sleepy.ab「二度寝する奴ぁ三度寝る」【第18回】
2014年03月号掲載
みなさん、この寒い冬どうお過ごしですか?ニュースを見ていると東京でも雪が積もったり何だか最近おかしいですよね。なんだか東京で雪が降ると北海道の特権なのに!(違います)と嫉妬に似たもやもやした気分になります。関東方面の方達には雪が降るなんてえらい迷惑でしょうが。今年は札幌でも雪が降らない日がなく、山の天気かというくらいころころ変わります。と、まあこの異常気象の話は今回の話には直接関係ありませんのでこれぐらいにしとこう。
前回のコラムvol.17ではお風呂、銭湯の話。『とてもショッキングでした、その女の子がかわいそうです!!』と苦情、お叱りをうけました。結構みんな見ていてくれて嬉しいね。ちょっと前に同窓会的なことしたんだけどその時も友達にあのコラム面白いね、剣道一回も勝った事ないんだねと言われました。。
で、今回もお風呂にまつわるとんでもない話を用意してましたが、前回より過激な内容になりかねないと判断し文字に起こすことは自粛しようと思います。
どうしても聞きたい方は直接聞いて下さい。
というわけで少しまじめな感じも見せておこうと思い曲にまつわる話をしたいと思う。今から18年前、高校の卒業を期に札幌の音楽学校に入学。
入ってそうそう友達ができなくて札幌一人暮らし生活さっそくつまずく。
前にも少し話しましたが根室では学校自体が少ないので小中高と顔ぶれはあまり変わらない。なので急に新しい環境で新しく友達を作るのって一体どういう風に作るんだっけ!?という状態に陥る。考えれば、考えるほど意識しすぎてハマる。
やっと話かけてくれた人がいてもびっくりしすぎて心とは裏腹に冷たくあしらってしまう。今までどうやって生きてきたんだ!?と自己嫌悪に陥る。
そこで開き直って音楽に打ち込もうとしてみる。しかし、音楽をやろうにもギターは弾けず、楽器一つ持っていない始末。買いに行くところから始まるのである。
そして、ドレミファソラシドを練習する。。やばい、、こんなんじゃ曲なんかできない、、。おいおい、みんなどうやって曲作ってんだ!?友達も作れず、曲も作れない、俺はいったい何のために札幌に来たんだ!?
とりあえずコードというものを一つ一つおぼえる。とっても気に入ったコードを見つけた。Aadd9。エーアドナインスと読む。さあ!みんなも口に出して言ってみてごらん!エーアドナインス!!エーアドナインス!!エーアドナインス!!
みんなありがとう!!
とても難しく聞こえるけど誰でも抑えられるコードなのに玄人っぽく聴こえるネーミングと音の響き。このコードだけをずっと繰り返し繰り返し弾いていた。
Aadd9に関していうならプロだね。しかしそんな幸せな時間はそう長く続かないのです。誰もが通るであろう道に立ち塞がる壁。やっぱりというべきか、Fでつまずく。挫折。放置。そしてFの放置から3ヶ月なぜか急に弾けるようになる。人間というのは身体だけではなく脳でも理解しなくてはならないのである。ただの放置と見せかけて3ヶ月という短くない時間をかけてゆっくりと丹念にイメージトレーニングした賜物なのだ。Fの奇跡。いやFの軌跡であろう。気に入ったのでもう一度言おう、この『Fの放置』から『Fの軌跡』はギターを弾く者にとっての冒険の序章の幕が開いた事を示す試練とその勇気を試す過程そのものだ。
そこからやっと冒険が始まる。コードFを手に入れた感じはドラクエでいうと魔法の鍵を手に入れたあの感じだ。なんでこんな話をしているのかというと最近携帯でドラクエモンスターにハマっているからに違いない。
話を戻そう。一番はじめに作った曲がある。
もちろんAadd9からはじまる。ここからやっと少しまじめになる。
「PAIN」という曲がある。
この曲は自分にとってとても大切な曲だ。初めて自分で作る曲。
自分はどう歌うのか、何を歌いたいのか、それがその曲に落とし込まれる。
それが始まりであって、ずっと変わらないもの。この曲を作る時、少し不思議な体験をした。曲を作ったりするずっと前から何かが決まっていたかのようにごく自然にメロディになった。曲なんか作ったことないのに、何か懐かしい何かをただ手繰り寄せるような感覚。あまりにもしっくりくるから、誰かの曲で昔聴いたことあるからなのか疑ってしまうくらいに。不安を抱えながらもこの曲を学校の先生に聴かせる。友達いなかったもんで。初めて人に聴かせる。先生はこう言った『いい声だし、いいメロディ、ヘー成山って変わってるね。』その時の自分には最大の賛辞だった。その時から自分に少しだけ自信が持てて自分が変わっていったのか少しずつ周りにも人が増えていった。そして時間はかかれども自分からアクションを起こせた事、誰かがそれを認めてくれた事が嬉しかった。初めて自分で何かを成し遂げられたという実感を感じれた瞬間だった。
その「PAIN」という曲。当時の自分の心の内が垣間見えてすごく頷ける。今だから客観的に言えるのだけれどまるで言葉の鎧だ。いくつもの鎧を着て実態を隠している。わかってほしいけど、どうせわかんないよという諦め。けど誰かと繋がりたくて、誰かに気付いてほしいという中で苦しんでいた。
その感情を曲という形で伝えることができた。そしてこの曲が色んなものをつなげてくれた。なぜ自分は曲を作るのか、音楽ではないと駄目だったのか。
それは自分で見つけた唯一の人とつながれる手段だったんだと思う。
そして今その音楽を通してたくさんの人とつながっている事をうれしく思う。
Related Column
- 2014.05.03 Updated
- sleepy.ab「二度寝する奴ぁ三度寝る」【最終回】
- 2014.03.10 Updated
- sleepy.ab「二度寝する奴ぁ三度寝る」【第18回】
- 2014.01.16 Updated
- sleepy.ab「二度寝する奴ぁ三度寝る」【第17回】
- 2013.11.03 Updated
- sleepy.ab「二度寝する奴ぁ三度寝る」【第16回】
- 2013.09.08 Updated
- sleepy.ab「二度寝する奴ぁ三度寝る」【第15回】
- 2013.07.12 Updated
- sleepy.ab「二度寝する奴ぁ三度寝る」【第14回】
- 2013.05.04 Updated
- sleepy.ab「二度寝する奴ぁ三度寝る」【第13回】
- 2013.03.26 Updated
- sleepy.ab「二度寝する奴ぁ三度寝る」【第12回】
- 2013.01.22 Updated
- sleepy.ab「二度寝する奴ぁ三度寝る」【第11回】
- 2012.11.10 Updated
- sleepy.ab「二度寝する奴ぁ三度寝る」【第10回】
- 2012.09.16 Updated
- sleepy.ab「二度寝する奴ぁ三度寝る」【第9回】
- 2012.07.18 Updated
- sleepy.ab「二度寝する奴ぁ三度寝る」【第8回】
- 2012.05.11 Updated
- sleepy.ab「二度寝する奴ぁ三度寝る」【第7回】
- 2012.03.13 Updated
- sleepy.ab「二度寝する奴ぁ三度寝る」【第6回】
- 2012.01.01 Updated
- sleepy.ab「二度寝する奴ぁ三度寝る」【第5回】
- 2011.11.01 Updated
- sleepy.ab「二度寝する奴ぁ三度寝る」【第4回】
- 2011.09.01 Updated
- sleepy.ab「二度寝する奴ぁ三度寝る」【第3回】
- 2011.07.01 Updated
- sleepy.ab「二度寝する奴ぁ三度寝る」【第2回】
- 2011.05.01 Updated
- sleepy.ab「二度寝する奴ぁ三度寝る」【第1回】
LIVE INFO
- 2025.12.06
-
キュウソネコカミ
AIRFLIP
ザ・クロマニヨンズ
凛として時雨
OKAMOTO'S
BLUE ENCOUNT
indigo la End / a flood of circle / Galileo Galilei / go!go!vanillas ほか
Cody・Lee(李)
brainchild's
LEGO BIG MORL
NANIMONO
"長田大行進曲2025"
石崎ひゅーい
怒髪天
ねぐせ。
Nikoん
水曜日のカンパネラ / yama / CENT(セントチヒロ・チッチ) / D.W.ニコルズ ほか
CVLTE
UVERworld
eastern youth
キタニタツヤ
優里
Kroi / Jeremy Quartus(Nulbarich) / BREIMEN / luv
flumpool
チリヌルヲワカ
Aooo
Mirror,Mirror
心愛 -KOKONA-
THEラブ人間 / ビレッジマンズストア / 忘れらんねえよ / KALMA ほか
フラワーカンパニーズ
Ryu Matsuyama
MyGO!!!!!
- 2025.12.07
-
ぜんぶ君のせいだ。
崎山蒼志
キュウソネコカミ
MOSHIMO
moon drop
ポルカドットスティングレイ
凛として時雨
BLUE ENCOUNT
AIRFLIP
OKAMOTO'S
sumika / マカロニえんぴつ / Kroi / ズーカラデル ほか
NANIMONO
Nikoん
怒髪天
Devil ANTHEM.
ACIDMAN
eastern youth
小林私
ポップしなないで
石崎ひゅーい
UVERworld
優里
秋野 温(鶴)
LACCO TOWER
OAU
the telephones
BIGMAMA
フラワーカンパニーズ
9mm Parabellum Bullet
PENGUIN RESEARCH
トゲナシトゲアリ × RAISE A SUILEN
- 2025.12.08
-
ザ・クロマニヨンズ
BLACK COUNTRY, NEW ROAD
RAY × きのホ。
ドラマチックアラスカ
PACIFICA
シベリアンハスキー
雨のパレード
never young beach
- 2025.12.09
-
キュウソネコカミ
天女神樂
ザ・クロマニヨンズ
FRANZ FERDINAND
BLACK COUNTRY, NEW ROAD
ドラマチックアラスカ
TENDRE
PACIFICA
Galileo Galilei
Dios
ザ・シスターズハイ
ストレイテナー
PEDRO
モーモールルギャバン
- 2025.12.10
-
PACIFICA
Galileo Galilei
山本彩
東京スカパラダイスオーケストラ × HEY-SMITH
くるり
豆柴の大群
森 翼
Wez Atlas
すなお
ストレイテナー
BLACK COUNTRY, NEW ROAD
- 2025.12.11
-
MONOEYES
あいみょん
東京スカパラダイスオーケストラ × HEY-SMITH
山本彩
オレンジスパイニクラブ
BIGMAMA
ポルカドットスティングレイ
そこに鳴る
The Ravens
FRANZ FERDINAND
- 2025.12.12
-
Hump Back
VII DAYS REASON
Chimothy→
崎山蒼志
LiSA
Another Diary
凛として時雨
TOMOO
Nikoん
BIGMAMA
PENGUIN RESEARCH
moon drop
ねぐせ。
私立恵比寿中学
くるり
PEDRO
サカナクション / Creepy Nuts / 羊文学 / ちゃんみな ほか
flumpool
the shes gone
VOI SQUARE CAT
SAKANAMON / Broken my toybox / SPRINGMAN / KEPURA
BRADIO
ザ・クロマニヨンズ
僕には通じない
LONGMAN
- 2025.12.13
-
MONOEYES
"DUKE×GREENS presents わちゃごなどぅ -whatcha gonna do-"
ぜんぶ君のせいだ。
VII DAYS REASON
Vaundy / THE ORAL CIGARETTES / sumika / マカロニえんぴつ ほか
UVERworld
eill
フラワーカンパニーズ
LITE
DURAN
SHERBETS
清 竜人
ポルカドットスティングレイ
moon drop
Nikoん
石崎ひゅーい
吉井和哉
9mm Parabellum Bullet
Cody・Lee(李)
flumpool
東京スカパラダイスオーケストラ × HEY-SMITH
[Alexandros]
Appare!
秋山黄色
藤沢アユミ
キタニタツヤ
THE SPELLBOUND
- 2025.12.14
-
downy / toe / unripe / aieum
(sic)boy
VII DAYS REASON
LiSA
ねぐせ。
10-FEET / クリープハイプ / go!go!vanillas / Saucy Dog ほか
UVERworld
ぜんぶ君のせいだ。
Devil ANTHEM.
フラワーカンパニーズ
TOMOO
NEE
"DUKE×GREENS presents わちゃごなどぅ -whatcha gonna do-"
OAU
PEDRO
Nikoん
石崎ひゅーい
kobore / Suspended 4th / ザ・シスターズハイ / ザ・シスターズハイ ほか
鶴
SHERBETS
RADWIMPS
9mm Parabellum Bullet
PENGUIN RESEARCH
MOSHIMO
スカート
PHALUX
Bimi
ASP
22/7
古墳シスターズ
クジラ夜の街
[Alexandros]
キタニタツヤ
- 2025.12.15
-
MONOEYES
Kroi
GODSPEED YOU! BLACK EMPEROR
anewhite
山田将司(THE BACK HORN)/ 大木伸夫(ACIDMAN)/ 内澤崇仁(androp)/ 村松 拓(Nothing's Carved In Stone) ほか
TOOBOE
Mrs. GREEN APPLE
Hump Back
- 2025.12.16
-
くるり
SPARK!!SOUND!!SHOW!!
優里
YOURNESS
GANG PARADE
ザ・クロマニヨンズ
GODSPEED YOU! BLACK EMPEROR
Mrs. GREEN APPLE
- 2025.12.18
-
桃色ドロシー
あいみょん
くるり
Nikoん
東京初期衝動
The Ravens
リーガルリリー
ザ・クロマニヨンズ
渡會将士
高岩 遼
カメレオン・ライム・ウーピーパイ
Homecomings
PompadollS
- 2025.12.19
-
(sic)boy
Helsinki Lambda Club
桃色ドロシー
ガラスの靴は落とさない
Nikoん
flumpool
吉井和哉
東京初期衝動
LiSA
BIGMAMA / THE BOYS&GIRLS / KALMA / オレンジスパイニクラブ / ハク。
SHERBETS
VII DAYS REASON
キノコホテル
羊文学
僕には通じない
Mrs. GREEN APPLE
BLUE ENCOUNT
RELEASE INFO
- 2025.12.06
- 2025.12.07
- 2025.12.09
- 2025.12.10
- 2025.12.12
- 2025.12.17
- 2025.12.19
- 2025.12.20
- 2025.12.21
- 2025.12.24
- 2025.12.26
- 2026.01.01
- 2026.01.07
- 2026.01.09
- 2026.01.11
- 2026.01.14
FREE MAGAZINE

-
Cover Artists
ザ・クロマニヨンズ
Skream! 2025年11月号











