sleepy.ab「二度寝する奴ぁ三度寝る」【第15回】
2013年09月号掲載
先日スタッフに『あのさ〜、このコラムには音楽関係の話っていうのは出てこないわけ?』と言われました。ついに言われてしまいました。なんとなく深層心理の奥深くで思っていました。あれ?もしや、みなさんも思ってました?よね、、、。。というわけで今回は、少しだけそちら側というか音楽側に軌道修正していこうかなと思ってみることにしてみます。
このコラム連載の記念すべき第1回目で、なんで音楽を始める事になったかの経緯を書かせてもらいました。ざっくり話すと「さとうきび畑」という曲をたくさんの人の前で歌ったのがきっかけでした。しかも自分で選んだ道ではなく、なぜかそのステージに無理矢理立たされて、というか自分のいない間に決まっていたというね。詳しくはSkream! 2011.5月号喝載をご覧ください。
そして札幌の音楽学校に入り、今のメンバーと出会うところまで話しました。そしてgt山内とは俺が学校の帰り道うんこを踏んだことがきっかけで仲良くなったんだよね。あれはROCKな出会いだぜ!!とか言ってるくだりから少しづつ脱線していったように思えます。振り返っている間に終わってしまいそうなので続けます。
学校に入ってまず一つ目の事件が起こる。初めに驚かされたのは、一緒に入学した生徒というか同級生に対してだ。音楽学校ということもあってか、初めての授業でまず初めに一人づつ自己紹介がてら何か音楽で表現しろというのだ。なんて無茶ぶりなで恐ろしい事を言うんだろうと思ったね。
こちとら一人で札幌出て来てから友達もなかなか出来ずにろくに人と話もしてなく毎日映画3本見てるだけの身なんだぞ!っと。そんな簡単にラップで挨拶みたいに言うんじゃない。根室生まれのテトラポット育ち、、、。(ラップはそんなに甘くなかった)
各々が自分のパート楽器を演奏していく。講師よりうまいのではないかというドラムまで現れる始末。ギターを弾くものドラムを叩く者、オリジナルの曲を発表する者、アカペラで歌う者。彼らの演奏を聴きながらここで俺はようやくと気付く。あれ?みんな経験者?なの??あれれ??みんな習う事あるの?というくらい演奏がうまい。
学校って習うとこでしょ?だからここから始める人しかいないとなぜだか勝手に思い込んでいた。スタートラインで相当遅れをとっているということだ。やっちまったと俺は思った。
ちなみに通っていた経専音楽放送芸術専門学校という学校はレコーディング科、PA,舞台照明科、MA、ディレクター科などがあり自分達が入学したこの年からヘアーメイク、モデル科、ミュージシャン科が新しく設立されたのでした。北海道では音楽だけを専門とした大きな学校は初めてだったので北海道全体から猛者どもが広くそこに集まっていたというわけだ。それぞれ高校の頃から楽器を弾き、曲や歌詞を作り、コンテストなどを受けたり。なのに、自分はを出るまで歌詞や曲を作るなんて尾崎豊の逸話かなんかで聞いた事しかなかった。おいおいちょっと待ってくれ、経験といえば、小学校のさとうきび畑と高校の学校祭の時に流れで、ほんと流れでLUNA SEAを1曲歌った事しかないぞ(プチドロップアウト)。それもやっぱり無理矢理というか不可抗力というか。自分には表現するものなんかないし、楽器もない。困り果てた末に徳永英明のものまねをしようとも思ったが、思いとどまった。
しかしどうにもやれることが見つからない。演奏もあと自分以外ではあと1人というところまで来たその時、俺はある異変に気付く。
自分の前の席の人もまだ演奏していなかった。しかも尋常じゃないくらいプルプルしてる。元からだった気もするがそんなことはない。彼こそが、この2年後に一緒にバンドを始めることになるgt山内憲介だ。
彼が自己紹介をはじめる。ギターコースという事だった。プルプルしている。しかし自分のギターはもっていないという。プルプルしている。教室が一瞬静まり返る。えっ?こいつ何しに来たの?という雰囲気がざわざわとざわめき出す。その様子を見てやはりさっき思いとどまって良かった。そこでもし徳永英明のものまねをしようものなら俺はその日の夜行で根室の実家へ帰っていたであろう。多分。
引きっぱなしなまま帰ってくる予定のない波を待つことなく、彼はみんなの前に立ちはだかった。彼は気丈にもその雰囲気に呑まれなかったのだ。というか気付いていなかった。
学校で借りたギターでぽろぽろと弾き始める。音が小さくて聴こえない。電気通してるにも関わらずだ。途中でやっと聴こえてきたかなと思ったらフレーズがおぼつかなく、片言だ。ほとんど初めてギターを触るような手付きだ。どうやら同じスタートラインの人がいたとすごく安心したのを憶えている。彼はどうやらサイモン&ガーファンクルの「冬の散歩道」的な曲を弾いてる、片言すぎてどうしても、的な感じにしか聴こえない「冬の散歩道」にしか聴こえない。
尋常じゃないくらいプルプルしていてそれが影響しているのかその音はまるでトレモロのようだったと記憶している。(盛)
演奏は続く。たまにディレイにもなった。。決して望んではいないんだろうがまさに空間系だ。にしても長い、長すぎる時間だ。この拷問のような時間は何なんだというのだ。引きっぱなしだった波がその逃げ場のない怒りに似たものと一緒にざわざわと返ってくる。しかし彼は気付かない。人工トレモロショーは延々と続く。(今と変わんない)
俺はこの時“強い”と思った。多分気付いてないだけだろうが、ここまで気付けないのはもはや“強い”ことになるのではないかと。“鈍感力”というやつなのか!?
演奏が終わる。彼の震えも止まる。不思議なくらい何もなかったようにすっと席に着く。やはりすっかり荒れ果てたこの空気には全く気付いていない様子。
そしてついに演奏していないのは自分だけとなる。この空気の中で何かやれというのはあまりにもひどい仕打ちだ。それこそ山内の前にやっておけば良かったと後悔した。(徳永英明だけどね)
しかし、またしても事件が起こる。先生がその雰囲気を遮るように叫ぶ『じゃあ自己紹介ここまで!みんなやったよな?これからもがんばろう!』という声で自己紹介の時間が急遽終わった。これはどういうことなのか。先生があの雰囲気に耐えきれなかったというのか?それともただ単に忘れられていただけなのか。
それはそれで寂しいが、そこで俺の音楽生命が終わっていたかも知れないと思うと、どちらにせよ山内に助けられた事になる。
「その節はありがとう」と言っても彼はやはり気付くことはないでしょう。
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