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INTERVIEW

Japanese

モーモールルギャバン

モーモールルギャバン

モーモールルギャバン

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メンバー:ゲイリー・ビッチェ(Dr/Vo) ユッカ(Key/Vo/銅鑼) T-マルガリータ(Ba)

インタビュアー:沖 さやこ

-それぞれに旨味がありますが、どれもモーモールルギャバンの歩みが浮かび上がってくる曲ばかりだなと思います。

ゲイリー:「7秒」は歌詞も盛大に迷走して、結局ほぼ序盤に歌っていた歌詞に戻しました(笑)。逆に「IMPERIAL BLUE」はやりたいことのヴィジョンがあって、そこに対してすべてを高めていくということができましたね。その結果タイトル曲でモーモールルギャバンのやりたいこと、リード曲でモーモールルギャバンのできることが出せたかなー......とは思ってます。だから悔いはないですね。

-「IMPERIAL BLUE」は着地点が見えたうえでの制作だった、と。

ゲイリー:後期THE BEATLESみたいなことやっちゃいましたね(笑)! ユッカさんがデモを聴いた途端に、デモに入れてたコードじゃないものにポンポンポンポン変わっていって――その様子を見ていてすごくテンションが上がりましたね。"このメロディにそんなコード乗っちゃうの!? いいね~! ユッカさんノッてるね~!"って(笑)。だからコード・ワークが伸び伸びしてるなと思います。

マル:セクションごとにイメージを組んでいって、リズム押しの部分はこういうアプローチをしてみよう......とかいろいろ案を出し合っていきました。

-「7秒」も「IMPERIAL BLUE」も、コード感はもちろん、モーモールルギャバンの中でも5本の指に入るほどの珠玉のメロディだなと思います。

ゲイリー:"このコードをつけたいからメロディちょっと変えない?"という提案は、"俺様の天才的なメロディを変えちゃだめでしょ? このメロディにどういうコードを乗せるかがキーボーディストの試されるスキルでしょ!"と徹底的に拒否するんです。"私を変えようとしないで自分と向き合いなさい!"と(笑)。3曲それぞれ制作までの道のりが違って......でもこれだけ時間を貰ったのに行き当たりばったりとか言っちゃいけないなと思うんですけどね(笑)。

-ははは(笑)。モーモールルギャバンは今年に入って特にライヴの遠出が多かったですし。インドのフェス(2月28日、3月1日に開催された"PURI ROCK FEST 2018")に出たりして。

ゲイリー:インド! それこそ"IMPERIAL BLUE"はインドに着いて飲んだお酒なんですよ(笑)。飛行機の着陸が1日遅れてしまって、到着から数時間後にライヴをしなければならないという状況で、お酒がないと眠れないと主催者に相談したら、持ってきてくれたのがウイスキーのインペリアル・ブルーだったんですよね。インドでのライヴでは、言葉の通じない人の心を動かすという状況に触れて......帰り際に"帰りたくない! 殺伐とした日本の音楽シーンに戻りたくない!"って号泣したんですよ!

マル:してたねぇ(笑)。

-SNSを見ていて、ゲイリーさんめちゃくちゃインド満喫してるな~とは思っていました(笑)。

ゲイリー:めちゃくちゃ楽しかったですよー! 「IMPERIAL BLUE」はその結果できた曲です。

-「IMPERIAL BLUE」はポップだけどセンチメンタルで、歌詞も楽しさ一辺倒の曲ではないですよね。

ゲイリー:人と飲んでいるとき、バカみたいに楽しくてバカみたいに自分のすべてを解放してしまうぶん、ひとりで飲んでいるときに"俺はなんてしょうもない奴なんだろう......"というモードにはなりがちですね。詞にはそういうモードが反映されちゃうのかな。俺はクラブでみんなで音楽に酔いしれるタイプというより、どちらかというと部屋でひとりでヘッドホンをしてお酒を飲みながら泣いちゃうタイプの人間なので、そういう寄り添い方をしたいなー......というのはどうしてもあるんですよね。俺は"モーモールルギャバンの一番のファンが俺でありたい"という気持ちで作っているから。

-前作(『ヤンキーとKISS』)は"GIKKURI"や"ヤンキーとKISS"というちょっと肩の力の抜けたワードも散見していましたが、今回はシリアスめで凛々しいテイストが多い気がしました。

ゲイリー:これまで"酔っぱらってるときに作ってきました"と散々言ってきましたけど、今回は一切酒を飲まずにデモ音源を作ってみようと思って。だからいつもより理屈っぽい部分が出てるかなー......でも"シラフで曲が作れるんだ!"という喜びも大きいんです。ここ7~8年、365日中362日は酒を飲んでいたんですよ。さすがにちょっと死ぬかもしれない! と思ったんですけど、インドから帰ったあと1ヶ月くらいお酒を飲まなかったんですよね。自然と酒を必要としない身体になっていたんです。まぁすぐ泥酔生活に戻りましたけど(笑)。ダイエットもしたいなと思っていたのでお酒の量は減ったんですよね。

-インド余韻でお酒に逃げなくてもメンタルを保てたということですか?

ゲイリー:んー、僕はお酒はストレス解消や逃げのツールではなく、クソみたいな現実と戦うためのツールだと思っているんですよ。

-でもインドから帰ってきたあとは、お酒が必要なかったんですよね?

ユッカ:インドでゲイリーはベロッベロでしたけどね(笑)。とてもツイートできない写真のオンパレード!

マル:ゲイリーと僕は一緒の部屋だったんですけど、下半身裸でトイレの便器の横に死んだように寝ていた日もありましたね(笑)。一瞬死んでるのかと思ってドキッとした。

ゲイリー:インドに行ってわかったことがすごくいっぱいあって。日本の殺伐とした音楽シーンの空気が、思っていた以上に自分にとって重症なストレスだったことに気づいた。目の前で10歳くらいの子供たちが自分たちの演奏でめちゃくちゃ喜んでくれるのが、本当にめちゃくちゃ嬉しかったんですよね。"音楽ってこれだけの人たちの心をこんなに動かすパワーがあるんだ"と肌で感じられたんです。

ユッカ:海外の人は地に足をつけて、エネルギッシュに生きている人が多いですよね。清々しい。そういう場所でバンドで演奏すると、エネルギーが掛け算される感覚があるというか。日本のミュージシャンはぜひ一度は体感してみて損はないと思いますし、興味本位でもいいから行ってほしい。得るものはすごく多いと思いますよ。

ゲイリー:僕はずっとミュージシャンはなんて無力なんだろう......という切ない気持ちを常日頃感じながら生きてきたんです。うだつの上がらないときって、何をどう足掻いてもうまくいかないし、足掻けば足掻くほど気持ちが荒んでいく。でもインドで俺のドラムでちびっ子たちが狂喜乱舞している姿を見たらね......"やべぇ、ミュージシャン全然無力じゃねぇわ!"と思った。その瞬間に強くなれました。

-すごくいい話。インドが日本の固定概念を壊して、ゲイリーさんに新発見を与えてくれたんですね。

ゲイリー:泥酔してカホンを叩いてる俺を見て、インド人が"こいつすげぇな!"と言ってくれて......。

ユッカ:絶対そんなんじゃないよ。"変な奴おるで!"って感じだよ(笑)。

ゲイリー:本当に嬉しくってね......。頑張るための勇気をいただいてね......! 世の中には頑張っている人はいっぱいいるけれど、頑張りが報われる機会がなかなかないと思うんです。報われるとね、真人間になれますよね(笑)。それが表現者としていいのかどうかはわからないけれど......。