Skream! | 邦楽ロック・洋楽ロック ポータルサイト

MENU

INTERVIEW

Japanese

SCOOBIE DO

2017年04月号掲載

SCOOBIE DO

メンバー:マツキタイジロウ(Gt)

インタビュアー:岡本 貴之

結成22年目を迎え、ますます冴えわたるソウルフルな歌声、ファンキーでタイトなリズムでライヴハウスを揺らし続ける"FUNKY 4"ことSCOOBIE DO。ツーマン・イベント"Young Bloods"で若手バンドと対バンを行うなど、貪欲な姿勢で音楽シーンに挑み続けている彼らの新作は、なんと13年ぶりとなるシングルCD『ensemble』。今なぜ、シングルをリリースすることになったのか、そして従来の方法と違ったという楽曲制作について、ギタリストでありリーダーのマツキタイジロウに話を訊いた。

-ジャケットが、昔のブラック・ミュージックっぽいですね。

これは小見山 峻君という、SuchmosSANABAGUN.のライヴ写真を撮っている若手のカメラマンさんに撮ってもらったもので。2016年11月にRHYMESTERと東名阪ツアーをやったとき、渋谷CLUB QUATTROのライヴに彼が撮影しに来ていて、話したら"実はSCOOBIE DOさんの大ファンなんです"って言われたんですよ。僕らが1回目の野音をやったときのDVDが出たタイミングで大学受験だったみたいで、受験の願掛けみたいな感じで僕らのDVDを"2,000回以上観ました"って(笑)。

-ものすごい熱狂的ファンですね(笑)。

そういう縁もあって。今回はシングルという形なので、今までと違うことをやりたいなというのもあって、ジャケ写を彼に頼んでこういう感じになったんです。これは東京 辰巳の今まさに東京オリンピックに向けて開発している、重機がゴロゴロしているようなところの片隅に、おじいちゃんおばあちゃんがゲートボールをやっているのどかな公園があって、その中の小高い丘の上で撮ったんですよ。A TRIBE CALLED QUESTとか90年代のヒップホップの感じもあったりして、素敵だなって思っています。

-シングルのリリースは13年ぶりということですが。

シングルって今、みんな出せないから出さないんだと思うんですよね。僕らも13年前に出したあたりがギリギリの時代だったと思うんです。昔はシングルってアルバムを出す前の呼び水というか、ひとつのプロモーション・ツールみたいな意味合いもあったし、ひとつ強いリード曲ができたからそれをアルバムの伏線の看板曲にするとか、そういう意味合いがあったと思うんですけど、13年前くらいから、メジャーの人たちでもアニメやドラマの主題歌とか、何かしらのタイアップが決まらないと出せないとか、シングル1曲では勝負できないっていう時代にちょっとずつなっていって。今がまさにそうだと思うし、シングルCDを出しているインディーズ・バンドなんて本当に数えるくらいしかいないと思いますし。そういう時代のなかで、俺たちがシングルを出すっていうこと自体がまずひとつ面白いなと思ったのと、今まで1年に1枚アルバムを出すというペースで来たんですけど、それをどこかで変えてみたいなって。新しいリリース形態はないかなって考えていたのもあったんです。もともとは、1曲作ってプロデューサーを立てて、新機軸みたいな形でやろうかっていう話もしていたんですけど、だんだんプロデューサーをどうするとかよりも、どんな曲を作りたいか、どんな曲をやりたいかっていう話になってきて。プロデューサーを誰にするかっていう話はいつの間にか立ち消えになっていたんです。それで結局は"じゃあ1曲作ってみるよ"ということで作ってみて、"今こういう感じがやりたいな"ってものが強く出せたのが「ensemble」(Track.1)だったんです。じゃあこれをシングルとして出してみてどうなるのか、俺たちも知りたいし、このシングルを出すことで、これを持って全国をツアーできるっていう理由にもなるし。いろんな意味で自分たちにとっては挑戦だったんですよね。

-"ensemble"という言葉はキーワードとして最初にマツキさんの中にあったんでしょうか。

"ensemble"というタイトルは最後につけたんですけど、歌詞は早めにできて。"調和"とか"共に生きる"っていうテーマって、わりと震災以降バーッとみんなが強く歌い出したテーマだったけど、最近は案外そうでもなくなってきたのかなっていうか、いろんな人が歌っているテーマとしてはもう少し殺伐としてきているような気がするんですよね、僕の中では。それって世の中自体もさらに混沌としてきているのかなっていう気もしていて。そういうなかで、調和とか共生という意味合いのテーマの曲を俺たちが出すのはリアリティがあるんじゃないかなって。

-それは20年以上やってきたバンドと重ね合わせたということですか。

そうですね。俺らがやっていることは、冷静に考えるとやっぱり特殊なことだと思うし。バンドでいったらバーッとすぐに売れる人たちもいれば、この間のTHE COLLECTORSの日本武道館とか、フラカン(フラワーカンパニーズ)や怒髪天みたいに25年とか30年かけて武道館を埋める人たちもいるし、そういう意味で言えばすべてのことに無意味なことはないというか。何かを人とやることで何も生まれないことはないよなっていうのを、バンドをやっていると強く思うんですよね。