Japanese
AliA
2019年02月号掲載
Member:AYAME(Vo) EREN(Gt) TKT(Key) RINA(Vn) SEIYA(Ba) BOB(Dr)
Interviewer:高橋 美穂
2018年7月に結成された生まれたてのフレッシュなバンドながら、早くも1stミニ・アルバム『AliVe』を完成させたAliA。聴いてみると、そのスピード感からは想像できないほど、筋の通ったバンドの方向性や、ひとりひとりの個性がしっかりと出ていて驚かされる。ヴァイオリンとキーボードを生かしたクラシカルな魅力に、リズム隊がロックの血を通わせ、さらにギターと女性ヴォーカルがポップな輝きを纏わせていく。新鮮な音楽を求めている人は、ぜひ出会ってほしいバンドである。それぞれが様々なルーツとキャリアを持つ、男女混成の6人組。そのドラマチックな出会いから今作に至るまでの物語を、全員に詳しく訊いた。
-まずは、AliAが結成された経緯からうかがえますか?
TKT:最初に僕とERENが出会ったんです。顔も知らない、話したこともない状態だったんですけど、ERENがキーボードを探しているということで、共通の知り合いを通して、いきなり電話がかかってきて。そこで、ふたりで会って話したんですけど、僕もなぜかふたつ返事でいいですよと答えていました(笑)。
-ERENさんは、どんなバンドを組みたいというヴィジョンがあって、TKTさんを誘ったのでしょう?
EREN:僕の中では男性ピアニストが魅力的だったので、知り合ったばかりのTKTに、なぜか"いけるっしょ!"って思って"バンドやりませんか?"って電話をしました(笑)。
SEIYA:誘った方も誘われた方も変わっているっていう(笑)。
-たしかに(笑)。男性が良かったんですね。
EREN:男性ピアニストがいるロック・バンドって珍しくないですか? そこで、男らしさも繊細さも出せるかなって思ったんです。
-そこから、次にどなたが加入したんでしょう。
RINA:私ですね。
-ヴォーカル、ベース、ドラムより、ヴァイオリンが先だったんですね!
EREN:もともとヴァイオリンも絶対に入れたいと思っていたんです。そこで、TKTの知り合いだったRINAに声を掛けたんですよ。普通はギターを2本入れたりするじゃないですか。でも、僕はきれいな音楽、ロック以外のものも好きだから、自然とヴァイオリンを入れたいなと思いましたね。
-RINAさん、これまでバンドの経験は?
RINA:ずっとクラシックをやっていて、ロック・バンドはやったことがなかったんですけど、憧れはあったんです。そうしたら"スタジオに来てくれる?"って。最初はそんなに乗り気じゃなかったんですけど......AYAMEの声が乗った曲を聴いたら、私のやりたいことがここにはあるなって、急にメンバーになりたいと思ったんです。
AYAME:私が加入することが決まって、すぐに歌録りをしようってなったんですね。それを聴いてRINAが加入を決めてくれたっていう。そのスパンは1ヶ月ないくらいでした。
-じゃあ、AYAMEさんの加入の経緯もうかがえますか?
EREN:ヴォーカルがなかなかいなくて。でも、TKTとAYAMEの共通の知人に――
TKT:バンドをやりたいって言っている子がいるよと教えてもらって。そこで動画を観たら、めちゃくちゃ歌が上手かった。で、近々弾き語りでライヴをするって言うんで、観に行こうと。場所は千葉だったんですけど、当時はAliAがうまくいっていなくて、彼(EREN)はお金もなくて、なんで千葉まで行かなきゃいけないんだと言ってました(笑)。
EREN:TKTから動画を見せられて"音楽は上手さじゃねぇんだよな"って思いながら、"まぁでも行くか"と、全財産2,000円の状態で渋谷から千葉に行きました(笑)。
TKT:ERENはそんなテンションだったんですけど、ライヴを観て第一声を聴いた瞬間に"この子しかいない"ってふたりで話して。
EREN:衝撃的でした。
AYAME:オリジナルを歌っていたんですけど――
EREN:そのオリジナルを記憶していたから、バンド・バージョンを考えて、次の日にAYAMEに送ったんです。
AYAME:びっくりしました(笑)。そもそも私はバンドがしたかったんですよね。でも、なかなか自分がやりたいバンドやメンバーに巡り会えなくて悩んでいたんです。そこでふたりに会ったんですけど、そのオリジナルもバンドでやりたいなぁと思っていた曲で。それが、ライヴの次の日にバンド・バージョンになって送られてきたんです。私は何も言っていなかったんですよ! なのに送られてきたから感動しちゃって、"ぜひ入りたいです"と。
-おふたりで話していた時点では、女性ヴォーカルでいきたいというヴィジョンはあったんですか?
EREN:特になかったです。どちらでも良かったんですけど、僕の作る曲はキーが高めなので女性が合っていたのかもしれません。耳に残るフレーズを考えると、自然とキーが高めになっちゃうんですよね。
-そして、BOBさんとSEIYAさんですよ。
EREN:TKTの知り合いにBOBがいて。
BOB:最初は"サポートでもいいので"ってTKTから誘われたんですよね。TKTを通してERENと会っていろいろ話していたんですけど、僕のドラムを一切見ない状態で"BOBさんやりませんか?"って言われて、何を言うとるんだと(笑)。でも、曲のデモとか聴いていいなって思ったので、まずはサポートで入ったんです。っていうのは、僕はいろいろバンドを経験してきて、うまくいかないことも多かったので、正式メンバーになってやっていくには時間がかかるよね、って思っていて。
-そこから正式メンバーになったのは?
BOB:サポートの段階から"BOBさん入ってくださいよ!"ってERENに熱く言われていて。SEIYAもサポートだったんですけど、ある夜に焼肉屋に呼び出されたんです。男メンバーだけだったんですけど、営業時間が終わっている焼肉屋で2時間くらい話して。
SEIYA:僕の知り合いのお店だったので、待ってくれていたんです(笑)。
EREN:ふたりはいろいろ経験しているからサポートなんだっていう理由は話してくれているんですけど、それに対して僕は"で、いつ入るの?"って、ただただ聞いていました(笑)。
-SEIYAさんがサポートだったのも、BOBさんと同じ理由ですか?
SEIYA:そうですね。バンドに正式メンバーとして入って順調にいくまでに2~3年の労力を使うことが、結構しんどくなってしまっていて。楽器を持ってステージに立つことはやめて、作曲とかをしていこうと思っていたんです。そんなときにERENと知り合ったんで、正式メンバーになることはしっくりこなくて。僕は"誰か知り合い紹介しようか?"みたいな感じで、サポートすらやる気がなかった(笑)。ただ、カッコいい音楽を作ってるなとは思いましたけど。サポートをやることも、熱量に負けたところがありました。
EREN:ベース弾いてるところも見たことなかったんですけどね。
SEIYA:まぁ、AYAMEはライヴを観て決めましたけど、それ以外のメンバーに関しては、ERENはキャリアを知らずに誘っていますからね(笑)。
BOB:どういうプレイをするかとかもね。
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