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INTERVIEW

Japanese

モーモールルギャバン

2012年03月号掲載

モーモールルギャバン

Member:ゲイリー・ビッチェ(Dr&Vo) ユコ・カティ(Key&Vo) T-マルガリータ(Ba)

Interviewer:沖 さやこ

『BeVeci Calopueno』から約1年。まだ1年しか経っていなかったのか、と驚いてしまうのは、それだけ彼らの新譜を心待ちにしていたからに違いない。モーモールルギャバン待望のニュー・アルバム『僕は暗闇で迸る命、若さを叫ぶ』が3月21日にリリースされる。“J-POPレボリューション”を掲げる彼らの新作は、直球ロック・サウンドと爆裂ポップネスが化学反応を起こした問題作だ。若さを叫ぶ30代、何を思う!?

-レコーディングやプリ・プロは順調に進みましたか?

ユコ・カティ(以下ユコ):ん~、なんか1ヶ月悩み死にそうになって、1ヶ月で追い詰められ死にそうになった感じでしたけど……(笑)。12月1月が一番佳境を迎えてた頃だったので。その頃が一番頭がパンク……キャパ・オーバーで“ピー”ってずっと音が鳴ってるくらい(笑)。

T-マルガリータ(以下マル):とりあえずやるしかない、みたいな感じで。いっぱいいっぱいでしたね。

ゲイリー・ビッチェ(以下ゲイリー):毎日心が折れないように必死だったというか。プリ・プロ5日でレコーディング1週間って感じでしたね。1月にレコーディングを2回に分けて行って。その間もスタジオには入ってたんですけど。レコーディング・スタジオにいた前半がプリプロで、後半が本チャンのレコーディングだったもんね。ほぼ。録り自体は全然時間掛かってないんです。この曲をどうしたい、どうしたい、どうしたい、どうしたい……っていうのを何度も何度も何度も何度も検証していって。そういう作業は結構やったよね。ずっと。

-じゃあ曲作りは秋くらいからでしょうか。

ゲイリー:そうですね。あの頃は比較的時間もあって、毎日のようにサイクリングに繰り出しては頭に思いついたメロディやら言葉やらをiPhoneにぼそぼそっと呟いて。「Good Bye Thank You」って曲を3月に作って、それ以来全然曲が出来なかったんですよね。“次アルバム発売あるよなー、どうしよう曲ねーよー”ってずーっと思い続けてたら、自転車の上で急に曲がぼぼぼぼぼぼぼぼーん!って湧き上がってきて。助かったー!って思って今回のアルバム間に合ったんですけど。自転車の上で曲を作るってモードでした。

-今作はタイトルにもありますが“若さ”がテーマになっているんですよね? このテーマに今行き着いた理由は何でしょうか。

ゲイリー:自分が言いたいことをまっすぐちゃんと言うアルバムを作りたいなぁと思って。2011年という年が年で。遊びとか悪ふざけとかじゃなくてちゃんと音楽をやろうって思いもありましたし。日本人ひとりひとりが、ちゃんと頑張っていかなきゃいけない時代に突入したなって。“ああ、音楽家だからって遊んでていい時代じゃねぇな、多分きっと”って。じゃあ“出来ないことをやらないんじゃなくて、出来ないことでもとにかく果敢に挑戦してやらなきゃ駄目だ、甘ったれたこと言ってらんない”って思ったんですよね。だから今回はテーマがロックだったんですけど、今まではロックっていうものに自分自身が負い目を感じていて。自分のようなしょぼい人間はあんな風にはなれない……。だから“パンティー”って言ったり“ユキちゃん”って叫んだりして。ね。“奇を衒った別の角度からのインパクトで俺は勝負するんだ!”みたいな諦めがあったんですよね、自分という人間に対して。自分は真っ向勝負したって駄目なんだから、自分の出来ることをやろうって思いがどっかにあったんですけど……そんな甘ったれたことも言ってらんないなぁって。バンドで飯を食っていきたいんだったら、真っ向勝負から逃げてどうするの?って凄く思って。本当に、いいものを作ろう! と思って作ったアルバムです。

ユコ:前回の『BeVeci Calopueno』が結構遊びをたくさん含んだような作品だったので、それはそれでひとつやりきったところがあったので。次何しよっかな? 何をすべきかな?って考えたときに、案外ストレートなものってやってきてないなーと思って。で、年齢的にも結構、これからどんどん若さという意味では失っていくものが多くなるのかしらと何となく思って(笑)。で、まだ初期衝動が残っているような状態のときに、まっすぐストレートな音楽をやるべきかなと何となく思って。