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INTERVIEW

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モーモールルギャバン

モーモールルギャバン

モーモールルギャバン

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メンバー:ゲイリー・ビッチェ(Dr/Vo) ユッカ(Key/Vo/銅鑼) T-マルガリータ(Ba)

インタビュアー:沖 さやこ

初のセルフ・プロデュース作品『IMPERIAL BLUE』は、バンドにとっても会心の作品ではないだろうか。バンドの本質が浮き彫りになったサウンドメイクやアンサンブル、ポップでセンチメンタルなメロディ、歌詞の哀愁と文学性、個々が確立した男女ツイン・ヴォーカルと、モーモールルギャバンの旨味が凝縮された楽曲が揃った。その背景にはいったいどんな出来事があったのか? ユッカの到着が遅れるというハプニングもありつつも、現在のモーモールルギャバンのモードが感じられるインタビューになった。

-年始にゲイリーさんとお話をしたときは、もう少しリリースする予定が早かったはずでしたが(笑)。

ゲイリー:本当に時間がかかりました! このバンドは5曲作るのになんでここまで時間がかかっているんだろう! セルフ・プロデュースするからには全力で自分の持ち味を出したい――というところに欲張りすぎて時間がかかっちゃったのかな。

マル:そうだねぇ。

-その甲斐あって『IMPERIAL BLUE』は名曲揃いだと思います。全国デビューから9年経ったモーモールルギャバンですが、セルフ・プロデュースは今作が初めてで。

ゲイリー:全国デビューしてからずっと同じプロデューサーさんと制作をしてきて、もちろん彼は僕らのことを考えてプロデュースしてくれていたんですけど、同時に自分たち自身の視野が狭くなっているのかもしれないと思った時期があったんです。それで"これはひとまず3人の原点に戻らないとな"と思い、セルフ・プロデュースの制作をしようという判断を僕が下しました。事務所も抜けたので、そういう意味でも"改めて3人でやっていこう!"と。

『PIRATES of Dr.PANTY』(2016年リリースのアルバム)と『ヤンキーとKISS』(2017年リリースのアルバム)はゲイリーさんのデモを生かしたアレンジ作りでしたが、その前まではユッカさんがアレンジの統率を取っていましたよね。

ゲイリー:アレンジの統率を取るというよりは、僕とマルの気に食わないところに対して無責任に文句を言い放って、僕とマルがどうにかするしかないという状況ですね(笑)。ユッカさんが納得するまでこちらが足掻き苦しむという意味では統率を取っていたと言ってもいいのかな? ......でもあれを"統率を取る"と言うのは癪ですね(笑)! 僕らもずっとユッカさんにアレンジを考えてもらってると思っていたんですけど、"あれはアレンジではなくイチャモンじゃないか!?"と最近気づきました(笑)。

-ご本人がいないことをいいことに言いたい放題ですが(笑)。

ゲイリー:彼女は悪意があって我々をコントロールしているわけではないということだけは言っておきます! でも彼女はベースもドラムもできないけど良し悪しの判断はズバッとしてくるので、我々が出してきたものに対して"なんかイマイチ"と言ってただただ難しい顔をするという......。

-"もっとこういうふうにしてみれば?"がない、ということですか。

ゲイリー:ないない! 全然ないです! "なんかさぁ、下手だよね!"と言われ、"あぁ、はい......"と別案を考えるという(笑)。

マル:(※無言で深く頷く)"どんなものがいいの?"と聞いてみても、返ってくる言葉は"もっと明るい感じ"とか、すごく抽象的だね(笑)。

ゲイリー:だから昔ながらの制作ですね。メンバー3人でうだうだ言いながら、今回はさらにレコーディング・エンジニアの井上慎太郎さんにも意見をうかがいながら、音作りの主導権を3人全員が持ったうえで完成させました。でも今回の制作で、この3人だけで物事を作り上げるというのがこんなにも時間と手間のかかることなんだなと思い知りましたね(笑)。今までプロデューサーに任せていた部分が多かったんだなと。

マル:ベースに関しては過去2作でゲイリーの作ったデモどおりのフレーズをどれだけかっこいい音で弾けるかに注力していたので、フレーズ作りをサボっていたというか(笑)。自分でフレーズを作ると自分の知っているものしか出てこないので、あまり面白くないからどうしようかなー......と。フレーズの判断はユッカさんとゲイリーが遠慮なく言ってくれるので(笑)。そういう意味では3人だけで制作をしていた時代と同じなんですけど、10年の時を経てふたりの求めるものも高くなっているので、いろんなCDを聴いてインスピレーションをいただいたりしました。

-ゲイリーさんはセルフ・プロデュースを見越してデモ作りを?

ゲイリー:こう見えて僕は結構デモ貯金型で、常にストックがあるんですよ。だからセルフ・プロデュースを見越したデモ作りとかではないですね。とはいえバンドはひとつの曲をみんなで作ることに醍醐味があるので、今回はデモもBPMとメロディ・ラインと最低限のコードなのかルート・ベースなのかわからないようなものしか入れていないという、めっちゃくちゃ完成度が低いものにしたんです。モーモールルギャバンの音楽は僕のイメージを具現化するのではなく、モーモールルギャバンの3人が作り出す音でないといけない。そのためにはまずユッカさんが理解できるデモでなければいけないので(笑)、5曲のミニ・アルバムを作るなら打開案として最低でも10曲は作らないといけないんですよ。

-ユッカさんは頭で構築するタイプというよりは、かなり感覚の人ですものね。

ゲイリー:理解できないものに対して何をしていいのかわからなくなっちゃうんです。彼女から"この曲はいいの?"とか"この曲をバンドでやる意味がわからない"と言われるとその曲はアウトですね(笑)。でも"このメロディの良さはわかる。でもこのメロディならこのコードじゃなくない?"という言葉が出てくると制作が進んでいくんです。だから個人的なデモ貯金はあるんですけど、このバンドでの作品作りになった途端に毎回行き当たりばったり(笑)。「AI ha MABOROSHI」はレコーディング当日までアレンジがなかったですからね!

-「AI ha MABOROSHI」はアレンジが光る曲だと思いました。ソロ回しもあったりして。

ゲイリー:レコーディング・スタジオでドラムと歌だけ俺が決めて、ユッカさんがほかの作業をしている間にマルがベース・ラインを考えて――相当時間がかかったのにそれでもレコーディング当日までアレンジがないという、ものすごい行き当たりばったりなんですよ! 本当は"このフレーズをかっこ良く弾くぞ!"とレコーディングの日まで何ヶ月もかけて練習してそれを録音できたら最高なんですけど......それができた試しがない!

マル:「AI ha MABOROSHI」だけじゃなく「7秒」も危なかったよね。

ゲイリー:危なかったねー! 「7秒」は早い段階でリード曲にしようと決めていて、その影響か全員肩に力が入りすぎて何をやっていいかわからなくなって迷走して......という期間がすごく長かったんです。その悩んだ答えが出ないままにレコーディング当日を迎えてしまって(笑)。でも「7秒」の変遷を振り返って"あの時期が一番良かったんじゃない?"と思う箇所が個人的にはあったので、そのときのドラム・フレーズを叩きました。それで強制的に"ドラムはこれだから!"と提示して。マルもレコーディングしながらフレーズを探って、キーボードも作り込むこともせずノリとテンションで弾いたものが採用になりました。モーモールルギャバンの3人が瞬発力を発揮したゆえに、良くも悪くも3人の人間性がちゃんと出たなとは思っていて。「7秒」をレコーディングできたから「AI ha MABOROSHI」の瞬発力が出せたのかなと。