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INTERVIEW

Japanese

あいみょん

2017年09月号掲載

あいみょん

インタビュアー:石角 友香

-女性のずるい部分とかもあいみょんさんにも当然ある、と。

あると思います。だから今回のアルバム、ほんとにいろんな曲があるのでみんなのリアクションがやっぱ気になります。でも、求めてるリアクションというか、理想のリアクションは"あ、こういう曲も歌うんや"とか"死についてばっかりじゃないんや"みたいな、ジャンルの広さというか。自分の中にある引き出しをいっぱい引き出して曲を作ってるので、それをみんなに知ってもらえたらなっていう。ひとつの枠にとらわれないっていうのは、私のずるさでありたいって感じですね。

-アーティストとしてタグ付けされるのってナンセンスですもんね。

他のアーティストさんもそうなんですけど、次に行きづらくなっちゃうんですよね。次もみんなが求めてるようなものに行かなきゃダメなのかとか。もちろんファンの期待に応えるのもそうなんですけど、自分が今一番やりたいことをやらへんかったら音楽に愛着湧かないし。そこは自分が一番いいと思えるものにしようっていうのは普段から思ってます。

-だって初めてお会いしましたけど、あいみょんさん、めっちゃ元気ですもん(笑)。

インディーズのころは私に対するイメージがほんとひどかったんです。人の目を見て喋れない子なんじゃないかとか、会うたびにインタビュアーさんに"安心しました~"みたいに言われることが多かったです。ほんとに、普通に大丈夫です(笑)。

-しかも活動的だし。音楽をやるアーティストって小説家とかと違って、自分の作ったものの演者でもあるわけで。それが楽しいからやるんだなって、あいみょんさんを見てると思いますね。

私、役者さんにも憧れたりするんですけど、自分が作って台本書いて演出をして、自分が演じるっていうのはたしかに音楽だけができることなのかもしれないなぁって思いますね。

-そうだと思います。「いつまでも」は"まだまだ燃えていたいんだ"っていうストレートなフレーズが意外でした。

この曲、上京してすぐぐらいに作ってた曲で。21歳のときなんですけど、上京したてでいろいろ思ってた時期ですね。音楽に対してもそうですし。それこそずるいなと思ってたんですよ。例えば歌う前に"死んだ誰かへの曲を作りました、聴いてください"って言われたら、それは結局、曲じゃなくてあなたの人生に同情して曲を聴いてますよって思う。そのとき、ほんとに捻くれてたので(笑)。

-いや、捻くれてないでしょ。

それがすごく嫌だったんですよ。純粋に自分の音楽を認めてほしくて音楽をやってるうえで言うと、私の人生なんてどうでもいいんです。クソみたいな人生でいいから曲を理解してもらえたらそれでいいっていう。だから"死んだ友達がさ"とか"貧乏でさ"とか、その前置きはやめてくれって思ってる時期がありました。ずるい! そんなん言ってしまえばみんな売れてしまうよって思ってました(笑)。

-で、シングルにもなった「愛を伝えたいだとか」は曲自体がグルーヴィでかっこいい。

この曲はそれこそ自分でも新しい引き出しを開けれたというか、見つけたというか。やりたかった音ではあります。こういうのもやりたかったからやったっていう。

-音楽的な参照点ってありました?

何だろ? もともとフォークとかに寄りがちというか、聴いてきたんですけど、もともとは小沢健二だったり、フリッパーズ・ギターに憧れてたのもあったので、こういうちょっと横ノリできる曲は昔から聴いてはいたんです。かっこいい曲になればいいなと思いながら作ってましたね。

-あいみょんさんのオザケン(小沢健二)に対する志向は言葉の人だという部分ですか?

言葉の人でもありますし、メロディも素晴らしいなと思ってます。

-アルバムで言えば何が好きですか?

えー(笑)? やっぱ『LIFE』は名盤やなっていうのはもちろんなので。私、意外と「おやすみなさい、仔猫ちゃん!」とか好きなんですよね。でもザ・オザケンといえば「愛し愛されて生きるのさ」です。ザ・オザケンにしか鳴らせない音。

-オザケン好きと言われるとあいみょんさんの詞世界に岡崎京子さんに通じるものも感じます。表には出さないけど、"平坦な戦場で戦う若者"というイメージが。

うん、今、音楽の世界は戦場です。もうヒット曲生まれない、物販頑張るか、とか。今は空前絶後のフェス・ブームですし、なんかもう戦争ですよね。みんながみんな仲良いフリしてるけどバチバチですよね、きっと。みんな言わへんだけで、私は思ってます。