Skream! | 邦楽ロック・洋楽ロック ポータルサイト

MENU

LIVE REPORT

Japanese

NICO Touches the Walls

Skream! マガジン 2018年12月号掲載

NICO Touches the Walls

Official Site

2018.11.04 @幕張メッセイベントホール

Reported by 山口 智男

今年、NICO Touches the Walls(以下:NICO)がメジャー・デビュー10周年を迎えたことを考えれば、ベスト・アルバムをリリースして、これまでの活動を振り返りながら集大成するような選曲でツアーを回っても良かった。しかし、彼らは重ねてきたキャリアに相応しい成熟を感じながらも、年々貪欲に、そして急進的になってきた旺盛な創作意欲の赴くまま、とことん自由に音楽を作ることを楽しんでいる、ちょうど真っ最中だった。

その成果が"OYSTER""TWISTER"というふたつのEPだったことは、彼らのファンならご存じだと思うが、その2枚を引っ提げたツアーと考えるなら、集大成という選択肢ははなからなかったはず。実際、["N X A" TOUR]と銘打ち、メジャー・デビュー10周年を迎える年に開催したツアーは、2枚のEPのコンセプトを反映して、"Electric Side"と"Acoustic Side"を交互に行いながら、間に"Lake Side"と題した野外ライヴも挟むチャレンジングなものとなったが、ツアーの最後に東名阪のホール公演"Funny Side"を追加したことで、ライヴにおけるいろいろなアウトプットを楽しみたい、楽しんでもらいたいというバンドのチャレンジは、ひと回り大きなものになった印象がある。

そもそも直近のEPに、ひねくれ者を意味する"TWISTER"というタイトルを付ける連中だ。ホール公演の最終日となった11月4日の幕張メッセイベントホールでも、ぐいぐいと盛り上げた序盤戦が終わったところで、"座席があるホールだから、わかりやすい選曲でお届けする気持ちでしたけど、「Funny Side」ですからね。このバンドが始まってから一番面白い、おかしなライヴをやろうと思います"と光村龍哉(Vo/Gt)が宣言。そこから"ミステリーゾーン"と題して、光村いわく"切り刻んで繋いだ"新旧の楽曲の数々を、およそ40分、ほぼノンストップで披露。その数は終演後セットリストで確認したところ、フル尺で演奏したインディーズ時代の「プレイヤ」を含め、全27曲。ある意味、10周年に相応しい集大成的なセットリストに応えた形になったわけだが、どんなに筋金入りのファンでも全曲はわからなかったのではないだろうか。


"こんなことをホールでやるバカは、他にいない(笑)。10年経ったら(曲を)切り刻んで、繋いで、楽しく40分以上演奏できるまでに成長できたと思います"。光村はそう言ったが、間違いなくこの日の見どころだった"ミステリーゾーン"に、ライヴ・バンドとしての実力と、それに対するメンバーたちの自信と誇りを、ここに集まった誰もが感じ取ったに違いない。そして、光村が言った"こんなことをホールでやるバカ"を大歓迎するのがNICOのファンなのだ。

"ミステリーゾーン"の盛り上がりが冷めないまま雪崩れ込んだ灼熱の後半戦は、レーザー・ビーム、ジェット・スモークといったホールならではの演出も交えながら、さらに盛り上げた。そして、"踊ろうぜ!"と呼び掛けた「Funny Side Up!」では無数の銀色の紙テープが放たれるなか、全員がサビをシンガロング。そして、再会を誓って、「来世で逢いましょう」で演奏を締めくくったものの、ちょうど40曲に2曲足りないことに気づいたバンドは、アンコールを2曲追加。"音楽的な欲求を爆発させた1年だった。11周年はもっともっと爆発させたい。来年も期待してください"と光村が言い、最後の最後に演奏したのが、バンドが持つ不屈の闘志、反骨精神を歌った「天地ガエシ」だったところがNICOらしい。そこで歌っている"秘密の大勝利"を求める彼らの活動は、ますます加速していきそうだ。メジャー10周年のタイミングで、それを印象づけることができた意味は、あまりにも大きい。



[Setlist]
1. N極とN極
2. Broken Youth
3. FRITTER
4. THE BUNGY
5. まっすぐなうた

<ミステリーゾーン>
6. 夜の果て
7. 武家諸法度
8. 妄想隊員A
9. 衝突
10. BAD ROBOT
11. バニーガールとダニーボーイ
12. ストロベリーガール
13. GUERNICA
14. B.C.G
15. サドンデスゲーム
16. そのTAXI,160km/h
17. チェインリアクション
18. 泥んこドビー
19. マトリョーシカ
20. パンドーラ

21. プレイヤ

<ミステリーゾーン>
22. 梨の花
23. image training
24. フィロローグ
25. 芽
26. (My Sweet)Eden
27. エーキューライセンス
28. ビッグフット
29. 風人
30. TOKYO Dreamer
31. 手をたたけ
32. マシ・マシ

33. SHOW
34. VIBRIO VULNIFICUS
35. mujina
36. 渦と渦
37. Funny Side Up!
38. 来世で逢いましょう

en1. Ginger lily
en2. 天地ガエシ