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INTERVIEW

Japanese

EARNIE FROGs

2018年04月号掲載

EARNIE FROGs

Member:三木 正明(Gt/Vo) おがた(Ba/Vo) テラオ(Gt/Cho) ゆかちん(Dr/Cho)

Interviewer:秦 理絵

-今回のアルバムの収録曲だと、とにかく「キャッチボール」がすごくいいなと思いました。清々しいサウンドにいまのアーニーが歌う理由がすべて詰まってるなって。

三木:「キャッチボール」は、個人的には大きなターニング・ポイントなのかなと思ってるんですよ。この曲って"どういう曲を作ろう?"っていうのを考えずに歌ってるんです。自分でも何を思ってるのかわからない状況でスタジオに入って、いったんあれこれ考えるのをやめようと思ったんですよね。好きなコードをジャーンって鳴らして、自分がいま歌いたいメロディと言葉を乗せてたら、こんな歌になってたっていう感じで。そのときに、出だしの"キャッチボールをしていたんだ"っていう歌詞も出てきたんですよね。

-三木さんにありがちなやつですよね。曲を書きながら、"あ、俺、こういうことを考えてたんだ"っていう。

ゆかちん:あるあるですよね(笑)。

-そのなかで出だしの"キャッチボールをしていたんだ"はどうして出てきたんでしょうね。ずっとひとりで歌ってきたけども、キャッチボールをしてた。要するに、人と人とのコミュニケーションをしてたんだっていう意味だと思いますけども。

三木:なんでだろうな......。これ、ひとりだとキャッチボールはできないっていうのは、おがたにも言われたんですよ。日本語としては間違ってるんだけど、自分的には正しいと思ってるんですよね。もともと音楽で自分の気持ちを発散してるところもあったし、意思表示も苦手だったから、"自分がこういうことを思ってます"っていうのを世に出すのはおこがましいっていうところからスタートしてるんですけど。やっぱりEARNIE FROGsのかたちをとって音楽を作って出してる以上は、誰かに投げ掛けているっていうのは間違いないですからね。そういうことを歌いたかったんだと思います。

-なるほど。この「キャッチボール」に平行して、他のアルバム曲も作ってたんですか?

テラオ:アルバム自体はずっと作り続けてましたね。で、本当は「キャッチボール」を出した去年の秋(※2017年10月に配信シングルとしてリリースした)に盤として出したかったんですよ。ただ、『ノンフィクション』を出したあと、本当にまったく曲ができないというか。カラッカラの状態になってしまって。

ゆかちん:枯渇してたよね。

三木:何か盤を出そうにも、ダメな曲しか出ないっていう時期が続いてるなかで、「キャッチボール」がポンと出てきたんですよね。それを配信でリリースさせてもらって。その制作過程のなかで、まずリード曲「Carve Out」が出てきて。"あ、これでいこう"っていうふうに思えてきたっていう流れなんです。"これに添ったアルバムを作りたい"っていうことをメンバーに伝えて、やっと制作が始まっていきました。

-そもそも曲ができないっていうのは、デモ出しすらできない状態ってこと?

三木:それぞれ始めの一歩を踏み出そうとしてデモを作るじゃないですか。それが"なんか違うな"みたいな気がしちゃってたんですよ。それをいろいろ組み合わせてキメラ的に曲を作ることもできたんでしょうけど、『ノンフィクション』を出したあとの作品で、そういうことをするのは違う気がしてて。たぶん同じようなことを、それぞれのメンバーが思ってたんですよね。結果メンバー全員があんまりスタジオにデモを持ってこない時期があったんですけど、持ってこないだけで曲自体は作ってて。

おがた:なんとなく曲を世に出すことが狭き門になってたんですよね。自分たちの中で勝手に"これじゃない"っていうハードルが上がった感じというか。