Skream! | 邦楽ロック・洋楽ロック ポータルサイト

MENU

INTERVIEW

Japanese

LOCAL CONNECT

2025年06月号掲載

LOCAL CONNECT

Member:ISATO(Vo) Daiki(Vo/Gt) しゅうま(Ba) Natsuki(Dr)

Interviewer:吉羽 さおり

2015年2月に京都 長岡京市で結成したツイン・ヴォーカルによるロック・バンド、LOCAL CONNECT。昨年10月にギターのまーきーが脱退し、4人の体制でバンド結成10周年を迎えたが、6月4日にリリースとなったベスト・アルバム『Youth』では、学生時代の仲間5人で築いてきた音楽、がむしゃらゆえの葛藤や苦悩、その全てを輝きに変えるようなエネルギーが詰まっている。Youth=青春そのものがドラマチックなロック・ミュージックとなって展開され、再録曲も多く、経験値を詰んだ今だから表現できる普遍にして最新のベスト・アルバムだ。6月22日より10周年を記念したワンマン・ツアー"LOCAL CONNECT 10th Anniversary Oneman Tour「Connect Youth」"、9月には恒例となってきた主催ホール・イベント"LOCAL CONNECT pre. LIGHT YOU 2025"開催が決定している4人に、10年とこれからについて話を訊いた。

-LOCAL CONNECTはもともと学生時代からの仲間でスタートしたバンドなんですよね。

Daiki:そうですね。学園祭をきっかけで組んだバンドで。ここ(ISATO、Daiki、しゅうま)は同級生なんですけど、LOCAL CONNECTになるタイミングで後輩のNatsukiが加入してという感じになるので、16歳からの付き合いです。

-結成のときから、長く活動をしていきたい思いは強くあったんですか。

Daiki:長くやっていこうというよりは、大きなステージでやることを目標にしながらそのときそのときを濃密にって感覚で。僕的には気付いたら10年経っていたくらいの感じで、あっという間やったなという感覚ですね。

-同級生、友達同士だったところから、バンド・メンバーという関係性になっての変化はあるものなんですか。

ISATO:各々で変化していったかなと思うんですけど、僕的にはやっぱりバランスは非常に変わりましたし、友達として大事にしたいものが強かったんです。ただそれだけではバンドとしては進化していけないとか、時には友達として話したくないことも、一緒に音楽をやる人間としては話さないといけない部分は多々あったので、段々とそのバランスがとれていって。今はなんでも話せるより強固なものになったかなという印象はあります。

-10年間で、LOCAL CONNECTはこんなバンドだなっていうのが、ある程度形作られたなと思えたのはいつ頃だったと自分たちでは感じていますか。

Daiki:こんなことを伝えていこうとか、こんなライヴのスタンスでいこうというのはLOCAL CONNECT以前の、前身バンドの後半──なので12~3年前くらいにはあったと思います。もともと僕等はライヴというものをあまり知らない状態でバンドを始めて、ライヴハウスに行くようになっていろんなバンドを観るようになって、自分たちのオリジナリティや伝えたいことはなんなのかを追求し出したので。このLOCAL CONNECTという名前になったときには、結構かっちりとしたものはあったのかなと思います。
日常の中で、ローコネ(LOCAL CONNECT)の音楽を聴いて明日もちょっと頑張ってみようかとか、嫌なことがあったけどローコネのライヴに行ったら忘れられるなとか、ローコネのライヴに行ったらこの人に会えるとか。何か少しのきっかけになってくれるような存在になれたらという。それはブレずにやってるかなという感じではありますね。

-ライヴハウスでいい熱を貰った先輩たちっていうとどんなバンドがいましたか。

Daiki:僕はSUPER BEAVERですね。ライヴハウスでやられている頃からずっとライヴにも通っていて、SUPER BEAVERが伝えようとしていることに感銘を受けましたね。今はルーツとしてそこで受け取ったものを楽曲に落とし込んでいるのかなと思います。

-6月4日にベスト・アルバム『Youth』がリリースとなりました。CD 2枚組のボリュームで、振り返るとたくさんの曲を書いてきました。特にDisc2収録以降の楽曲は変化が見えますが。

Natsuki:ちょうど事務所から独立してこれから自分たちでやっていくタイミングで、何か1曲出したいなというのをメンバーで話していて、Daikiさんの家でみんなでパソコンに向かって、こんな曲がいいんじゃないかみたいなのを話しながら、打ち込みながら作っていったんですよね。そこで作っていったのが「Hands」で、そこからそういう作り方をすることが増えてった気がします。

-新しいことで、楽しさややりやすさもあった感覚ですか。

Daiki:というよりは、みんなが何をしたいかがよく分かったかな。それまでは僕がやりたいことを詰め込んでそれをみんなに伝えていく形だったし、プロデューサーや制作チームと主に東京で楽曲作りをする感じだったんですけど。独立をして自分たちでやるしかないってなったときに、一回みんながどういう音楽をしたいのかを知るためにみんなでやってみようかという。そのときに気付いたことは多かったですね。

-LOCAL CONNECTってこんなこともできるんだ、と。

Daiki:そうですね。僕になかった発想とか、ここ数年は結構ピコピコした音とかも入っているんですけど、それまでは自分たちが持つ楽器以外の音はほとんど入れなかったんです。こんな音どうかな? みたいな話が出たときに、打ち込みとかしたことないけどやってみようかなって作ったのが「Hands」やったので、「Hands」は"LOCAL CONNECT、新しくなったな"と言われるような曲だったと思いますね。

-バンドで作ってるんだっていう意識もより芽生えますね。

Daiki:一体感がありましたね。「Hands」は作詞作曲はISATOで、ISATOが持ってきた歌詞と鼻歌から広げていった感じなんですけど、全く違うものができたなっていう。

-ISATOさんは普段の曲作りは、今もそういう感じですか。

ISATO:変わらず、鼻歌のみですね(笑)。ずっとDaikiに頼りっぱなしで、もちろん彼が書く曲が最高やと思っているんですけど、どこかでチャレンジしてないというか、携わろうとしてない自分がいたことに、メジャーを離れたときにすごく感じて。曲を書いてみようかなということで鼻歌でこの「Hands」を持っていったんです。もちろんそんな簡単に曲が通らないと思ってたんですけど、キャッチーやなってみんなが言ってくれて。じゃあ2番以降も作ろうとなったんですけど、もちろん曲を作ったことがないので発想もないですし、難しいなって思ってみんなに相談したら、いい流れを組んでくれて気付けば自分が想像した以上のものができたんです。
だから作詞作曲は僕の名前になってますけど、ほんま(当時の)5人で作った再出発の曲やなっていう気持ちで。改めてメンバーをリスペクトした瞬間でしたね。おもろー! ってなりました(笑)。

-本当にいいきっかけだったんですね、Daikiさん、ISATOさんそれぞれが書く曲が増えていきましたが、お互いが見ている景色はやっぱり一緒だなと思うことはありますか。

Daiki:共感することが多いですね。それは一緒にバンドをやってきたなかで培ってきたものや、目指すものが同じやったというのがデカいかなって思いました。あとはやっぱり、彼自身鼻歌でって言ってましたけど、メロディと歌詞を書くことに集中してはるのでその質がすごくいいんですよね。逆に、僕は結構アレンジをすることも勉強し出して知識も得ながら、例えばこういうビートで始めようかなとかいろんな作り方をしているんですけど、0から1を生み出すことに集中しているISATOのものがすごいなって思う瞬間が多くて。ISATOの書いた歌詞がメインの曲になることがわりと多いんですけど、すごくいい傾向にあるかなと思います。肉付けはこっちでしたらいいし、0から1にするその骨の部分が大事になるので。ISATOからボイスメモで送られてきたときに結構ワクワクするんですよね。

-自分たちでやるようになってからは、主催するイベント等ライヴはもちろん、視野が広がってる感覚が歌詞や音楽にも出ていますよね。より対象が見えるようになっているというか。よりお客さんも参加できる曲、シンガロングするような曲も増えているように思います。

Daiki:LOCAL CONNECTとして最初のミニ・アルバム(2015年リリースの『過去ツナグ未来』)でツアー([1st Mini Album"過去ツナグ未来"リリース・ツアー])を回ったときに、こんな景色を作りたいなというのはより明確に分かってきましたし。当時プロデュースをやってくれた方も、"自分たちの正解をイメージして作らないとなんとなくで組み立てていったものって、結局ほわっとしちゃうから良くないよ"と言ってくださってましたし。最近で言うとしゅうまが、もっとこんな曲、歌詞があったほうがいいよねとかをリスナーとしての目線でも言ってくれるので、その言葉がデカかったり。それだったら次こういう曲作ってみようってヒントをいつもくれるんですよね。そこは助かってます。

-具体的にはどんなヒントがありますか。

Daiki:例えば......ちょっと歌詞が難しいって言われたことがあって(笑)。

しゅうま:(笑)

Daiki:僕からしたらそれがかっこいいと思ってたけど、しゅうまからの一言で、客観的に聴くとそうなんやみたいな。"これもいいと思うけど、もっと刺さる言葉があるはず"っていう感じのアドバイスをくれたりする。一番リスナーとしての耳を持ってるなと思ってて、そこは頼りにしてるというか。曲の種を4、5曲作ってメンバーに投げたときに、あの曲はこうやったというのを一曲一曲話してくれるので、重要な意見かなって思ってます。

しゅうま:そんな考えてないんですけどね(笑)。でも16歳からDaikiの曲をずっと聴いていて、好きやからこそもっと届けたい思いなのかなって思ってます。そのときはただ感じたままに言ってると思うんですけど、たぶんこれをもっと届けたいとか、あとは僕は普段よくライヴハウスに行くので、客観的にLOCAL CONNECTはどう見えてるかや、楽曲を聴いた感想をお客さんとかに伺う機会が多いので。それを踏まえた上で、自分もそうやなって思ったことをDaikiにこんな意見もあったよとか、この曲をこういうふうに感じてる人が多いよとか話すことは多いですね。Daikiも僕の話を参考にしてくれてるらしいんですけど、この曲は(しゅうまの意見を)参考にしたよみたいなことは言ってくれないので。

ISATO&Daiki&Natsuki:(笑)

しゅうま:どの曲が参考にしたものなのかは僕は未だに分かってないんですけど(笑)。リリースされて数年後に実はこの曲のここはこうやったんやでとか、この曲のこのフレーズはしゅうまが持ってきたやつやでとか言われて。"ほんまや!"みたいな。そのくらいさりげなく使っていたりするんです。DaikiもDaikiで、言われたことを自分の中に落とし込んで自分の色で出しているので、僕も気付かないんですよね(笑)。それを上手いことやってくれてるので、僕も自由にDaiki任せでやってるところはありますね。結果、今話聞いたらええ感じになってるみたいなので。

Daiki:はっと気付いたことは取り入れるようにしてます。僕も言われ待ちしてるというか(笑)、自然にしゅうまの反応を窺ってるところはあるかもしれない。