Skream! | 邦楽ロック・洋楽ロック ポータルサイト

MENU

INTERVIEW

Overseas

THE PRODIGY

THE PRODIGY

Member:Liam Howlett(Music composer) &Keith Flint(Dancer, Vocalist)

Interviewer:Yuzuru Sato, translation by Mariko Shimbori


-本作『Invaders Must Die』はライヴ感に溢れたサウンドに焦点を絞りつつ、これまでのバンドの魅力を凝縮したような作品ですが、このアルバム・タイトルが初めにあってそれに合わせて作られたアルバムということで、このタイトルがテーマの作品ということですよね? どうしてこのテーマを取り上げたのですか?

L:Keithがさっきも言ったと思うけど、『Invaders Must Die』はある意味テーマではあって、お前がさっき説明したよな?

K:ああ、さっきも説明したとおりなんだけど、"Invaders" というのは、このギャングに潜入してこようとしている人たちのことだ。

L:または君であってもいいし、誰でもいい。誰のどんな個人的な経験でもいいんだ。ただ極端な見方をしているんだ。Keithが言ったように、防衛ということだ。自分にとってすごく大切なことがあって、それが誰かに侵されようとしているんだ。

-なぜこのテーマを取り上げたのですか?

K:前作は、バンドが最高と言える状態にはなかった。俺たちもそれは分かっていた。それをどうして更正したらいいかも分かっていた。だから、俺たちは心配していなかった。でも、他の人たちはこのギャップ...

L:割れ目。

K:割れ目、つまり弱点があるのを見て、俺たちは強力なギャングではあるけれども、彼らは上手くその弱点につけ込もうとしてきた。友達、ジャーナリストだけでなく... L:ジャーナリストではなく、主に自分たちの陣営にいた人たち数人だ。バンドがしばらくの間あまり活動していなかったから、少し考えすぎてたのかもしれない。俺たちは解散はしてなかった。

K:決してそんなことはない。

L:長期間活動するということはいろんな試練を経験するということで、それだからこそバンドも興味深いものとなる。大変な時期を経験した後に復活することでね。 K:俺たちもこれでよかったと思っている。そういった辛い時期を経験できてよかったと思っている。何をやるにしても一生懸命に努力しなければならない。何事も簡単にはいかない。簡単に手に入るようなものだったら、それはつまらないもの、または、無意味なものに思えるだろう。

L:だから、このアルバムは、タイトルどおりに挑戦的な作品だ。俺たちにとっての勝利の作品だ。2003年、2004年にバンドがほとんど解散してしまいそうな状態までいって、それを乗り超えて作られた。俺たちはもちろん友達で、シングル曲を集めたアルバムのツアーをした5年前に関係を修復したんだ。といっても、特に俺たち3人の間に何か問題があったわけではなくて、パラノイアになっていたって感じかな。

K:題目もちゃんとした理由もない家庭内の争いといったものだ。12年間一心不乱にツアーしてきて、時には離れることも必要となった。その隙間が大きくなりすぎて、何がどうなのか分からなくなってしまうこともある。ソロの作品を作ろうとしたことは、よいことではなかった。Liamが次のTHE PRODIGYのアルバムを書こうとしてたときに、俺は自分のソロの曲を作っていた。THE PRODIGYのために24時間を費やしてた人が突然に、「スタジオに入ってるから、木曜日には行けない」と言っていたんだ。Liamが「Spitfire」を作って聴かせてくれたとき、俺は「彼が野球のバットのような曲を書いた」と表現してるんだけど、この曲は俺の頭に命中した。それで、「ちょっと待てよ。俺はここで何してるんだ」と考え直して、すべてをすっかり片付けてスタジオを後にしてTHE PRODIGYプロディジーに戻ったんだ。

L:本当の話だ。

K:本当なんだ。スピーカーのヴォリュームを大音量にして「Spitfire」を聴いた。このバンドの音楽ほど俺にとって意義のあるものはないこと、俺の心がこのバンド以外のどこにも所属していないことを確信した。俺は自分が夢の世界にいたことを分かっていた。ラッキーなことにも、THE PRODIGYとの関係は続いていてまだメンバーでいた。何よりも俺たちの強い友情があって、THE PRODIGYのパワーと強さを再建することが出来たんだ。 L:それでこのタイトルとなったんだ。俺たちにとってとても意味のあるもので、当時のことがきっかけとなって付けられているんだ。

K:あの感情から来ているんだ。あのときのあの感情から作られたタイトルだ。そういうわけだ。バンドはこのアルバム・タイトルからこの作品を作る力をもらって、ライヴにもってこいのアルバムを作った。今のバンドには、何の幻想もなければ、希望的観測などもない。これは俺がそうあって欲しいと願ってるわけじゃなく現実のことなんだけど、バンドがこれほどまでに強力であったことはない。これ以上最高の状態はないといったほどだ。俺たちは互いに正直であって、ちゃんとした理由がなければこうやって活動はしていない。自分に合ってないものであれば、辞めるだろう。時代遅れのもの、自分たちに関係ないものであれば、3人とも辞めると思う。

L:そのとおりだ。

K:世界ヘビー級チャンピオンが最後の試合にのぞもうとしていて、その体は不格好で、ずっとトレーニングをしていなくて上腕の筋肉も衰えてるのを見ることほど悲しいことはない。実に悲しいことだ。床に叩きのめされる姿を見るのは、本当に悲しいことで、俺たちは自分たちがそんなことになるようなことは絶対にやらないし、自分たちの仲間のためにもそんなことはしない。バンドとして、友達として俺たちは強力だ。でも、結局は音楽なんだ。俺たちの音楽が俺たちにとっての上腕筋だ。今はすべてが完璧な状態にある。前回のツアーはこれまでにないほどにパワフルでダイナミックで、観客同様俺たちにとっても最もエキサイティングなツアーだった。自分たちがまるでまったくの新人バンドのような感じがして、最高にエキサイティングだった。自分たちを偽って、「俺たち、また友達に戻って最高だぜ! もう一度やってやろうぜ!」なんてやってるんじゃない。そんなことは決してしない。本当にワクワクしてるんだ。今が俺たちの本領を発揮するときだ。さっきも言ったけど、ステージを支配して、自分たち自身に、そして、自分たちの音楽に信念を持っている。だから、今、俺たちこそ世界最高のバンドだと言えるんだ。