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INTERVIEW

Japanese

小林太郎

2018年06月号掲載

小林太郎

インタビュアー:吉羽 さおり

-5曲中4曲はデモとしては以前からあったということですが、その中で軸として決まっていったのはどのあたりですか?

2曲目の「Jaguar」ですね。これは古くて、4~5年前の曲です。当時はリフしかなくて、今回歌詞をつけたんですけど。その曲だけじゃないんですが、今回は歌詞がむちゃくちゃスムーズに書けまして。

-そのくらい、やっぱりいろいろ思うところがあったんでしょうね(笑)。

はははは(笑)。以前も自由に書かせてもらっていたんですけど、やっぱりいろんな方のチェックや、こうしようああしようという話し合いがあったんです。でも、今回はそういうチェックや話し合いが何もなかったので。それが不安なところもあったんですけど、最初にやると決まった「Jaguar」が、本当にスムーズにできて。

-そのいろんな意見っていうのが、この歌詞の冒頭にある大人のやりとりに出ている。

そうですね。そこは別にストレスが溜まっていたわけではないんですけど、なんかスラスラと出てきてしまって(笑)。

-メジャーで活動するということで、これまでどこか自分でもフィルターや制限をかけていたところもあったのかもしれないですね。

それがなくなったら、自分の言葉が出やすくなるんだなとは実感しましたね。最初に「Jaguar」をやりたいと決まった理由が、激しさがあるけれど、テンポもいいしサビがキャッチーだなと思って。1曲目の「Squeeze」は、『Orkonpood』の1曲目の「ドラグスタ」に、テンポや音の加工の仕方とか作り方が似ていて──似せたところもあるんですけどね。「Squeeze」では特に小林太郎というものを見せようと。そして「Jaguar」では、小林太郎っぽさと、キャッチーさを出していて。頭2曲(「Squeeze」、「Jaguar」)で自分の説明ができればいいかなと思いましたね。

-"今日から僕は別人になるレベルで/歩き始める"と歌っちゃう「響」などもそうですが、それこそ"自分が歌いたい音楽をやるんだ"っていうときの衝動感に近い。そういう歌が中心ですね。

そうですね。ただ、衝動ということで言えばデビューした最初が一番強いと思うので、そこは心配だったんですけど。でも、最初のころと遜色ないくらいのいい曲だねとか、言ってもらえるくらいのものが作れて良かったと思いますね。独立するということは、場合によってはスケール・ダウンしがちな環境の変化だと思うんですけど。でも、作品にはそういうイメージを絶対につけちゃダメだなと思っていたので。「Squeeze」とか「狼」とかは、コアな僕の趣味趣向が入っているんですけど、だからこそ「Jaguar」と「響」は僕を知らない人や、僕のやっている音楽のジャンルを知らない人でも、もうちょっとわかりやすいように作らなきゃなと思っていましたね。

-レコーディングに携わるメンバーとしては変わらないところもあるんですか。

ガラッと変わりましたね。そもそも僕が昔、"小林太郎とマサカリカツイダーズ"というバンドをやっていて。そのバンドで出たオーディションがきっかけで、僕はテレビ朝日ミュージックと契約ができたんですけど、今作のレコーディング・エンジニアが、そのバンドのドラマーだった清水裕貴っていう奴なんです。彼は高校時代ずっと"レコーディング・エンジニアをやりたい"と言っていて、俺は"アーティストになりたい"と言っていて、偶然ふたりともその道を歩んでいっていて。

-いい話ですね。

そのあともたまに飲んだり、遊びでレコーディングをしたりしていたので。今回、めちゃくちゃいい仕事をしてくれています。さらに今回のアレンジャーは、2~3年くらい前に出会ってからちょくちょく遊んでいる杉田(昌也)っていう奴で。最小人数で、効率的にいい仕事ができたなと思っています。

-ということでは、小林太郎像を知っている人たちばかりで作り上げられているんですね。スケール・ダウンせず、このメンバーで、例えば「Squeeze」の重厚感や、ビッグなサウンドを出せたというのは、すごく大事なところですし。

デビュー作に収録された「ドラグスタ」を聴いて、"当時のエンジニアさんは何をやったんだろう? どうしたらああいう音になるんだろう?"っていう感じで考えながら、エンジニアの清水が全部やってくれましたね。そしたら、清水のTwitterを、その「ドラグスタ」をミックスしてくれたエンジニアがフォローしてくれて、僕にもコメントが来たんです。"今回曲もいいけど、ミックスがすごくいいね"って。

-大正解だったんですね。

大正解でした。それは僕も、清水というエンジニアもすごく喜んで。良かったなという。