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INTERVIEW

Japanese

BIGMAMA

2009年11月号掲載

BIGMAMA

Member:金井政人(Vo&Gt)

Interviewer:杉浦 薫


-このアルバムがリリースされた後には、作品を出すスパンをもう少し長くしようということでしょうか?

いえ、そういうわけではないのですが、流れを一度途切るというか。バンドとしてより面白いアクションを起こす時に、1年に1枚フルアバムっていうところからは、崩していこうかなという。

-それでは作品の質問に移らせていただきます。アルバムタイトルに「正しい地球の廻し方」という言葉がありますが、「回す」ではなく「廻す」という漢字を使ったサブタイトルの意図はなんでしょうか?

漢字については、「まわしかた」っていう文字を打って変換で出てきた文字が、「廻し方」の方が良くて。辞書で調べたら、意味合い的にはどっちでも許されるんだっていうことで、フォントにした時になんとなく気に入ったっていう単純な理由なんですけど(笑)。
最近は日本語でもちゃんと歌えるようになってきたし、英詞の“and yet it moves(それでも地球は回っている)”っていうタイトルを先に思い描いていて、プラス、日本語でも作品のニュアンスをちゃんと出せたらなということで、サブタイトルを付けました。

-アルバムの製作期間はどの位だったのでしょうか?

「ダイアモンドリング(2035/09/02)」のレコーディングが5月くらいにあったんですけど、実はその時に他の曲も録っていたんですね。それプラス、8月にフェスに出たり、ライヴをしながら残りの曲をレコーディングしていました。

-なるほど、実質的には3ヶ月くらいなのですね。BIGMAMAの作曲スタイルはどんな感じなのでしょうか?

曲によって色々あるんですけど、基本は僕がメロディーとコード進行を持っていって、スタジオで「こんな感じにしたいんだよね」って言ったものが、どんどん原型を留めなくなって、作曲者的に結構悲しくなっていくという(笑)。でも今はそれが凄く形になっていて。主にギターの柿沼と、ドラムのリアドが、僕の作ってきた原型を引っ張っていってくれ、その後に、安井と東出で味付けをしていくという感じですね。

-大体の曲の形が出来てから、ヴァイオリンが入っていくのですね。

そうですね。一番最後に入ります。結構難しいんですけどね・・・。やっぱり、3枚目ともなると、ヴァイオリンのフレーズで曲の印象が決まってしまうというか。そこが、作詞、作曲、色んな面において、一番デリケートな部分だったりしますね。

-BIGMAMAの特徴であるヴァイオリンのフレーズは、今作で全曲に入っていますね。

ファースト、セカンドと作り終えて、ヴァイオリンを入れない曲をちゃんと作ろうと思ったんですね。東出はピアノ、キーボードも弾けるので。実際にセカンドの頃からそういう曲も少しずつ増えてはいったんです。それで、今回のレコーディングの時に、東出と色々なエフェクターを試す時期があったんですけど、オーケストラ感が出せるエフェクトを見つけたんです。一人で弾いているのに少し厚みが出るようなゴージャスなエフェクトで。ライヴで弾いているときのことを考えてもいいなと思って。そのエフェクトをレコーディングで結構多く使っていたら、結局は全曲にヴァイオリンが入ってしまったという(笑)。嬉しい誤算という感じですね。

-ヴァイオリンの音色単体でも、凄く印象的なフレーズが多くていいなと思いました。さて、今作は、全曲を通して一つのストーリーで繋がるコンセプシャルなアルバムということですが、最初から歌詞のコンセプトありきで製作を始められたのでしょうか?

レンタルとか、ダウンロードとか、今は音楽を入手出来る方法はたくさんありますよね。ただ、そう聴いている人には罪はないけど、この時代にアーティストとして頑張れることはなんだろう?って考えた時に、アルバムをちゃんとCDで買ってくれた人に対して、ちゃんと情報量の多いものを作りたいと思うようになったんです。
僕はアルバム毎に自分で書いたライナーノーツを入れてるんですけど、それを今回レベルアップさせたいなと思って。さあどうしようと考えた時に、人物相関図を加えたいなと思ったのがアルバム作りのキッカケの一つとしてあって。
「ダイアモンドリング(2035/09/02)」は、次の皆既日食の2035年ていう日付に設定したんですけど、これがエンディングとして見えるような、一つのアルバムを作ってみようと7月の段階から考えていたんです。
ストーリー上に必要な5曲くらいは始めからありました。例えば、出会いがあって、別れがあって、エンディングがあって、という軸自体は決めていた。
ただ、周りの方から“小説的”と言っていただけるのは嬉しいんですけど、結果的にということであって、それがありきというわけではなくて。その楽曲に合わせて一つのテーマ、世界を作って、その中で書いていこうというルールを自分の中で守っただけなんですよ。結果的にということですね。