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INTERVIEW

Japanese

大森靖子

2013年12月号掲載

大森靖子

インタビュアー:天野 史彬

近い将来に2013年を振り返った時、まず思い出すのはきっとこの人のことだろう。大森靖子。彼女が今年リリースした2枚のアルバムは、あまりに大きな衝撃だった。この度リリースされる2ndアルバム『絶対少女』は、前作『魔法が使えないなら死にたい』以上の洗練と強度を持って聴く者の耳と心を揺さぶる。感情とダイレクトに接続されながらもポップさを損なわないサウンド。よりストーリーテリングに特化した歌詞。ものと情報に溢れ、ブルースすら失われてしまった世代としての自覚を持ちながら、だからこそ彼女は、あなたの生を肯定するために歌う。

 

-本当に素晴らしい作品だと思いました。前作(『魔法が使えないなら死にたい』)から9ヶ月という短いスパンですが、表現のスケールも強度も格段に大きくなった作品だと思います。まず、前作をリリースしてからこれまでは、大森さんにとってどんな期間でしたか?

必死で曲作って録音してライヴやってっていう感じなんで、忙しいなっていうぐらいですね。今回はプロデュースを直枝(政広/カーネーション)さんって方に頼んだんですけど、直枝さんと会って"こういうのを作りたいです"ってことを話す時間とか、出るイベントも大きくなったしコラボもあったので、"こういうステージにしましょう"っていうことを話したりとか、打ち合わせが増えて。打ち合わせって、作品完成までのワンステップじゃないですか。形がない状態だから、ものを作ってるっていう実感がなくて。なのでサボってる感覚になっちゃって、それがキツかったですね。

-DVD(『つまらん夜はもうやめた』)もリリースしたし、来来来チームとのコラボ作(『ポイドル』)もリリースしたし、かなり派手に動いていたと思いますが。

そういうのがないと不安というか(笑)、忘れられそうで。4~5年、お客さんが2~3人のところでライヴやってたので、見つけられない恐怖っていうのが凄くて。どんどんやんなきゃって。人の気に障ることを言わなきゃ、とか(笑)。そういう義務感が凄くあります。

-では、今振り返ってみて、ご自分にとって1stアルバム『魔法が使えないなら死にたい』はどういう作品だったと思いますか?

あんまり覚えてないんですけど(笑)、初めてフル・アルバムを作ったので、凄く頑張った記憶があります。今回は"こういう音でやりたい"とか、"こんな人とやりたい"っていうイメージは伝えたんですけど、それを実際に繋いだり、"このミュージシャンがいいんじゃない?"って提案してくれたりするのは全部直枝さんがやってくれて。でも前のアルバムでは全部自分でやったので、そこが大変だったなっていう。

-作品自体には、あんまり達成感とかはなかったですか?

出てからすぐに渋谷CLUB QUATTROのワンマンがあったんですけど、それまでいつも20~30人くらいの規模でやってたので、あの規模のワンマンは大変で。(結果として)あんなにたくさん来るとは思ってなかったので、2ヶ月くらいずっとツアーを回りながら(チケットを)手売りしてたんですよね。それに一生懸命になってたんです。で、そこからQUATTROを埋めたっていうのがあって、いろんな大人の方が注目してくれて、TIF(TOKYO IDOL FESTIVAL 2013)みたいな大きいイベントに呼んでくれたり、『FRIDAY』の連載が決まったり、大きいものがどんどん見えてきたので......ふぅってなった時がなかったんです(笑)。落ち着いた気分の時がなかったっていう感じですね。

-なるほど。事前に公開されたコメントには"全ての女子を肯定したいと思った"と書かれていましたけど、これが今回の『絶対少女』のコンセプトという感じだったんでしょうか?

そうですね。男子はどっちでもいいんですけど、女子全員に好かれたいっていうのをいつも思ってて(笑)。好かれたいんなら、全員のことを理解して納得して肯定しなきゃって最近思ったんです。あと、私は歌う時に自分のことをそんなに歌わないというか......音楽家なので、曲作ってライヴしてっていうので日常が終わるので、(自分のことで)そんなに歌うことなんてないじゃないですか(笑)。自分のことを歌おうと思うと、音楽熱みたいなものしか歌うことがなくなる。だから、いつも見たこととか聞いたこととか気になった言葉を歌ってるんですけど、単純に、そういう点で最近気になったり面白いなって思ったのが女の子の話すことだったので、女子のことを歌おうと思いました。