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INTERVIEW

Japanese

黒猫チェルシー

2016年06月号掲載

黒猫チェルシー

Member:渡辺 大知(Vo) 澤 竜次(Gt) 宮田 岳(Ba) 岡本 啓佑(Dr)

Interviewer:沖 さやこ

-歌詞の舞台が夜なのも、渡辺さんのそのイメージから?

渡辺:そうです。曲を聴いて、まず自分の思ったイメージで歌詞をざっくりと書いたんです。それで、"設定としては風が吹いていく、夜の中をよろけながら歩いていく......こういう方向性で考えているんだけど、どうだろうか?"と(岡本に)聞いたら、"ばっちりだと思います"と返事をもらって(笑)。

岡本:それこそ実際、夜中に実家の近くを40分くらい歩いてて......本当に誰にも会わなくて、という状況で生まれたメロディで。曲に対してそういう歌詞がきたので、何も言うことはなかったです。"あ、そのまんまや。日差しの強い場所が舞台の歌詞やなくてよかった"と思いました(笑)。

-特にサビは、渡辺さんの声の切ない部分とエモーショナルな部分の両方が出ていて。キーの高さも影響しているのかなと。

渡辺:実は最初、サビのキーが出せなくて、本番までに出せる身体にしました(笑)。その苦しい感じがレコーディングでは良かったなと思っています。僕は「グッバイ」以降、ライヴで歌うようなマイクを手に持ってレコーディングしていて。「青のララバイ」はぐるぐる歩き回りながらレコーディングしました。止まっている状態だと落ち着いちゃうというか。力が入りきらない状態で、ゆらゆら歩きながら歌いました。ちょっとひんやりした夜で、誰にも聞こえないくらいの鼻歌で歌うような感じで。実際キーも高いから鼻歌みたいには歌えないんだけど、自分で自分に歌うようなイメージがあったんです。......気分を上げるために、録るときに演出を入れたくなるんです(笑)。自分にはそれが合ってるのかな、と思うんですよね。

-岡本さんはデモにベースを入れてないということは、ベースのフレーズを考えているのは宮田さんなんですよね。

宮田:そうです。「グッバイ」のときから曲を立てるベースにしようと。それでいて、ぶっとくあればいい。「青のララバイ」も啓ちゃんの世界観を壊さずに自分のことをやる......という普通のことしかやってないですけど(笑)。

渡辺:Aメロでは、がっちゃんがチョッパーやってるんで! がっちゃんがチョッパーをやるような曲はあんまりないんですけど、この曲ではレアながっちゃんのチョッパーが光ってます。

宮田:「青のララバイ」は自分をマッチョにしていったイメージがあります。Aメロ、Bメロでいろいろなエッセンスを入れて、サビの疾走感に向けて徐々にマッチョになっていくというか。

渡辺:変な背伸びはせず、啓ちゃんが作ってきた音楽に対して全員が純粋に向き合えた感じがありますね。

-澤さんが作詞作曲をしているTrack.2「情熱のDancin'」は、「青のララバイ」とは打って変わって、夏先取りで。

澤:夏の歌を作りたいと思ったのと......あとはホーンを初めて入れました。最初にリフとサビができて、ホーンを入れたいなという発想からスカの要素、ギターの裏打ちとかをつけていって、サーフ的なギターを入れて。とにかく夏っぽい感じにしたかったんです。総じて楽しかったですね~。レコーディング自体も楽しかったし、みんなでわいわいやって。そういうことがやりたかったから、それができてすごく楽しかったです(笑)。ライヴでやるのもね――

渡辺:"楽しかったです"(笑)?

澤:これはまだやってないから"楽しみです"です(笑)。

-(笑)「情熱のDancin'」は、ビーチで恋する男子たちが主人公の青春ソングで。順調に成功するわけでもなく、ラストにはちゃんとオチがある。

澤:僕は黒猫でそんなに歌詞を書いてきてないんですけど、この曲は渡辺をイメージして書いたところがあるんです。渡辺だったら報われないやろな~。女の子を連れて帰りはしないだろうなというところで、オチは渡辺に寄せてます(笑)。

渡辺:この歌詞は僕が歌ったら説得力あると思うんですけど......でも、これは澤よ(笑)!!

宮田:そうやなあ(笑)。

渡辺:まあ、この感じが黒猫っぽいなと思いましたね。ホーンも入れて、大所帯でこれだけ高揚感溢れる演奏の中で歌ってるから、全然寂しくない。目当ての女の子は他の男の子と一緒にいるとか、恋が叶わない切ない歌詞なんだけど、楽しく聴こえちゃったりもして。そういうところがいいなあと。

澤:こいつら最後、"誰もいない海を背にして"帰ってるけど、このあと絶対何かやってますからね(笑)。