Japanese
あいみょん
Skream! マガジン 2018年05月号掲載
2018.03.31 @渋谷CLUB QUATTRO
Writer 石角 友香
開演前のポップ・ソウルの名曲BGMや、敬愛するSalvador Dalíの作品名から拝借したというツアー・タイトルなど、あいみょんが興味を持つ古今東西のカルチャーの幅広さや深度は、確実に彼女の作品に影響している。赤裸々な言葉を持ったシンガー・ソングライターという形容からはみ出る、個人としてのアンテナの感度の突出具合が、逆にエッジの立ったファンのみならず、広く同世代の女性を引きつけている。それはあいみょんの作品がリアルな一人称であれ、他者目線であれ、情景を描いたものであれ、彼女の最初の衝撃や動機を薄めることなく、丁寧に表現へ落とし込んでいるからなのだろう。満員の渋谷CLUB QUATTROに詰め掛けた女の子たち(もちろん男性も上の世代のファンもいるが)は、自分が言葉として紡げなかったモヤモヤする気持ちを具現化してくれる、信頼できて才能に溢れ、しかも面白い友人のようなあいみょんという存在を頼もしく思い、また表現された痛快な作品に生で触れることで、ある種のデトックスを行っているようにも見えた。
序盤から、自分でも"ずるいな"と思いながらも刹那の恋の季節を生きる女の子の心情を描いた「ふたりの世界」や、初期の中島みゆきを想起させる女の執念と"幸せ"への歪んだ執着を感じさせる「幸せになりたい」を立て続けに持ってくる、女性ならではのブルージーな展開に気迫を感じる。だが、あいみょんの声は真実をひとつひとつピン留めするように、あくまでも冷静なのだ。バンド・サウンドやアレンジはカントリーやフォーク・ロック調で、自然とハンドクラップも起こるのだが、歌われている内容はザクザク心に刺さるものばかり。そのアンビバレントな光景すら、すでにあいみょんのライヴの特徴と化している。作曲者としての才能と言葉をメロディに自然に乗せる卓越したセンスは、まるでSLY & THE FAMILY STONEばりの重心の低いファンキーな演奏が決まった「愛を伝えたいだとか」で、このバンドとのグルーヴを深めてきたことを証明していた。また、声の力で情景と心情を受け手の中で増幅させる「生きていたんだよな」のパワー。「わかってない」の弾き語りや、「分かってくれよ」での歌があらわになるブロックでも、彼女の言葉やメロディの解像度の高さを痛感した。
また、"あいみょん"の名付け親の友人について歌った「〇〇ちゃん」を歌う前に、"私の歌も作ってよ"と軽く頼んでくる人に対しては、すかさず"歌にするような人生生きてないやん"とバッサリ断るというくだりの痛快さ。誰かが歌のテーマになるのは結果論。あくまでも滴るような自分の気持ちに向き合って音楽に着地させるからこそ、彼女の歌は他人を震わせるのだ。今、ステージに立っている大きな動機を表明する「憧れてきたんだ」にも、まるで公開処刑のように芸術家を断罪する今の風潮が描かれていて、その芸術家に彼女自身がなろうとする決意が胸を打つ。その軸があるからこそ、カジュアルで親しみやすいライヴの空間も決して予定調和に終わらないのだろう。本編ラストの「君はロックを聴かない」は、まさに現代におけるRCサクセションの「トランジスタ・ラジオ」だと呼びたいほど、君の知らないメロディやメッセージに助けられてきた"私"が、その素晴らしさを全身で伝え、彼女が受けた衝撃と覚悟の凄まじさに圧倒される。アンコールで披露された新曲「満月の夜なら」の緊張と強気が同居する女子のエロス。これからライヴを重ねてさらにグッとくる演奏に育ってほしい――外に出るとこの日は"ブルームーン"と呼ばれる満月。あいみょん、"持ってる"存在である。
[Setlist]
1. ふたりの世界
2. 幸せになりたい
3. ジェニファー
4. 好きって言ってよ
5. マトリョーシカ
6. 愛を伝えたいだとか
7. 生きていたんだよな
8. わかってない
9. 分かってくれよ
10. 〇〇ちゃん
11. 憧れてきたんだ
12. 貴方解剖純愛歌 ~死ね~
13. 夢追いベンガル
14. RING DING
15. 風のささやき
16. 漂白
17. 君はロックを聴かない
en1. 満月の夜なら
en2. どうせ死ぬなら
- 1
LIVE INFO
- 2025.10.06
-
kiki vivi lily
PEDRO
LiSA
ガガガSP×バッテリィズ
THE ORAL CIGARETTES
- 2025.10.07
-
LONGMAN
緑黄色社会 × Aqua Timez
古墳シスターズ
FOO FIGHTERS
- 2025.10.08
-
THE ORAL CIGARETTES
TOKYOてふてふ
FOO FIGHTERS
Re:name × Enfants
JON SPENCER
MONO NO AWARE
ORCALAND × Gum-9
- 2025.10.09
-
キュウソネコカミ
Rei
OKAMOTO'S
終活クラブ
JON SPENCER
DOES
アイナ・ジ・エンド
感覚ピエロ
Hedigan's
Plastic Tree
羊文学
Kroi
- 2025.10.10
-
ENTH × SPARK!!SOUND!!SHOW!!
暴動クラブ × 大江慎也
Rei
SUPER BEAVER
ザ・シスターズハイ
KING BROTHERS
PEDRO
YOASOBI
moon drop
オレンジスパイニクラブ
OKAMOTO'S
the cabs
WHISPER OUT LOUD
FRONTIER BACKYARD
LEGO BIG MORL
JON SPENCER
NOMELON NOLEMON
a flood of circle
DOES
水曜日のカンパネラ
FOO FIGHTERS
キタニタツヤ
たかはしほのか(リーガルリリー)
ExWHYZ
MONOEYES
藤森元生(SAKANAMON)
大塚紗英
感覚ピエロ
ZAZEN BOYS×サニーデイ・サービス
East Of Eden
アーバンギャルド
JYOCHO
羊文学
小林私
THE SPELLBOUND
- 2025.10.11
-
終活クラブ
キュウソネコカミ
トンボコープ
Appare!
cinema staff
秋山黄色
YOASOBI
moon drop
コレサワ
OKAMOTO'S
"FM802 MINAMI WHEEL 2025"
KNOCK OUT MONKEY
INORAN
WtB
阿部真央
I Don't Like Mondays.
"京都音楽博覧会2025 in 梅小路公園"
KANA-BOON
ExWHYZ
FRONTIER BACKYARD
androp
カミナリグモ
brainchild's
フレデリック
envy × world's end girlfriend × bacho
"JUNE ROCK FESTIVAL 2025"
East Of Eden
Official髭男dism
藤沢アユミ
豆柴の大群
"TOKYO ISLAND 2025"
- 2025.10.12
-
a flood of circle
キュウソネコカミ
SUPER BEAVER
WtB
キタニタツヤ
セックスマシーン!!
WESSION FESTIVAL 2025
"FM802 MINAMI WHEEL 2025"
INORAN
"京都音楽博覧会2025 in 梅小路公園"
Omoinotake
Bimi
ART-SCHOOL
Official髭男dism
eastern youth
なきごと
"TOKYO ISLAND 2025"
- 2025.10.13
-
WtB
阿部真央
I Don't Like Mondays.
Awesome City Club
ExWHYZ
Appare!
The Biscats
brainchild's
Rei
OKAMOTO'S
秋山黄色
Age Factory
トンボコープ
CYNHN × タイトル未定 × fishbowl
"WESSION FESTIVAL 2025"
岡崎体育
"FM802 MINAMI WHEEL 2025"
シド
SCANDAL
cinema staff
Cody・Lee(李)
コレサワ
ネクライトーキー×ポップしなないで
リュックと添い寝ごはん
eastern youth
hockrockb
Omoinotake
Kroi
PIGGS
清 竜人25
Plastic Tree
ぜんぶ君のせいだ。
LiSA
"TOKYO ISLAND 2025"
- 2025.10.14
-
ASIAN KUNG-FU GENERATION × ASH
ドミコ
THE ORAL CIGARETTES
Hump Back
Survive Said The Prophet × NEE
MONOEYES
ぜんぶ君のせいだ。
超☆社会的サンダル
go!go!vanillas
武瑠 × MAQIA
- 2025.10.15
-
ドミコ
LONGMAN
PEDRO
キュウソネコカミ
MONOEYES
打首獄門同好会
アカシック
HY × マカロニえんぴつ
ポルカドットスティングレイ
藤巻亮太
- 2025.10.16
-
ENTH × SPARK!!SOUND!!SHOW!!
YOASOBI
PEDRO
ASIAN KUNG-FU GENERATION × ASH
"Shimokitazawa SOUND CRUISING presents. サウクルラボ vol.1"
SCANDAL
SIX LOUNGE
brainchild's
- 2025.10.17
-
挫・人間
キュウソネコカミ
打首獄門同好会
アイナ・ジ・エンド
YOASOBI
a flood of circle
ズーカラデル
LONGMAN
chilldspot
otsumami feat.mikan
リュックと添い寝ごはん
コレサワ
神聖かまってちゃん
終活クラブ
NOMELON NOLEMON
ASIAN KUNG-FU GENERATION × ASH
フラワーカンパニーズ
SUPER BEAVER
東京スカパラダイスオーケストラ
BIGMAMA
Bimi
- 2025.10.18
-
TOKYOてふてふ
伊東歌詞太郎
挫・人間
シド
OKAMOTO'S
YONA YONA WEEKENDERS
ENTH × SPARK!!SOUND!!SHOW!!
アイナ・ジ・エンド
moon drop
RADWIMPS
キュウソネコカミ
ぜんぶ君のせいだ。
bokula.
the cabs
SWANKY DOGS
amazarashi
INORAN
WtB
osage
"LIVE AZUMA 2025"
カミナリグモ
Cody・Lee(李)
阿部真央
Newspeak
センチミリメンタル
東京スカパラダイスオーケストラ
Keishi Tanaka × 村松 拓
"ASAGIRI JAM'25"
ズーカラデル
I Don't Like Mondays.
Victoria(MÅNESKIN) ※振替公演
ロザリーナ
the paddles
神聖かまってちゃん
LACCO TOWER
星野源
- 2025.10.19
-
DYGL
リュックと添い寝ごはん
OKAMOTO'S
Age Factory
bokula.
ぜんぶ君のせいだ。
moon drop
コレサワ
TOKYOてふてふ
RADWIMPS
SIX LOUNGE
リリカル / みじんこらっく / とにもかくにも / ティプシーズ / 台所きっちん
SUPER BEAVER
Laura day romance
WtB
Omoinotake
"LIVE AZUMA 2025"
Cody・Lee(李)
ビレッジマンズストア
SPRISE
伊東歌詞太郎
浪漫革命
LUCKY TAPES
ハンブレッダーズ / KANA-BOON / キュウソネコカミ / マカロニえんぴつ ほか
ネクライトーキー×ポップしなないで
Keishi Tanaka × 村松 拓
ナナヲアカリ
"ASAGIRI JAM'25"
高岩 遼
Sou
森 翼
SCANDAL
パピプペポは難しい
osage
星野源
PIGGS
- 2025.10.20
-
打首獄門同好会
ASIAN KUNG-FU GENERATION × ASH
TOKYOてふてふ
TenTwenty
- 2025.10.21
-
The fin.
神聖かまってちゃん
ASIAN KUNG-FU GENERATION × ASH
RELEASE INFO
- 2025.10.06
- 2025.10.08
- 2025.10.10
- 2025.10.11
- 2025.10.12
- 2025.10.13
- 2025.10.14
- 2025.10.15
- 2025.10.17
- 2025.10.19
- 2025.10.22
- 2025.10.24
- 2025.10.29
- 2025.10.30
- 2025.10.31
- 2025.11.05
FREE MAGAZINE
-
Cover Artists
OASIS
Skream! 2025年09月号