・コード封入(初回プレス分のみ)
1. 空の青さを知る人よ ※映画『空の青さを知る人よ』劇中主題歌
2. 葵 ※映画『空の青さを知る人よ』エンディング主題歌
3. 空の青さを知る人よ (Instrumental)
4. 葵(Instrumental)
「空の青さを知る人よ」先行配信中
- 1
LIVE INFO
- 2025.04.09
-
片平里菜
WANIMA
never young beach
Saucy Dog
yama
WHISPER OUT LOUD
村松 拓(Nothing's Carved In Stone/ABSTRACT MASH/とまとくらぶ)
詩羽 × CENT
KANA-BOON
- 2025.04.10
-
Maki
a flood of circle
Saucy Dog
yama
SIX LOUNGE
シド
- 2025.04.11
-
バンドじゃないもん!MAXX NAKAYOSHI
Omoinotake
村松 拓(Nothing's Carved In Stone/ABSTRACT MASH/とまとくらぶ)
THE BACK HORN
Maki
セックスマシーン!! × KiNGONS
FINLANDS
Hump Back
GLASGOW
FUNKIST
moon drop
緑黄色社会
ビレッジマンズストア
LOSTAGE / EASTOKLAB / peelingwards ほか
藤巻亮太
"SYNCHRONICITY'25 Pre-Party"
ネクライトーキー × Wienners
Cö shu Nie
Awesome City Club
WANIMA
Plastic Tree
- 2025.04.12
-
片平里菜
PIGGS
moon drop
yutori
indigo la End
SUPER BEAVER
yama
ぜんぶ君のせいだ。× TOKYOてふてふ
バンドじゃないもん!MAXX NAKAYOSHI
Omoinotake
go!go!vanillas
a flood of circle
古墳シスターズ
GOOD ON THE REEL / ポップしなないで / 渡會将士 / 藤森元生(SAKANAMON)ほか
セックスマシーン!! × KiNGONS
サカナクション
SCOOBIE DO
フラワーカンパニーズ
GLASGOW
DYGL / トクマルシューゴ / YOGEE NEW WAVES ほか
MAN WITH A MISSION
THE BAWDIES
Panorama Panama Town
CNBLUE
緑黄色社会
超能力戦士ドリアン
Novelbright
chef's
The Ravens
INORAN
ねぐせ。
Ayumu Imazu
怒髪天
cinema staff / ヒトリエ / UNISON SQUARE GARDEN / ONIGAWARA ほか
Ochunism
"SYNCHRONICITY'25"
"下北沢こがでらロックフェスティバル2025"
にしな
マルシィ
THE ORAL CIGARETTES
- 2025.04.13
-
片平里菜
PIGGS
Maki
THE BACK HORN
SUPER BEAVER ※振替公演
go!go!vanillas
bokula.
ぜんぶ君のせいだ。× TOKYOてふてふ
ACIDMAN
藤巻亮太
a flood of circle
古墳シスターズ
The Ravens
セックスマシーン!! × KiNGONS
FINLANDS
サカナクション
THE YELLOW MONKEY
超☆社会的サンダル
SCOOBIE DO
LOVE PSYCHEDELICO / The fin. / 荒谷翔大 / 幽体コミュニケーションズ
MAN WITH A MISSION
THE BAWDIES
Cö shu Nie
DENIMS
岸田教団&THE明星ロケッツ
CNBLUE
Novelbright
Ado
Mega Shinnosuke / Conton Candy / トンボコープ / TOOBOE / Aooo ほか
ヒトリエ
Panorama Panama Town
四星球
怒髪天
cinema staff / 9mm Parabellum Bullet / アルカラ / ストレイテナー ほか
Tempalay
ハク。
原因は自分にある。
パスピエ
"SYNCHRONICITY'25"
THE ORAL CIGARETTES
- 2025.04.14
-
YONA YONA WEEKENDERS
ELLEGARDEN × FEEDER
- 2025.04.17
-
柄須賀皇司(the paddles)
XIIX
yama
KANA-BOON
ELLEGARDEN × FEEDER
SUPER BEAVER
The Ravens
君島大空
KIRINJI
Mirror,Mirror
androp
東京初期衝動
村松 拓(Nothing's Carved In Stone/ABSTRACT MASH/とまとくらぶ)
- 2025.04.18
-
超☆社会的サンダル
THE KEBABS
藤巻亮太
Maki
Omoinotake
THE LAST DINNER PARTY
緑黄色社会
THE ORAL CIGARETTES
yama
never young beach
曽我部恵一
FUNKIST
androp
indigo la End
"I ROCKS 2025 stand by LACCO TOWER"
あっこゴリラ
THE BACK HORN
- 2025.04.19
-
"ジゴロック2025"
MAN WITH A MISSION
フラワーカンパニーズ
GANG PARADE
ねぐせ。
サカナクション
"IMPACT! XXII"
WANIMA
眉村ちあき
ヤバイTシャツ屋さん / SUPER BEAVER / ストレイテナー / アルカラ ほか
THE YELLOW MONKEY / UVERworld / シンガーズハイ / yutori ほか
never young beach
原因は自分にある。
THE ORAL CIGARETTES
古墳シスターズ
THE BAWDIES
FINLANDS
sumika
ずっと真夜中でいいのに。
ゴキゲン帝国
太田家
Base Ball Bear × ART-SCHOOL
FUNKIST
HY
PIGGS
BRADIO
須田景凪
ぜんぶ君のせいだ。× TOKYOてふてふ
"I ROCKS 2025 stand by LACCO TOWER"
- 2025.04.20
-
片平里菜
"ジゴロック2025"
chef's
眉村ちあき
緑黄色社会
サカナクション
ビレッジマンズストア
fox capture plan
This is LAST
NOT WONK
古墳シスターズ
10-FEET / フラワーカンパニーズ / 四星球 / くるり / Hakubi ほか
UVERworld / Novelbright / TOOBOE ほか
原因は自分にある。
藤巻亮太
go!go!vanillas
NakamuraEmi
HY
sumika
indigo la End
ぜんぶ君のせいだ。× TOKYOてふてふ
THE BACK HORN
ずっと真夜中でいいのに。
THE LAST DINNER PARTY
SCOOBIE DO
BRADIO
吉澤嘉代子
"I ROCKS 2025 stand by LACCO TOWER"
moon drop
- 2025.04.21
-
THE KEBABS
クジラ夜の街×ルサンチマン
SANDAL TELEPHONE
- 2025.04.22
-
片平里菜
SUPER BEAVER
THE KEBABS
HINDS
Saucy Dog
THE YELLOW MONKEY
暴動クラブ
RELEASE INFO
- 2025.04.09
- 2025.04.10
- 2025.04.11
- 2025.04.12
- 2025.04.15
- 2025.04.16
- 2025.04.17
- 2025.04.18
- 2025.04.23
- 2025.04.25
- 2025.04.26
- 2025.04.30
- 2025.05.03
- 2025.05.07
- 2025.05.09
- 2025.05.14
FREE MAGAZINE
-
Cover Artists
yama
Skream! 2025年03月号