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INTERVIEW

Japanese

愛はズボーン

2016年02月号掲載

愛はズボーン

Member:カネシロマサヒデ(Vo/Gt) ギマケンタ(Vo/Gt) シライタツヤ(Ba) トミナガリョウスケ(Dr)

Interviewer:岡本 貴之

-これは前作の「まさかのイマジネイション」に続く1ワードの曲ですね。

カネシロ:そうです。ほんまはこの曲用にピッカピカに磨いたアレンジがあったんですよ。それをバーンってはめたら、曲が6分くらいになって。これはアカン、と。それでどうしようかってときにシライ君が大活躍しました。前回まではそういうときでも、もうひと踏ん張り俺が出さないといけなかったんですけど、今回はシライ君が"こうしたら?"って横でずっと話を訊いてくれて。それで踏ん切りがついて「ピカソゲルニカ」用のピカピカに磨いてたアレンジを捨てられましたね。そこからまた全員で話し合って作り上げたんです。

シライ:だいぶ変わったね。メインのリフがひとつあったんですよ。そのメインを取り去ってもこれだけカッコいい曲ができたので良かったです。でも最初"ピカソゲルニカ"というフレーズをカネシロ君に言われたんですけど、それだけ言われても意味がわからないですよね(笑)。今こうやって曲に乗っているから入ってくるけど、音程もなく言われたら"これ最終的にどこに行き着くん?"って。しかもギマ君も歌って、ドラムもこれにユニゾンで、みたいに言われて。いや、どうせい言うねんみたいな。

カネシロ:そのうろたえてる動画がシライ君のInstagramに上がってます(笑)。

ギマ:意地悪ですよね、この曲。頭の中にリフレインするけど、順番覚えられへんからゴチャゴチャになってきて、でもずっと同じことを言ってるという。だから変にトリップしてくるというか。

カネシロ:"キュビズム"(※三次元的現実社会の概念を二次元的に翻訳するとともに、絵画をひとつの美的存在として結実させることを目的とした美術表現)ってあるじゃないですか? 絵の中でしか表せない空間というか、絵の中でありえない現象が起きている3Dではないもの。そのキュビズムを音楽に落とし込むにはどうしたらいいかという結果が「ピカソゲルニカ」です。"合ってるのかな? 合ってへんのかなこれ?"みたいな。そういう意味はちゃんとあります。

シライ:そこで変拍子を持ってこないあたりがちゃんとお客さんのことを考えてるよね。 カネシロ:でもピカソも白と黒しか使っていなかったりとか、お客さんがパッと見たときに"わっすごい!"ってなるものにするためにわかりやすくしているはずなんですよ。それを自分なりに考えましたね。

-それが最初に言ってた"人に聴いてもらってやっと完成"というところでしょうか。

カネシロ:ああ、そうですね。聴く人のことはずっと考えて作っていますね。サイケ感も取り入れながら。THE DOORSとか往年のサイケっていうのをちゃんと通ってるよっていうのを自慢したいんですよ(笑)。

-「BABY君は悪魔ちゃん」はサイケ、グラム・ロック的ですね。

ギマ:これは作っているときめちゃめちゃ面白くて。詞がすごくシンプルというか、今まで書いていた感じじゃないというか。"離さないぜ 側にいてくれ"とか"君の笑顔が大好きなのさ"とか、言ったことのないことを書いてみたんです。なんか現代に、難しい表現から離れたラヴ・ソングがないような気がして。すぐ"世界で君が1人になっても"みたいな感じになっちゃったり。

カネシロ:ああ、一度SFを挟まないと"愛してる"って言えないみたいな(笑)。

ギマ:そうそう。そういうのじゃ伝わらないから、まっすぐ行こうという。

カネシロ:それで"ギミギミハート ギミギミハート/しようよしようよ"(笑)。

ギマ:一度難しいことをやめて、君のことが大好きだから、もう何をしても良いよ、俺が受け止めるからっていうラヴ・ソングを作りましたね。

-最後のTrack.6「エレクトリックオーシャンビュー」は結構泣けますね。

ギマ:泣けるんですよ、これ。バイト帰りとかにやるせない奴が聴いて"うぅ~"ってなってくれたらめっちゃ嬉しいですね。

シライ:これ、クリスマス・イヴのライヴで久しぶりにやったんですよ。めっちゃ感動しました、自分で演奏してて(笑)。めっちゃ良い曲やんこれって。

カネシロ:これはやっててゾーン入るよな。

ギマ:うん、ゾーン入る。

-最後の方の"散々な夜でさえ""朝はもうそこまで"あたりはこみ上げてくる感じがすごくいいです。

カネシロ:エンドロール流れている感がありますよね。

ギマ:このアルバムの中で歌詞をふたりで書いたのはこの曲だけですね。

カネシロ:この曲は今までで1番ふたりで協力した曲かもしれないです。

ギマ:この曲は、僕の地元にやっくんという先輩がいるんですけど、車で夜景の見えるところに連れてったるわって言って、カネシロ君とトミナガ君と4人で夜景を見に行ったんです。その夜景を見たときに、"ちょっとションベンしよう"ってなって、カップルとかがいる中で俺たちは下半身丸出しにしてションベンして(笑)。それで夜景を見てたら"ああ~これ海だったら泳げるな~"って思ったんですよね。そこからできた曲です。

カネシロ:なんでションベンの歌にすんねん、こんないい歌を(笑)。夜景だけでいいやん(笑)。

一同:(笑)

ギマ:いや、俺はこんなんでええわって思ったんすよね。4人でケツ丸出しでションベンしてる、横ではカップルがいちゃついているみたいな。まだ何も成し遂げてはいないけど、自分に自信はあるというか、"俺はこんなんでええわ、こっちの方が楽しい"みたいに思っているところがあるんですよね。稲中的な発想ですけど。

カネシロ:稲中的発想(笑)。