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INTERVIEW

Japanese

EARNIE FROGs

2019年06月号掲載

EARNIE FROGs

メンバー:三木 正明(Vo/Gt) おがた(Ba/Vo) テラオ(Gt/Cho) ゆかちん(Dr)

インタビュアー:秦 理絵

これまで「リアリティ」「Carve Out」というような疾走感のあるロック・ナンバーこそEARNIE FROGsの真骨頂と思っていたが、そんな認識を覆すような新作ミニ・アルバム『イエロウ・イン・ザ・シティ』が完成した。ジャンルを越えた個性豊かな楽曲たちでバンドの"クセの強さ"を全開にした『キャラクター』から1年。今作でアーニー(EARNIE FROGs)が目指したのは、ありのまま日常を切り取る大人のサブカルチャー的な雰囲気。リード曲「シニカル」ではブラック・ミュージックの要素を取り入れつつ、4人で音楽を奏でる喜びを噛み締めながら完成させたという今作は、EARNIE FROGsの本質が強く浮き彫りになった1枚だ。

-最近YouTubeで三木さんとおがたさんが"一日一曲カバー"を始めたのを楽しく観てます。BUMP OF CHICKENとかフジファブリックとか。

テラオ:バンドの間口を広げたいんですよね。あれだけいいクオリティで生配信をやれることは、僕らの強みかなと思ってるんですよ。

三木:少しずつ新しい層に広げられそうな手応えも感じてて。

おがた:今までTwitterで見かけなかった人もコメントをくれるようになってるんです。

-あのクオリティでアップし続けるのは大変でしょう?

三木:大変ですね(笑)。"ちょっとやってみよう"っていう感じで始めたけど、"ちょっとやってみよう"のカロリーじゃなかった。

おがた:間に合わなくなりそうな日もありますからね。

-それでも、面白動画とかで新規リスナーを狙うんじゃなくて、ちゃんと音楽に軸足を置いてるのがアーニーらしいです。

三木:僕らが人に見せられるのは音楽以外ないですからね。

-で、新しいミニ・アルバム『イエロウ・イン・ザ・シティ』ですけど、ポップな作品になりましたね。今までのイメージをガラッと覆すような作品じゃないですか。

三木:ロックでガシャーンっていうのではないですね。熱量だけで誰かの心を動かすぞっていう形ではなくて、もっと音楽的で、言葉とかメロディによって人の気持ちを動かしたいっていうふうになってます。BPMも下がったし。

ゆかちん:めっちゃ下がりましたね。

-こういう方向性になったきっかけがあったんですか?

テラオ:大きいきっかけがあるとすれば、リード曲の「シニカル」ができたことですね。自分たちで狙ってやったわけじゃないんですけど、聴いてくれた人たちの反応が変わったんですよ。それで、"アーニー本来の力を発揮できる方向性って、こういうことなんじゃねぇのか?"って気づいたというか。

三木:最近"速い曲を作るのは大変だね"っていう話をしてたんです。で、この曲を作ってた頃はBPMが100~120前後の曲のデモがいっぱいできてて、その中から「stand up crowd」(2018年10月)、「usual music」(2018年11月)、「シニカル」(2018年12月)を配信で出したんですけど、特に「シニカル」が良かったんですよ。大人で洗練された感じがアーニーに合ってるんじゃないかって。

-「シニカル」は誰が原形を作った曲ですか?

おがた:この曲はテラオが歌のない状態のオケを投げてきて、それにメロディと歌詞をつけるっていう作業をやったんです。私、椿屋四重奏が大好きなんですけど、「シニカル」を聴いたときにそのイメージがあったんですよ。艶っぽくて、中田裕二(Vo/Gt)さんが歌ったらいい感じだなっていう(笑)。でも、途中でそれをアーニーでやるのは違うなっていう話になって何回か作り直して......いけないとわかっていてもやめられないっていう執着のようなものを、危なっかしいイメージで作ったんです。

-一夜限りの危険な遊びをイメージするパーティー感のある曲ですけど、これに「シニカル」=皮肉、冷笑っていう意味のタイトルを付けたのがアーニーっぽいです。

テラオ:そうですよね(笑)。もともと曲のイメージで付けた仮タイトルだったんですけど。

おがた:この曲は現実逃避みたいなことを歌ってるんですよ。普段の日常でバカみたいに真面目に働いてることに対する皮肉ですね。

三木:抑圧からの解放がテーマです。

-テラオさんとしては、この曲の原形を作ったときには、今までのイメージを打ち破るようなものが欲しいっていう想いがあったんですか?

テラオ:ただ作りたいものを作って投げただけですね。前回、前々回ぐらいから、僕がどんな曲を作ろうとも、ふたり(三木とおがた)が歌えば、それはアーニーのポップスとして認知されるだろうっていう謎の自信があって。

おがた:(テラオは)結構早いペースでオケを投げてくるんですけど、どれもタイプが違う曲だから、情緒不安定かな? って思っちゃうんですよね(笑)。

三木:そのせいで僕とおがたの守備範囲もすごく広くなってるんです。

-ゆったりと踊れる「シニカル」、「SHELTER」みたいな曲もあれば、アグレッシヴに攻めた「usual music」みたいな曲もありますからね。

テラオ:基本的に僕は「usual music」みたいなロックが好きなんですよ。ああいうアメリカ色が強い曲が。

三木:太めのね。

テラオ:でも、「シニカル」みたいな曲も聴くんです。たぶんこの曲を作った日に椿屋四重奏を聴いてたんでしょうね(笑)。

三木:できたとき、サスフォー(※サスペンデッド・フォース/コードの一種)へのこだわりを熱く語ってたよね。

テラオ:"今まで使わなかったコード進行だから、ちゃんとキャッチしてほしいな"みたいなことを言ってて。最近そのへんのこだわりは強くなってるかもしれないです。

三木:(テラオの)視野も広がってるから、結果としてバンドで表現できる作品が先鋭化されていくっていう流れになってきてますね。