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INTERVIEW

Japanese

ヤバイTシャツ屋さん

2017年04月号掲載

ヤバイTシャツ屋さん

Member:こやまたくや(Gt/Vo) しばたありぼぼ(Ba/Vo) もりもりもと(Dr/Cho)

Interviewer:沖 さやこ

-"受け入れられた方が楽しめる"以外にその理由はありますか?

こやま:自分らが否定されることが多いからですね(笑)。

-そんなにされてます?

こやま:あんまされてないっすけどね(笑)。でもネットとかでたまにある否定が目についちゃうんですよ。そういう人ってだいたい俺らのこと知らない人なんです。"知らんのになんやねん"と腹が立つ。......まぁ、難しいですけどね。やっぱり僕もサブカルチャーの気質があるので、恥ずかしくてライヴを観るときにあんまり手を振ったりとかできないタイプなんですよ。腕を組んで後ろの方で観ている、でもそれでもめっちゃ楽しい。だからライヴで盛り上がれとか、好きになってほしいとか言わへんから、まずは曲を聴いてほしいしライヴを観てほしい。

-ヤバTは"手を上げろ!"とか"声を出せ!"とはあんまり言わないのに、ライヴは楽しいしお客さんも元気がいいですよね。

もりもと:3ピースやからなかなかできないんですよ(笑)。最近は各々が手が空く瞬間を狙って手拍子したり、歌わなくていいときにちょっとマイクでお客さんに向けて声を掛けてみたりして。ほんまはしたいんです(笑)。

こやま:お客さんの自主性がすごい(笑)。助けられてます。

-自主性が生まれているのは、ヤバTが楽しんで音楽をやっていることが伝わっているからでは?

こやま:お。それやったら嬉しい。

-特に若い子たちは、そういうものを無意識にキャッチできる人が多いと思いますし。

こやま:それがツアーで若い人だけでなく、大人も多くなって。段差の上のあたりにはお父さんお母さん世代の人たちが結構おったんです。

しばた:うん。子供連れの人も結構おって。

もりもと:ちびっ子が耳を守るヘッドフォンをして遊びに来てくれてたり。

こやま:みんな楽しそうにしててな。

もりもと:うん。ああいうのすごく嬉しいですね。


偏見やのになんか共感できるのは、こやまさんの歌詞のすごいところ


前回のインタビュー(※2016年11月号掲載)でおっしゃった、全年齢対象になってきているということですね。

こやま:そうです。僕ら下ネタNGバンドなんで。

-結構エグい歌詞ありますけど(笑)。

こやま:ポップなメロディやからバレへん(笑)。下ネタを超えてゲスすぎて逆に許されるというか(笑)。

-ドロドロしてないんですよね。全部カラッと笑えるものに着地できているところは才能でしょう。全年齢対象と言えば、「肩 have a good day」(Track.3)なんてまさしくそうで。これは全世代に刺さる名曲!

こやま:はははは! この曲だけ僕らの曲の中で明らかに異質なんで、ライヴでどうしようかなと思ってて。このテンポの曲はいままでなかったし。

しばた:こやまさんアコギやしなぁ。もりもと口笛タイムもあるし。

もりもと:"盛り上げる"じゃなく"聴かせる"ライヴはいままでになかったから。

こやま:うん。楽しみやな。

-なぜ肩幅をテーマに?

こやま:これも普段から思ってること(笑)。僕、めっちゃ肩幅狭いのがコンプレックスで。だから(ビッグ・シルエットの)ダラッとした服を着てるのは、できるだけ広く見せるためなんです。"肩幅の広い人は狭い人よりも発言に説得力があるし、支持される"というのは普段から言っていることで、肩幅をテーマに曲を作りたくて。

もりもと:僕は肩幅がある方なので、逆にピチッとした服を着てるんですよ。なのにバンド内で発言の説得力が一切ないので、歌詞には共感できてないんですけど(笑)、それはそれで面白いなと。偏見やのになんか共感できるっていうのは、こやまさんの歌詞のすごいところですよね。

こやま:最後の"肩幅の広さを気にせずに 心の広さを大切にすることに決めました"は取ってつけたようなまとめ方やし......(笑)。サビの"肩 have a good day"を思いついたとき、俺天才やなと思いました(笑)。最初の2行の歌詞でアコギ持って歌い出して、サビっぽいメロディになったときにふと出てきたんですよね。

もりもと:そのときみんなでスタジオにおったんで、こやまさんが"聴いてや聴いてやー!"って部屋から出てきてめちゃくちゃ嬉しそうで(笑)。「ヤバみ」の制作で若干行き詰まっていたときやったんで、笑顔で登場したのを見てほっとしました。

-録り音がとてもいいところがまた名曲度を上げています。

もりもと:『We love Tank-top』をレコーディングしたスタジオをまた使わせてもらったんですけど、そこは機材がいっぱい借りられるんですよ。いいアコギを借りていい音で録れて。

こやま:ヴィンテージっぽいアコギを借りられたんですよ。めっちゃいい音!