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INTERVIEW

Japanese

EARNIE FROGs

2020年12月号掲載

EARNIE FROGs

メンバー:三木 正明(Gt/Vo) おがた(Ba/Vo) テラオ(Gt/Cho) ゆかちん(Dr)

インタビュアー:秦 理絵

"2020年は勝負の年にする"。今年バンド結成10周年イヤーを迎えたEARNIE FROGsは、そんな断固たる覚悟のもと最新アルバム『Answer』を完成させた。今作は、これまで作品をリリースするごとに新しいアプローチを取り入れ、自分たちだけの音楽を求め続けてきたアーニー(EARNIE FROGs)が導き出したひとつの答えだ。音域の広い男女ツイン・ヴォーカルというバンドの武器を最大限に生かしながら、ジャンルレスなアレンジで春夏秋冬を描いた全11曲。自分たちの音楽を届けるために何があっても立ち止まらないこと、固定概念にとらわれずに変化し続けること。揺るぎない答えを導き出した今のアーニーに迷いはない。

-2020年は想像もしていなかった年になりましたけど。そんななかでも、アーニーは止まらずに走り続けていましたね。

テラオ:コロナになる前よりも忙しいくらいですね。去年からYouTubeでも積極的に動画をアップしていたおかげで、そっちにシフトした活動ができたのも良かったと思います。

三木:こういう時期にバンドを止めてしまったら、僕たちは存在しないのと同じになっちゃうと思ったんです。それが嫌だったからずっと活動してました。

ゆかちん:ライヴハウスには出られなくなってしまったけど、そのぶん配信だけでもやり続けられたのはありがたかったです。この時期、音楽を続けることって本当に奇跡だなと思ったんですよ。立ち行かなくなって解散したバンドもいるなかで、私たちはたまたまバンドを続けられて。新しいアルバムを出せるっていうのも幸せなことだなと感じてます。

-今回のアルバムに至るまではコロナ禍に春、夏、秋盤として3枚のEPをリリースしてきましたけど、それはいつから決めていたんですか?

テラオ:去年の冬前ぐらいから決めていました。

-どうしてそういった作品の出し方にしようと思ったんですか?

テラオ:YouTubeから僕らを知ってくれた人たちと直接触れ合う機会を作りたかったんです。最初からわかってたことだけど、そういう人たちがオリジナルに興味を持って、CDを買ってくれるところまで落とし込むのが本当に難しいんですね。それで、定期的にリリースを行って東名阪でインストア・ライヴをすることで、YouTuberの匂いもありつつ、実際に会える機会も増やせるかなと思ったんですけど、それがコロナで......。

-ライヴを開催することはできなかったと。

テラオ:そうです。だから代わりにミュージック・ビデオを作って、それを観てもらえるようにして。今も現在進行形でいろいろなやり方を摸索してます。

-とはいえ、YouTubeで定期的に公開しているカバー動画のほうは着実に再生回数を増やしてますね。90年代J-POPカバーは世代なので、楽しみながら聴いてます。

テラオ:あ、それは嬉しいです。僕らもそのへんは好きだから、楽しいんですよ。

おがた:いわゆるJ-POPみたいなものを聴いてた年頃ですからね。

三木:改めて90年代の音楽を聴き直すと、本当に勉強になることが多いんです。歌い方もそうだし、アレンジの方向性にしても。YouTubeのカバーで表現の幅が増えたことで、自分たちの魅力ってなんだろうな? っていうのを考えるきっかけになりましたね。

ゆかちん:その時代の曲って、そらで歌詞を思い出せる曲が多いんですよ。

-カバー動画が多く聴かれるようになると、"カバーはいいんだけど"みたいな評価も出てくるだろうし、それに対するプレッシャーを感じたりすることはないですか?

テラオ:そこはあんまり気にしてないですね。マインド的には切り分けて考えてるので。ここまで言っていいかわからないけど、結局、YouTubeは僕らにとってサービスのひとつなんです。YouTubeって媒体を使ってやれるエンターテイメントの一環というか。だから、単純に楽しんでもらえれば、オッケーみたいなところはあるんです。

-そういえば、さっき自分たちのことを"YouTuber"って表現してて、ちょっと意外な感じがしたんですけど。腹を括ってるというか。

テラオ:あぁ、あの場所での自分たちは"音楽系YouTuber"ですからね。

-要するに、ネット上では"音楽系YouTuber"として振る舞うけれど、あくまでやってる側のマインドとしては、ロック・バンドであるっていう大前提はあるわけですよね。

テラオ:そう。それは最初から変わらないですね。変な話、周りからどう見られるかは、"このバンドって、こういうジャンルだよね"って言われるのと同じで、結局見てる側が決めることだと思うんです。こちら側の演出として、あえて"YouTuber"って言葉は使うけど、自分たちがバンドであるという本質は変わらないですね。

-なるほど。では、アルバムに話を戻して。今回、春夏秋冬のシリーズとして出そうと思ったのには、何か理由はありますか?

テラオ:そこは後づけですね。EPを3ヶ月ごとに出すうえで、なんとなく季節感を意識したものを出せればいいかなっていうことで。

-制作のスケジュールとしては、ある程度アルバム曲としてまとめて作ったうえで、春夏秋盤を切っていったんですか? それとも作りながら出してたのか。

三木:後者です。春夏秋に入れる曲だけは先に作っていて、アルバムに入る新曲は、春夏秋盤を出しながら作っていった感じですね。

-では、リリースした順番に詳しく楽曲の話を聞かせてください。4月にリリースされた「アルナイル」は春らしいアレンジになりましたね。途中のピアノが印象的でした。

テラオ:今年の頭からサポートで鍵盤に入ってもらってるんです。今回のアルバムはその影響が大きいと思いますね。この曲は、冬が明けていくイメージで作ったんですけど。今回のアルバムの中で一番昔に録った曲です。前作の『Orange glitter』(2019年リリースの3rdミニ・アルバム)に収録されてる「36.7℃」と同じ日にレコーディングしてたんですよ。

おがた:1年半ぐらい前に作ったんですよね。

-リリースされたタイミングとしては、コロナに耐えるこの状況を"冬"にたとえて、春を待つような曲にも聴こえますよね。

三木:そうなんですよね。作った当時は、シンプルに"春に向かっていく"っていうような意味を持つ曲を作りたかったんですけど。

おがた:ちょうどこの曲を作っていた当時、遠くにライヴをしに行くことが多い時期だったんですね。そのあと、バンドの計画として、少しライヴの本数を減らそうということになったときに、遠方に行く機会が減るのは、やっぱり寂しいなって気持ちはあって。各地方に待ってくれてる人たちのためにも、また会いに行けるように、新しい期待を込めた曲を作ったら、それがまた自分たちの原動力になるかなと思って作ったんです。

-そこにコロナ禍で新しい意味合いが加わったという感じなんですね。

おがた:そうですね。「アルナイル」はこうなる曲だったのかなと思います。

-で、夏にリリースされたのが「ラムネサイダー」です。柔らかで清涼感のある曲ですね。

テラオ:夏盤をリリースするにあたって、オケ倉庫から出してきた曲ですね。

三木:"夏にいいじゃん"っていうのでね。

テラオ:海のイメージではあるんですけど、なんとなく思い浮かべるのは田舎の海なんですよ。湘南とかではなく。伊豆の下のほうみたいな(笑)。

-輪唱みたいに重なり合っていくヴォーカルも海のイメージから膨らませたんですか?

おがた:海って途切れなく音が鳴ってると思うんですよ。そういうイメージですね。歌詞は、若いころの思い出を懐かしんでる。その時間を大事にしたいなっていう曲です。