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INTERVIEW

Japanese

Kidori Kidori

2014年08月号掲載

Kidori Kidori

Member:マッシュ (Vo/Gt) 川元直樹 (Dr/Cho)

Interviewer:岡本 貴之

-コール&レスポンスをやっている「Mass Murder」のような曲はライヴの光景が浮かんできます。

マッシュ:これに関しては、ギターとレスポンスしているんですけど、80年代のスタジアム・ロックとかでよくやってたやつじゃないですか?今やってるバンドいないですよね?

-それは聴いててすごく思いました(笑)。

一同:ははははは!

-今のライヴ・シーンって"せわしない"じゃないですか?

マッシュ:そうそうそう。

-だから、今のバンドがこういうことをやるんだ?って思ったんですよね。

マッシュ:ありがとうございます(笑)。僕はもともとそんなに80年代のでっかいロックが好きな人間じゃなかったんですよね。なんか歳を追うごとにあの時代のロックの"可愛さ"に気がついてきて。なんて可愛い音楽なんだ?っていう。あの時代が日本人にとって1番洋楽に馴染みがあった年代だと思うんですよ。それこそ僕らの親の世代というか、MTV全盛期で、みんな聖子ちゃんカットしてて、BON JOVI聴いててっていう(笑)。その時代が1番洋楽が身近だったというか。故にスタジアム・ロックというのは日本人にとって1番の洋楽感であるんだけど、それすらも今の日本人は忘れていると。だから「Mass Murder」って親子で楽しめるものになったんじゃないかと思うんですよ。僕らの親が聴いても"古臭いのう!"っていうし(笑)。でも基本的なビート感というのは今の音楽のものなんで、すごくクロスオーバーしたなという感じですね(笑)。

川元:僕はそういう80年代のスタジアム・ロックをあまり知らなかったんですけど、ライヴをやるごとにその面白さというか"可愛さ"がわかってきて"ああ、こういうところをあいつは愛でていたんだな"と(笑)。僕はどちらかというと2世代で聴く下の世代の楽しみ方ができるというか。"こういうやつもあったんや?"みたいな。

-温故知新という感じですか?

川元:そうそう(笑)。

マッシュ:温故知新(笑)。

川元:でも自分からしたら新しいものだし、今の若い子たちも新しいものとして楽しめるんだろうなと思うし、親の世代からすると懐かしいんやろな、と。すごく面白い交わり方をしていると思います。

-決してサウンド自体は古くはないですけど、最後に入っている日本語詞の「テキーラと熱帯夜」は70年代のドラマ主題歌みたいですよね。松田優作とかショーケンが出てきそうな感じですけど。

マッシュ:これも面白い話があって、僕はこの70年代の感じが好きで自然に出ちゃった感じはあったんですけど、初めてライヴでやったときに"90年代みたいだね!"って言われたんですよ。"マジか!?"って思ったんですけど、考えてみたら90年代って70年代のリバイバルやったなあって思って。

-確かに、Lenny Kravitzが出てきたり。

マッシュ:そうそうそう。初めてリバイバルが出てきた年代というか。だから言わば"孫の音楽"というかね。70年代の息子が90年代だったら、2014年のこの「テキーラと熱帯夜」は"70年代の孫"なのかな、と。だから聴く人によっては70年代、90年代という風に感じられる、面白い曲になったなと思います(笑)。

-『El Blanco 2』の収録曲はすでにライヴで演奏している曲も多いんですか?

マッシュ:そうですね、このアルバムのハイライトは「Come Together」で、この曲は僕らが今1番言いたいこと、1番やりたい皮肉をやっている曲です。最近のライヴでは「Come Together」と「Mass Murder」は定番ですね。

-SUMMER SONIC、RUSH BALL、BAYCAMPなど夏フェスにも多数出演が決まっていますが、初めてKidori Kidoriを観るお客さんも多いと思います。どういったところに注目してほしいですか?

マッシュ:"こんなバンドは他にいない"というのをライヴでしっかり証明したいし、あとはフェスで観るよりも、まだまだ僕らはライヴハウスで観るバンドなんで。フェスで観てひっかかるものがあったらライヴハウスでも観てほしいです。今後ライヴハウスの規模をどんどん大きくしていきたいと思っているので、是非僕らが大きくなっていく過程を一緒に見てくれたらなと思います。

川元:とりあえず難しいとか英語やからとかいう先入観を1回置いてもらって、単純に音楽を楽しむ感じで聴いてくれたら絶対楽しめると思います。ギター&レスポンスもそうだし。声を出すことに抵抗がある人もいると思うんですけど、僕はギター&レスポンスですごく音を外しているときもあるし、それをマイクに乗せて歌っているときもあるんで、僕よりは恥ずかしくないやん、と思うし(笑)。

マッシュ:ははははは。

川元:だからもっと参加意欲を出して恥ずかしがらずに一歩踏み出してもらえば僕たちのことを好きになってくれると思います。