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INTERVIEW

Japanese

AliA

2020年03月号掲載

AliA

Member:AYAME(Vo) EREN(Gt) TKT(Key) RINA(Vn) SEIYA(Ba) BOB(Dr)

Interviewer:山口 哲生

昨年行った全国ツアーの最終公演である恵比寿LIQUIDROOMでのワンマン・ライヴを、ソールド・アウトで締めくくったAliA。2020年は年明け早々、北米、ヨーロッパ、アジア、そして日本を回るワールド・ツアー"AliAliVe2020 Around the World -Re:AliVe-"をスタートさせた6人が、3月11日に1stシングル『eye』をリリースする。収録されている3曲すべてが異なる表情を持ちながら、チャレンジ・スピリットを存分に炸裂させている作品について、じっくりと話を訊いた。

-1月からワールド・ツアー"AliAliVe2020 Around the World -Re:AliVe-"をスタートされて、この取材をしている時点では北米、ヨーロッパでの公演が終了したわけですけども、現地の反応はいかがでしたか?

EREN:めっちゃ盛り上がりましたね。言語はあんまり関係ないことを感じました。

BOB:僕らは日本語で歌っている曲が多いですけど、それも関係なく、一緒に歌ってくれていて。日本のお客さんとは反応が違うので、この曲でこういうノリ方をするんだっていう発見もありましたし、それをダイレクトで受け止められたのはすごく良かったです。

-北米とヨーロッパでフロアの雰囲気が全然違いました?

SEIYA:全然違いましたね。

BOB:なんか、北米のほうが"うわー!"っていう感じ。

EREN:パーティーみたいな。

SEIYA:そうそう。なんでもありみたいな。どちらかというとヨーロッパのほうが日本と近いところがあったかもね。

BOB:うん。ちゃんと聴いてくれているなっていう反応があって。

SEIYA:あと(ヨーロッパのほうが)若干試されている感じというか。"こいつらどれぐらいやれるんだ?"っていう空気はアメリカよりちょっと感じました。

RINA:ヨーロッパのほうは女性が多いイメージがあったので、ちょっとシャイなところもあるのかなって。

SEIYA:たしかに、ヨーロッパは日本の文化が好きな女の子が多かったかも。

RINA:でも、徐々に盛り上がっていく感じはすごくありましたね。ひとりひとりの熱量が伝わってきて自分も自然と高揚するというか。本当に言語関係なく、AliAの音楽で盛り上がれたかなと思います。

TKT:アメリカは自由に盛り上がっている感じはあったけど、お客さんと戦っているような感じもありましたね。例えば、日本だったら僕が手拍子をすればみんな一緒に手を叩いてくれたり、手を上げたら手を上げてくれたりっていうのがあるけど、(アメリカは)なかなかそういう反応がこなくて。

EREN:お客さんに負けない熱量をこっち側から出していかないと負けちゃうっていう。あと静かな雰囲気のときはヨーロッパのほうが静かになりますね。アメリカは黙っていられない感じで"フゥー! カモーン!"みたいな。

SEIYA:MCとか静かなところで誰かがしゃべっていても、気にならなくなったよね? 英語だから何を話しているのかわからないっていうのも大きいけど、ずっとガヤガヤしていても、大丈夫っていうか。

EREN:うん。そこは良かったと思う。

SEIYA:静かなところで騒ぐのって日本だとあまりいいことだと捉えられないじゃないですか。

EREN:あれって誰が決めたんだろうね?

SEIYA:まぁたぶん、空気だよね。

BOB:そういう意味でも日本人は空気をよく読むんだろうね。向こうはそういう感じがないっていうか。

EREN:でもさ、空気は読むんじゃなくて作るものだから。

-たしかに。AYAMEさんはいかがでした? 現地の反応含め、海外ツアーの感想というとどんなものがあります?

AYAME:もともと自分は自由に歌いたいというか、型にハマらずに、そのときそのときで歌い方が違ってもいいんじゃないかって昔から思っていたんですけど、それが音楽だよなって思わせてくれたお客さんが多くて。自分の好きなように楽しんでいるお客さんを見て、自分のやりたかった歌い方やパフォーマンスが自然と出てきたなと思います。

-新しい自分が出てきました?

AYAME:出てきました。日本ではやっていなかったことをなぜか自然にできましたね。例えば、ロング・トーンを歌い上げたときに"ヒュー!"とか言ってくれたりすると、こういうのを喜んでもらえるのであればもっとこうしてみようとか。

-やっぱりロング・トーンの反応ってあるんですね。

AYAME:結構ありますね。「声」という曲でアカペラになってからバンド・インしたときに"フゥー!"みたいな。そういうのは日本では経験したことがなかったことなので、これを日本でちゃんと自分たちが変わらずにできたらまた変われるかなと思ったし、発見がすごくありましたね。

-ERENさんとしても自由に歌っているAYAMEさんを見て、いい感触がありました?

EREN:ありましたし、僕から見てウチのメンバーは全員スペックがあると思っていて。誰よりもすごいとかではないけど、素敵なものをいっぱい持っていると感じているんですよ。自分たちが日本でやっていたことに対して海外ですごくたくさんの歓声を貰えたことで、"自分たちが持っているものはこれだけ素晴らしいものなんだ"って気づける時間がたくさんあったなと思います。

-ちなみに、MCとかは大丈夫だったんですか?

AYAME:BOBが、英語が堪能なので、サポートしてもらっていたんですけど、"各国の言葉をちょっとだけしゃべれたらいいよね?"って話してたんです。(お客さんは)やっぱり嬉しいと思うから、現地のライヴハウスの人にいろいろ聞いてました。

SEIYA:向こうって知らない人としゃべるのが当たり前なんですよ。みんな独り言を話していたり、鼻歌を歌っていたりするから、気軽に話し掛けられるし、コミュニケーションもとりやすいっていうか。確かに言葉の壁はあるんだけど、日本で日本語を勉強するよりも、ハードルはすごく低い感じがしました。カフェに行っても"調子どうだ?"みたいな会話をしてるし。

BOB:サンフランシスコで朝飯を食いに行ったときに隣のOLみたいな人に急に話し掛けられて、そこでちょっと話したり、飲みに行ったときも全然知らないおじさんと一緒に話したり、そうやって隣にいる人とすぐに仲良くできるのはいいですよね。あとイギリスで向こうのスタッフの人に、"面白いことをいろいろ教えてやるよ"っていろんな危険なワードを教わったりもしたし。

SEIYA:良くない英語をね? 結局そういうもんだよね。

BOB:うん、そこは世界共通。こっちから教えることもあるし。

EREN:そこで一気に友達になれるところもあるしね。

-いろいろと実りの多いツアーだったようですが、ここからは3月11日にリリースされる1stシングル『eye』についてお聞きしていきます。全3曲が収録されていますけども、三者三様でそれぞれのキャラもすごく濃いし、かなり面白い曲に仕上がっていますが、いつ頃に作られたんですか?

EREN:「eye」が完成したのはこの前のツアー・ファイナル("AliAliVe 2019 -realize-")が終わったあとですけど、原型のデモはだいぶ前にあったんですよ。「かくれんぼ」(2019年2月リリースの1stミニ・アルバム『AliVe』)ができたのと同じ時期にはあったんだけど、ツアーを2本回った経験を生かして曲を作っていきたいと思ったから、一度作ったものを壊して今のアレンジになりました。

-原型からかなり変わりました?

EREN:変わったし、みんなはこれぐらいできるという信頼もあるから、全員のフレーズがとても難しくなっていて。ここまでバンドを続けてきて成長したからこそ、今の形になっている感じもありますね。みんなヒーヒー言いながらレコーディングしてたけど、そのわりにパっと録り終えるのなんなんだろうなっていう(笑)。みんなワンテイクぐらいで終わっちゃって、なんならもっといいテイクが録れるかもしれないからって――

-一応録っておこうという。

SEIYA:はい。どの曲もそうなんですけど、他の楽器との兼ね合いや、曲を良くするためのフレーズの、探り合いみたいなものはいつもしているんですよ。今回もサウンド・プロデューサーとして平出(悟)さんが立ち会ってくれているので、それを平出さんと、あとはERENとTKTと一緒に考えていくっていう。歌モノでやっている以上やっぱり歌が生きるものであるべきだから、それを邪魔しないように試行錯誤しながら進めていく感じですね。