Japanese
黒猫チェルシー
2016年06月号掲載
Member:渡辺 大知(Vo) 澤 竜次(Gt) 宮田 岳(Ba) 岡本 啓佑(Dr)
Interviewer:沖 さやこ
3年半ぶりのオリジナル作品『グッバイ』を今年2月にリリースし、全国ツアーも盛況で完遂した黒猫チェルシーが、早くもニュー・シングル『青のララバイ』をリリースする。TVアニメ"NARUTO-ナルト-疾風伝"のエンディング・テーマとなっている表題曲は、ドラムの岡本啓佑が初めて単独で作曲を担当している。自分自身を慰めるように、奮い立たせるように刻まれる音と言葉は、切なくも力強い。制作やライヴで新しいヒントを掴み続ける彼らは、スピードを緩めるどころか、さらに加速し続けている。
-まず、2月にリリースされた3年半ぶりのオリジナル作品『グッバイ』のリリース・ツアー(※2016年2~3月に開催)は、みなさんにとってどんなものになりましたか?
渡辺:「グッバイ」を筆頭に、自分たちの何を届けたいか、どういう言葉を残したいか、その場をどういう空気にしたいか......そういうものをひとつひとつ、良くも悪くも丁寧に形にできたライヴだったかなと思います。ソリッドでかっこいいんだけど、幸せで居心地のいい空間を作りたくて。少なくとも(観客のうちの)ひとりはつらいことがあるかもしれないけど、音楽はそういう気持ちを救ってくれる面も持っているはずなので、"明日からまたどんなことがあっても生きてみせるぞ!"と思えるパワーを与えられるようなライヴにしたいという想いがあったんです。その第一歩になった気がします。それをどう強力なものにしていくかが、これからの課題ですね。少なくとも僕にとっては居心地のいい場所ではあったので、それをどんどん広げていきたいなと思います。
宮田:今までの活動の中でついてきた自信がわりと出せて、"こういう感じにやれたらさらにいいものになるんやな"という自信がまたできて。次に繋げられるツアーになったなと思います。
澤:"本当に純粋に楽しかった"、という気持ちが一番にありますね。4人がステージ上でのびのびと自由にライヴができて。黒猫チェルシーのライヴの楽しみ方を、もう一段階上の地点で自分たちが感じられたというか。ツアーが終わったあとも、それを強く思いましたね。それ以降のライヴでも"次はこうしてみよう"というアイディアがどんどん生まれてきてます。
-ワンマンならではの工夫もたくさん見られたライヴでした。メンバー全員がアコギを持って歌う姿を見た経験は初めてで。
澤:ツアーでは一貫して「黒い奴ら」(2009年リリースのコンピレーション・アルバム『"69★TRIBE"Cupid Honey Traps』収録)をアコースティックでやったんですけど、大阪で唯一モッシュが起こったのはその曲でした(笑)。俺らの意図したことじゃない、すごく奇妙な光景を見られたのも面白いもんやな~と。土地によってお客さんの反応も違いますしね。
岡本:澤の言うようにのびのびと自由にできた印象があって。それは『グッバイ』というシングルをリリースできた、『グッバイ』を作れたという自信があったから――それがライヴの空気になったのかなという気持ちです。あと、お客さんとの距離の取り方をようやくわかってきました。近づきすぎても引かれるし、自分たちで勝手にやっていてもそれだけやし。
澤:アコースティックのとき、啓ちゃん(岡本)もっと前出てもよかったんちゃうん? 柵に足かけたりして(笑)。
岡本:いやいや......ステージの前の方まで出てきただけで十分。僕はステージで立ってるだけで珍しいので、どんな角度で足を開いたらいいかわからず......足元が気持ち悪かったです(笑)。
-メドレーや、メンバー全員が代わる代わるヴォーカルをとるという見せ方も面白かったです。
渡辺:僕らは"黒猫チェルシー"というバンドで遊んでる感じがずっとどこかにあるというか。もちろんそこで悩んだりもしたんですけど......自分たちがワクワクすることをなんでもぶち込める場所にしたいなと思うんです。バンドってそういう強みがあるのかな、と。小さいけれど"一座"みたいな感じというか。みんなそれぞれ好きなものがいろいろあって......うちなんて漆やってる人もいて(笑)(※宮田は大学で漆などを学んでいる)、そういう話を聞くだけでも面白い。それを共通の"ライヴ"という空間で散りばめられたらな......と思っているんです。その場で起こっている面白さやワクワクによって、レコーディングして作品になった状態よりも高められることがいっぱいあって。そのアイディアをどんどん出していきたいなと思っています。
-そのツアー・ファイナルの新代田FEVER公演でも披露されたTVアニメ"NARUTO-ナルト-疾風伝"のエンディング・テーマ「青のララバイ」(Track.1)が今回シングルとしてリリースされます。
渡辺:バラードの「グッバイ」の次に激しい曲を出そうかどうしようかと考えているときに、"NARUTO"のタイアップが決まるかもしれない、という話があって。だから今回は"疾走感"をテーマに、4人それぞれが曲を書いて持ち寄ったんです。でも、疾走感というひとつのテーマでも4人とも思い思いのものが出てきて、その中でドラムの啓ちゃんが作ってきた曲がいいんじゃないかということで選ばれました。啓ちゃんが単独で作曲した曲をレコーディングするのは、今回が初めてなんですよ。
岡本:まず、メロディとギターと打ち込みのドラムを入れたデモをみんなに送って。ベースは難しいので入れてません(笑)。疾走感だけじゃなくて、ちょっと寂しい感じとか、勢いだけじゃない曲ができたらな......黒猫がそういうことをやったらいいんじゃないかな、とその瞬間に思ったんです。
宮田:啓ちゃんが提案してくれる曲は他の3人が知らないジャンルやったり、独特の観点で作ってるメロディというか。そういう部分がフックになっていると思うので、黒猫としても新しいものができて。それが世の中に出るのは新鮮味があっていいなあと。
澤:自分の作るギター・リフとは違うタイム感やし、自分からは生まれてこないフレーズなので弾いたときは新鮮でした。デモを聴いたときに、まず"このフレーズならどういう音にしようかな"、"こういう音を入れてみようかな"と考えました。人のデモを聴いたときは、わりかしいつもそうですね。
渡辺:最初に聴いたときに、まず"かっこいいなあ"と思って。ひんやりした夜というか、風が冷たい感じとか......寂しい感じ、ひとりの感じ、とぼとぼ歩いてるんだけど心は焦っている感じとか。それらをイメージとして感じて、そういう歌詞が書きたいなとすごく思ったんです。
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