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Absolute area

Absolute area

Writer : 高橋 美穂

満を持して発揮された"王道の極み"が高らかに響き渡る新曲「ノスタルジア」


Absolute areaが、8月11日にデジタル・シングル「ノスタルジア」をリリースした。この楽曲は、MBS系"ドラマシャワー"で現在放送中の"体感予報"のエンディング主題歌となっている。ヴォーカル/ギターの山口諒也は"バンドを結成した頃から自分達の楽曲がドラマで使われることが夢でした。このお話を頂いた時、目頭が熱くなり、込み上げてくるものがありました"とコメントを寄せている。それほど熱望していただけあって、楽曲への力の入り方もハンパではない。そして現在、今作のみならず、Absolute areaは数々の夢を叶える実りの季節を迎えているのだ。

Absolute areaが結成されたのは2014年のこと。2017年には、インディーズ活動支援アプリ Eggsにて「ひと夏の君へ」が再生回数No.1を獲得し、"未確認フェスティバル2017"ファイナリストにも選出。ブレイク必須の若手バンドとして注目を集めだした。
その勢いで2018年には1stミニ・アルバム『あの夏の僕へ』をリリースし、2ヶ月連続ワンマンを即完。さらに同作収録楽曲「ドラマチックサマー」が、全世界2,000万ダウンロードの音楽ゲーム・アプリに採用されることで、ライヴハウスに集まるキッズ以外にも自らの楽曲を広めた。

Absolute area「ひと夏の君へ」(Official Music Video)


Absolute area「ドラマチックサマー」(Official Music Video)


2019年には2ndミニ・アルバム『無限遠点』をリリース。同作に収録されている「遠くまで行く君に」は、清涼なストリングスと温かいアコースティック・ギターに乗せた"遠くまで行く君"に向けた祈りが、"僕は今日も歌に乗せて"という歌詞の通り素直に感じられる楽曲だ。Absolute areaが突き詰めてきた音楽性が、この時点でひとつの王道となって形作られていることがわかる。
2020年から、世界はコロナ禍へ突入。多岐にわたる活動を見せていたAbsolute areaとはいえ、主戦場は数多のバンドと同じくライヴハウスだったため、やはり苦労を余儀なくされた。しかし、彼らの魅力は楽曲そのものでもある。それを改めて知らしめるべく、2021年5月から3ヶ月連続で異なる世界観のシングルをリリース。それが実を結び、ライヴにおいても2022年には"出れんの!?サマソニ!?"オーディションによって"SUMMER SONIC 2022"大阪へと出演を果たした。そして12月には東京と、初の大阪ワンマン("Absolute area one man Live2022「Fighter~未来への架け橋~」")を開催し、現時点でのひとつの集大成とも言える3rdミニ・アルバム『Future』をリリース。決して短い道のりではなかったが、ライヴと楽曲の両軸で成功を収め始めた。

Absolute area 「遠くまで行く君に 」(Official Music Video)


2023年6月には、自身最大キャパの東京 EX THEATER ROPPONGIでのワンマン・ライヴ[Absolute area One Man Live 2023 "Fly High~未来への滑走路~"]が開催され、8月には"SUMMER SONIC 2023"東京公演でのオープニング・アクトに決定。まさに今観ておくべき、聴いておくべきバンドというポジションに、Absolute areaは立っている。そんな絶好のタイミングでリリースされるのが、「ノスタルジア」だ。

ドラマ主題歌という彼らの夢を叶えた今作について山口は"嬉しさと初の試みで高まった熱量で、歌詞を少しだけ作品に寄せさせて頂き、胸がキュッと苦しくなる2人のラブストーリーに寄り添えるような楽曲になりました"とコメント。ドラマの原作は、鯛野ニッケが手掛けた"BLアワード2023"コミック部門第1位の話題作である。刺激的なドラマの主題歌ということで、どんな仕上がりなのか!? 少しの緊張を持って聴き始めると、楽曲からは、彼らがずっと貫いてきたひとつの王道が見えた。ドラマに寄り添いながらも、夢を叶えながらも、音楽性はブレることがない。この強さが、彼らを今のポジションまで連れてきたのだという事実に、今作を聴くことで気づけた。
"長く落ちた影の向こう 遠い背中を見ていた/等間隔の距離で追いかけた 君は泣いていたのかな/それとも笑っていたかな その瞳(め)は何を映していたんだろう"という、ドラマのみならず、様々なシチュエーションに重ね合わせられる歌い出しから、ノンストップで高まるサビまで連れていく。その疾走感は、聴き手を巻き込んでいく勢いに満ちており、これまでの活動で培ってきた実力を感じさせられる。

さらに、歌中心の3ピース・バンドらしいシンプルなアンサンブルの中で、これまでも楽曲を生かすために惜しげもなく使ってきたストリングスの音色が際立っているところも、より幅広いリスナーの耳を掴むアレンジと言えるだろう。それでいて、後半に向けて温度をグッと上げるようなギター・ソロという、バンドならではの展開も聴き逃がせない。
歌詞には、気象予報士が主人公、そして夏に放送されるドラマというニュアンスも、"影"、"雲隠れ"、"体温(おんど)"、"熱帯夜"、"夏の風"、"光"といった言葉でちりばめられているが、あくまでAbsolute areaの世界観に落とし込んでいるところも見事だ。

思えばAbsolute areaの楽曲は、いつドラマの主題歌になってもおかしくないくらい王道だった。満を持してそれを叶えた今作は、王道の極みと言ってもいいくらい、彼らがこれまでコツコツと磨いてきた強みが全開で発揮されている。それでいててんこ盛りのような重さはなく、スッキリとしたポップ・ソングになっているところからは、ブレイクしていくバンドにとって必要な客観性も感じられる。
Absolute areaのこれからがますます楽しみな要素しかない今。8月25日には、小林柊矢を迎えて主催するツーマン・イベント"Absolute area 2man Live2023「ふたりのり」"が代官山 SPACE ODDにて行われる。この"Absolute area 2man Live2023「ふたりのり」"は、10月、11月と連続して開催されることが決定している。ぜひ生で、その実力に触れてみてほしい。


▼リリース情報
配信リリース
「ノスタルジア」
179611_ABS_nostalgia_H1.jpg
NOW ON SALE
※ドラマシャワー『体感予報』エンディング主題歌
配信はこちら

デジタル・シングル
「発車標 (2023 ver.)」
ABS_H1_A.jpg
NOW ON SALE
配信はこちら

▼ライヴ情報
"Absolute area 2man Live2023「ふたりのり」"
8月25日(金)代官山SPACE ODD
OPEN 18:15 / START 19:00
w/ 小林柊矢
[チケット]
スタンディング ¥3,000(D代別)
■一般発売中
チケットはこちら

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