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INTERVIEW

Japanese

Non Stop Rabbit

2018年07月号掲載

Non Stop Rabbit

Member:矢野 晴人(Vo/Ba) 田口 達也(Gt/Cho) 太我(Dr)

Interviewer:秦 理絵

-YouTubeのコメントには、"原曲にまったくリスペクトがないカバー"って書かれてました。

一同:あはははは!

田口:そうですよね(笑)。でも最初にYouTubeに上げたときは、再生数が300回ぐらいの動画だったんですよ。一切バズってなかったんですけど、あるタイミングで、なんとなくTwitterに上げてみたら、謎にドーンって伸びていったんです。

太我:リツイートで広がったんですよね。

-最初からフル尺で作ってたんですか?

田口:いや、ワン・フレーズだけですね。今回のアルバムに入れるってなってから完成させたんですけど、ちゃんとした音楽にしたときには、やっぱり悪ふざけよりも、音楽として聴かせる要素も増えたんじゃないかなと思ってます。

-メッセージ性がある曲になりましたよね。先生にチクって終わるんじゃなくて、"君自身が変わらなきゃ歌う意味がないよ"って。

田口:誰かに頼るだけじゃダメだよっていうことですよね。"いけないんだ、いけないんだ"って、先生っていう脅威を利用することで、相手への恐怖を煽るみたいな言葉じゃないですか。もしかしたら気軽に使う言葉かもしれないけど、ただ、それを吐いて相手を脅すだけでいいのか? っていう。先生とかに言う前に、自分で何かできることがあるんじゃないかと思って。めちゃくちゃバカげた曲ではあるんですけど、そんな意味もありますね。

-さっき"ライヴハウスに魅力を感じない"って言ってましたけど、年明けには3ヶ月連続ワンマンをLIVEBASE西麻布でやってます(2018年1月27日、2月24日、3月10日に開催)よね。

田口:ライヴはワンマンばかりなんですよ。対バンは5回もやってないよね。

矢野:最初の数回しかやってなくて。

田口:その代わり、今は月イチぐらいでワンマンをやってますね。

矢野:僕ら、最初のワンマンがチケット代500円だったんですよ。路上で集まったお客さんに、とりあえずワンマンに来てもらいたいなっていうのがあったので。

田口:僕らは聴いてもらえさえすれば、お客さんを掴めるっていう感覚があって。圧倒的な歌への自信があるんです。そもそも見ず知らずのバンドに3,000円とか4,000円を払わせるっていう精神が間違ってると思うんですよ。だから、まず1年間は赤字でいいと思ってて。とりあえずチケット代を安くして、僕らのライヴに来やすい状況を作って、とにかく聴いてもらいたい。そのために、とにかく路上ライヴを1ヶ月間みっちりやったあとに、ワンマンをやるっていう流れを半年ぐらいやってましたね。

矢野:だから僕らはライヴハウスそのものが嫌いじゃなくて、対バンっていう仕組み自体にメリットがないんじゃないかなと思ったんですよ。その当時の自分たちのレベルでは。

-じゃあ、ライヴ自体は――

太我:めちゃくちゃ好きです。

-ネットでバズってから、ライヴは変わりましたか?

田口:いや、去年ワンマンをやったときとか3ヶ月連続ワンマンをやっていたときは、まだネットでまったくバズってなかったから、そのあたりは未知数なんですよね。

太我:でも最近確実に変わったのが、ファンの方が街で声を掛けてくれるようになったことで。

矢野:渋谷とか、都内ではね。

太我:僕らは、もっと有名になりたいんです。

矢野:町を歩けなくなるぐらい、話し掛けられたい(笑)。

-言い切りますね。

田口:これ、いつも言ってるんですよ。

矢野:ラジオでも言ってますね。

-そういう強い想いがあるから、自分たちに対するネット反応を敏感にキャッチして、"今はこれだ"っていう方向に柔軟に舵を切っていけるんでしょうね。

田口:テレビとかお笑いが好きっていうのが僕たちの根本にあるので、音楽も、何かを伝えたいからって言うより、ただ楽しいからやってるんです。

-そんなノンラビの初アルバムが『全A面』になります。変な言い方ですけど、YouTuberバンドって言うと、"実際、音楽はどうなの?"って思われがちだけど、とても聴きやすい歌モノアルバムでした。自分たちとしては、どんな作品になったと思いますか?

太我:とりあえず有名になりたいから、僕らの曲は頭サビがすごく多いんですよ。ふわ~っとしたイントロで入るんじゃなくて、一発でガーンっていくような。

田口:このメロディで落とせると思った瞬間、100パーセント頭サビにしようっていう感じですよね。今は余計なことを考えずに、とにかく歌を聴かせようっていう気持ちです。

-"全A面"っていうタイトルのとおり、全部がポップでキャッチーですね。

田口:何よりもメロディと歌っていうのが3人の信念なんです。だから、ドラムとギターはほぼ鳴ってなくてもいい。そのへんはしっかり表せてると思います。

-UVERworldが好きっていうのを考えると、もっとロック・バンドらしく、全員の演奏のかっこ良さを追求する方にも行きそうですけど、そうはならなかった?

田口:それも圧倒的に路上ライヴをやった経験からですね。路上ライヴはアウェイなので。何で聴いてもらうかって言ったら、ギターとドラムでは聴いてもらえないんですよ。やっぱり歌。しかも、頭サビの曲だけ反応が違うなっていうのが、止まる人数で明らかにわかるんです。それで、"あ、もう歌しかないな"っていう。

-要するに路上ライヴで市場調査をしてた、みたいな。

田口:まさにそういう感じですね。