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LIVE REPORT

Japanese

東京初期衝動

Skream! マガジン 2022年03月号掲載

2022.02.12 @LIQUIDROOM ebisu

Writer 荒金 良介 Photo by 横山マサト

昨年12月24日に行った渋谷チェルシーホテル公演はワクチン接種証明持参の観客限定で、東京初期衝動は通常ライヴを実施。1曲目「再生ボタン」からフロアはモッシュが起きて、しーなちゃん(Vo/Gt)は涙を流していた。
今日は大傑作2ndアルバム『えんど・おぶ・ざ・わーるど』レコ発東名阪ワンマン最終日。彼女たちにとって3度目のLIQUIDROOM ebisuは、過去2回を凌ぐ快楽性を爆発させ、会場をガンガン焚きつけていた。多方面にベクトルを伸ばした新曲たちがライヴの楽しみ方を押し広げ、彩り豊かなパーティー感をブチ上げていたのだ。

この日も「再生ボタン」を出発点に、アスリート並みに駆け抜ける平常運転。2曲目以降は待望の新作ナンバーを連続投下し、フロアを沸かせる。クールに斬り込む「腐革命前夜」からあさかのベースはブンブンうねりを上げ、バンドの重厚感をしっかり支えていた。しーなちゃんのキュート・ヴォイスが炸裂した「マァルイツキ」ではその場で踊る人たちが一気に増え、続く「トラブルメイカーガール」においては"産みたいくらいに愛してる!"のパンチ・ワードが強烈な破壊力を発揮。
コンプライアンスなんてクソ食らえ! とばかりの「BAKAちんぽ」を経て、「空気少女」はアウトロのアンサンブルまで神経を尖らせた硬派なロックを叩きつける。怒濤の新曲5連打で観客の心をこじ開けると、会場はまれのギターが輝きを増す「流星」、「春」で一段と盛り上がり、「中央線」で前半戦のクライマックスを迎えた。
あさかが作曲した「山田!恐ろしい男」に入ると、しーなちゃんは拡声器を持って歌い、不穏なサウンドを撒き散らす。そのあとの「下北沢性獣襲来」でステージ下に降りたしーなちゃんは、フロア目線で観客の魂に火をつけていた。そんな野獣ガールが一転、「不純喫茶にてまた会いましょう」では乙女ちっくなポップ・センスを大爆発。この流れには、トキョショキ(東京初期衝動)が新作で提示した多面性の谷に思いっきり突き落とされた気分に陥った。感情も曲調もクルクルと表情を変えるスリリングさに、彼女たちの真骨頂が表れている。そして、「世界の終わりと夜明け前」でグッド・メロディをアピールした後、なおの激越ドラムが牽引する「ロックン・ロール」に突入し、MOTÖRHEAD張りのノイジーな爆音で観客の息の根を止めていた。

これで終わりかと思いきや、いつも通りのアンコールの壁を蹴破って、ぶっ続けにプレイ。「Because あいらぶゆー」、「黒ギャルのケツは煮卵に似てる」、定番の爆速バージョン「高円寺ブス集合」と、ブレーキが壊れたダンプカーのごとく襲撃。さらに"あさか、みんなWアンコール欲しがってるよ!"と、しーなちゃんは観客が要求する前にメンバーを煽り、今日2度目になる「トラブルメイカーガール」と「再生ボタン」を見舞い、全22曲を完全走破した。
ライヴを観終え、変わらないまま変わったトキョショキのパフォーマンスに魅了されっぱなしであった。パンク・ロックはより過激に、ポップ・ソングはより甘美に。ビター・スウィートな振れ幅を突き詰めることで、圧倒的なバリエーションを獲得した新作の凄みを腹の底から堪能することができた。荒波と静寂のジェットコースターで過去最大級の景色を見せ、観客をひとり残らず興奮のるつぼ化させていたのだ。
この日ライヴで披露しなかった新曲もあるため、4月から始まる全国ツアーも楽しみでならない。今最も熱い4人組ガールズ・バンド、トキョショキの暴動っぷりをその目で確かめてほしい。


[Setlist]
1. 再生ボタン
2. 腐革命前夜
3. マァルイツキ
4. トラブルメイカーガール
5. BAKAちんぽ
6. 空気少女
7. 流星
8. 春
9. 中央線
10. STAND BY ME
11. 山田!恐ろしい男
12. 愛のむきだし
13. 下北沢性獣襲来
14. 不純喫茶にてまた会いましょう
15. BABY DON'T CRY
16. 世界の終わりと夜明け前
17. ロックン・ロール
En1. Because あいらぶゆー
En2. 黒ギャルのケツは煮卵に似てる
En3. 高円寺ブス集合(爆速ver)
W En1. トラブルメイカーガール
W En2. 再生ボタン

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