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INTERVIEW

Japanese

ヤバイTシャツ屋さん

2018年01月号掲載

ヤバイTシャツ屋さん

Member:こやまたくや(Gt/Vo) しばたありぼぼ(Ba/Vo) もりもりもと(Dr/Cho)

Interviewer:沖 さやこ

-そんな"無"や"アホ"と言われている「DANCE ON TANSU」の歌詞には、さりげなく"ヤバイTシャツ"というワードが入っていますけど。

こやま:ね。大事な"ヤバイTシャツ"をこんなところでしれっと入れてしまった(笑)。

しばた:しれっとタンスの中に入れてしまったね(笑)。

こやま:ヤバイTシャツ屋さんの"ヤバイTシャツ"はタンスの中に入っていました!

もりもと:タンクトップはばんばん表に出てるのに、ヤバイTシャツはタンスにしまわれてたんや(笑)。......もしかしてこれが隠しメッセージ!?

こやま:ははは、そういうことです(笑)! タンクトップばっか言うてなかなかヤバイTシャツが出てこないけど、"ヤバイTシャツはあるけど、まだまだタンスの中に隠してますよ~"ということですね。

しばた:さすがこやまさん、伸びしろ残してるなぁ~。

-「ベストジーニスト賞」はしばたさんが作詞作曲。「L・O・V・E タオル」(『We love Tank-top』収録曲)以上にしばたさんワールドが広がっている。なぜジーパンの曲を?

しばた:ジーンズ生地が好きなんですけど、長いジーパンが全然似合わなくて昔から履く勇気がなかったんです。そんなときに亀梨和也(KAT-TUN)さんが"ベストジーニスト賞"を獲ったのをTVで観たとき、"世の中にこんなにジーパンが似合う人がおるんや!"と思って。おまけにただ履いてるだけじゃなくて、おしゃれに着こなしてる感がすごかったんです。ジーパンが似合う人ってすごいと思うんですよ。あんな立派な賞がずっとあるくらいやし、ジーパンが似合うというのは天性の才能やなと思うんです。それがめっちゃ羨ましくて。めっちゃ羨ましい! という曲です。

こやま:僕には絶対作れない曲やなと思います。僕もうちょっと頭いいんで(笑)。

しばた:あははは! そんなことないよ、これだいぶ偏差値高いよ(笑)。"こんなにいろいろジーパンあるんや"って知れて勉強になるやん。

こやま:すっごい一部の偏差値しか上がらへん(笑)。しばたの曲はほんまプログレやなと思います。全然セオリーに沿ってない。「ベストジーニスト賞」の展開は複雑やけど、フレーズ的には好きで得意な感じだったのでいい感じにできたけど、もりもとが苦戦してました。ずっと苦い顔してて(笑)。

もりもと:しばたはベースの弾き語りでスタジオに持ってきて、"これを叩いてください"と言うんです。自分なりに叩いてみたりしたんですけど、やっていくうちに頭がパニックになってきて"だめだー! わからん!"って(笑)。しばたの曲は拍子が結構変わるので"何小節目で変わるのか教えてくれへん?"と聞いてみても、曲がしばたの頭の中にしかないから、どういう曲なのか曖昧なままレコーディングに臨んだんです。そこでエンジニアさんと進めていくうちにだんだんと謎が解けてきて......"あぁ、こういうプログレ感か"と理解できてからはわりとパパパッと進められました。

しばた:あんなに心が折れてるもりもとは、なかなか見ないですね。自分の中では拍子が変わってるという認識ではないんですよ。普通に違和感なく曲が進んでいて。だから"こういう曲です"と説明するときに足で刻んでいて"ん? なんか合わへんぞ?"と気づくというか(笑)。もりもり(もりもと)にしてみたら、拍子が変わっているのか、テンポが変わっているのか、自分が詰まってしまっているのかを判別するのは難しかったのかも。"こういうものを叩いてほしい"という注文は出したんですけど......。

もりもと:ほんと大変でしたね。曲を作った人の意見を尊重したいから、こやまさんの曲はだいたい"こやまさん曲持ってきたときにこういうギター弾いてたからこういうドラムが欲しいんかな"とかがわかるけど、しばたに関しては2曲目にして壁にぶち当たりました。ギター弾き語りはわかりやすいけど、ベース1本はやっぱり難しい(笑)! でも今回このプログレ感をクリアしたので、次はどーんと構えておきます(笑)。

しばた:こやまさんがギター弾き語りでスタジオに曲を持ってくるから、私もベース弾き語りで持っていってたんですけど......これからはギターで持っていけるように頑張るわ(笑)。

もりもと:せめてパワー・コードとかにしてくれたら助かる(笑)。

こやま:ベース1本で持ってくるとか特殊すぎるわ(笑)。

-(笑)「サークルバンドに光を」は「流行りのバンドのボーカルの男みんな声高い」(『We love Tank-top』収録曲)以上にまっすぐな曲で。サークル・バンドとして活動していたときの気持ちが込められた曲は、エモーショナルになりがちですよね。

こやま:大阪でバンドしてた時代に、いろいろ悔しい気持ちが多すぎて。

-その気持ちはまだ消えない?

こやま:消えないんですよ(笑)。悔しい気持ちがありすぎてエモくなってしまう。

しばた:うんうん。

もりもと:たしかに。

-いまあれだけのお客さんがワンマンに集まってくれても?

こやま:あれだけのお客さんの前で演奏していると、そのときの悔しい気持ちと"してやったり"という気持ちで嬉しくなって、エモくなってしまう(笑)。"見たか! 僕ら間違ってなかったんやぞ!"という想いが強い。そういうことをこの間、大阪のラジオの生放送中に運動会の話をしているときに思い出しちゃって僕が号泣するという事件が......(笑)。

しばた:運動会の話をする前に、『パイナップルせんぱい』がオリコン週間チャートで2位になったという報告ができたんですよね。"大阪のラジオの生放送で報告できた"っていうのが理由だと思うんですけど。

もりもと:こやまさんは報告したあといろいろ思い出して込み上げてきて、運動会の話をしてたときに溢れ出しちゃったんだと思います(笑)。

こやま:(笑)それがあってからの、「サークルバンドに光を」なんです。そのとき沸き上がった気持ちを忘れずに曲にしておこうと思って。

もりもと:そのときそのときの気持ちを曲に残すという......。