Japanese
NICO Touches the Walls
Skream! マガジン 2017年06月号掲載
2017.04.02 @NHKホール
Writer 山口 智男
"Fighting NICO"というツアー・タイトルどおり、NICO Touches the Wallsというバンドがもともと持っているファイティング・スピリットを改めて見せつけられた。今年、メジャー・デビュー10周年を迎えるバンドが未だにファイティング・スピリットを剥き出しにしていることがなんだかとても嬉しかった。考えが古いと言われようと、やっぱりロック・バンドはこうでなきゃと思う。
サーチライトのように飛び交うレーザービームと光村龍哉(Vo/Gt)が鳴らしたサイレンの"ウ~ウ~"という唸り声、そして対馬祥太郎(Dr)がズズタンズズタンと打ち鳴らした重たいドラムの音が不穏なムードを作り出したところで、ライヴはいきなり新曲で始まった。光村と古村大介(Gt)がヘヴィなリフを唸らせるブギ調のロック・ナンバー。坂倉心悟(Ba)のベースもバキバキと鳴っている。
バックドロップにツアー・タイトルが浮かび上がり、光村が叫ぶ。"東京2日目! 昨日より盛り上がりたいと思います!"。
そこから一気に演奏はヒートアップ。熱度満点のインプロを交えながら曲を畳み掛けるその勢いに圧倒され、観客は手を上げることもできず、まるで金縛りにあったようにステージを凝視するしかない。みんなで手を上げたり、振ったり、叩いたり、飛んだり跳ねたりしているわけではないけれど、総立ちでバンドを迎えた観客が、サポートに迎えた浅野尚志(Key 他)を含む5人が奏でる音に度肝を抜かれ、気持ちを持っていかれていることは後ろから見ていてもはっきりとわかった。その光景は、まさに痛快のひと言だった。
アルバムのリリース・ツアーではないため、アルバムの収録曲に縛られずにセットリストを自由に作ることができた今回のツアーは、NICO Touches the Wallsにとって、いろいろなことに挑戦できる絶好のチャンスだったようだ。この時点ではまだリリースするかどうかも決まっていない新曲を披露したこともそうだし、あえて目に見えるわかりやすい形で一体感を作らずに観客を圧倒しながらライヴに巻き込んでいった序盤の流れもそうだったと思う。
また、最近、演奏する機会が少なかった懐かしい曲を多めに選んだうえで、浅野が演奏するピアノやヴァイオリンを加え、「手をたたけ」や「天地ガエシ」に顕著だったように新たなアレンジを観客にぶつけたことも挑戦のひとつだったはず。
"彼(浅野尚志)のスーパー助っ人ぶりは曲を進めるごとにじわじわと明らかになっていきます。この5人で死ぬほど好きなことをやって、遊んで帰ります"という光村のMCを聞き、「マシ・マシ」をシングルとしてリリースしたときのインタビューの記憶が不意に蘇ってきた。彼らのレパートリーに多かった縦ノリの曲とは違う横ノリの「マシ・マシ」について、"今は(フェス受けする)高速の四つ打ちの曲がトレンドだけど、そういう曲が好きな子たちにも、ぜひこういう曲を聴いてほしい"と言った光村はその流れでこんなことも語ったのだった。
"高速の四つ打ちの曲が盛り上がるライヴももちろん、いいんだけど、それだけじゃないライヴのやり方も見つけていかなきゃいけないんじゃないか"。
もしかしたら、今回のツアーはその実践だったのかもしれない。なるほど。"Fighting NICO"というツアー・タイトルの元ネタは、"ファインディング・ニモ(Finding Nemo)"に違いないと思っていたが、"Finding"を"Fighting"に変えながら、新しいライヴのやり方を見つけるという意味では、"Finding"もタイトルには隠されていたわけか。いや、もちろん想像の域を出るものではないけれど、自分の中でいろいろ合点がいった。
ファンキーな「MOROHA IROHA」から一転、縦ノリの曲を畳み掛け、ラスト・スパートをかけるように会場全体を盛り上げると、本編の最後にハードな印象もあるロックな新曲を観客にぶつけ、駆け抜けていった。
"闘い続ける姿を見せることで、日々、闘っている人たちの支えになりたい"という今回のツアーに込めた想いを光村が語ったアンコールは、「マシ・マシ」を含むお馴染みの3曲を披露。ライヴの大団円に相応しい大きな一体感を作り上げた。ひょっとしたら、観客を驚かせる瞬間も戸惑わせる瞬間もあったかもしれない。しかし、NICO Touches the Wallsの挑戦は結果的にロック・バンドとしての彼らの底力を印象づけたのだった。
[Setlist]
1. Live1(新曲)
2. チェインリアクション
3. そのTAXI,160km/h
4. バイシクル
5. 手をたたけ
6. Diver
7. 夢1号
8. GUERNICA
9. Aurora(Prelude)
10. TOKYO Dreamer
11. ブギウギルティ
12. 天地ガエシ
13. MOROHA IROHA
14. Broken Youth
15. 渦と渦
16. Live2(新曲)
en1. THE BUNGY
en2. ストラト
en3. マシ・マシ
- 1
LIVE INFO
- 2025.03.04
-
片平里菜
三四少女
礼賛
輪廻 / マリンブルーデージー / CARAMEL CANDiD / サブマリンオルカ号
ZOCX
This is LAST / the shes gone / reGretGirl
サティフォ(ONIGAWARA)
- 2025.03.05
-
Apes
アイナ・ジ・エンド
Yogee New Waves
マカロニえんぴつ
Cody・Lee(李) / 浪漫革命 / SKRYU
SIX LOUNGE
UNISON SQUARE GARDEN
- 2025.03.06
-
片平里菜
Yogee New Waves
マリンブルーデージー
三浦透子
アイナ・ジ・エンド
a flood of circle
マカロニえんぴつ
荒谷翔大 × 鈴木真海子(chelmico)
SAKANAMON
UNISON SQUARE GARDEN
- 2025.03.07
-
フラワーカンパニーズ
四星球
THE YELLOW MONKEY
ビレッジマンズストア
kobore
礼賛
カメレオン・ライム・ウーピーパイ
SCANDAL
THE BACK HORN
OKAMOTO'S
w.o.d.
ズーカラデル
ザ・ダービーズ
YAJICO GIRL
リュックと添い寝ごはん
レイラ
- 2025.03.08
-
Lucky Kilimanjaro
never young beach
四星球
リアクション ザ ブッタ
a flood of circle
サカナクション
GRAPEVINE
SUPER BEAVER / 東京スカパラダイスオーケストラ / WurtS ほか
片平里菜
WONK
MAN WITH A MISSION
ぜんぶ君のせいだ。× TOKYOてふてふ
moon drop
礼賛
osage
GLIM SPANKY
秀吉
SCANDAL
おいしくるメロンパン
OKAMOTO'S
w.o.d.
mzsrz
BLUE ENCOUNT / 崎山蒼志 / CHiCO ほか
PIGGS
FINLANDS
sumika
緑黄色社会
Nornis
go!go!vanillas
Aimer
- 2025.03.09
-
さとうもか
四星球
a flood of circle
サカナクション
マカロニえんぴつ / Saucy Dog / ヤングスキニー ほか
osage
君島大空
yama
ぜんぶ君のせいだ。× TOKYOてふてふ
moon drop
KALMA
kobore
リアクション ザ ブッタ
4s4ki
THE BACK HORN
GLIM SPANKY
OKAMOTO'S
ズーカラデル
FUNKIST
Co shu Nie / 七海うらら ほか
FINLANDS
SCOOBIE DO
Base Ball Bear / 橋本絵莉子
miwa
藤巻亮太
go!go!vanillas
Aimer
- 2025.03.10
-
Panorama Panama Town
Jack White
秋山黄色
SCOOBIE DO
三浦透子
- 2025.03.11
-
Panorama Panama Town
ACIDMAN
SCANDAL
MOGWAI
a flood of circle
SILENT SIREN
THE SPELLBOUND
神聖かまってちゃん
4s4ki
フクシア / MAKKURAGE / ジンバジ / goat Life / BUA
- 2025.03.13
-
yama
礼賛
フラワーカンパニーズ
マカロニえんぴつ
Jack White
GANG PARADE × RED in BLUE
挫・人間
04 Limited Sazabys × WurtS
伊東歌詞太郎
Wisteria
大橋ちっぽけ
- 2025.03.14
-
HY × Anly
yama
GLIM SPANKY
サカナクション
マカロニえんぴつ
OKAMOTO'S
SCANDAL
荒谷翔大 × 鈴木真海子(chelmico)
NOT WONK
おいしくるメロンパン
FUNKIST
THE YELLOW MONKEY
カメレオン・ライム・ウーピーパイ
伊東歌詞太郎
緑黄色社会
- 2025.03.15
-
HY / LiSA / BURNOUT SYNDROMES ほか
MAN WITH A MISSION
SCANDAL
フラワーカンパニーズ
サカナクション
さとうもか
GLIM SPANKY
sumika
リアクション ザ ブッタ
OKAMOTO'S
Kroi × BREIMEN
THE ORAL CIGARETTES
Re:name
BRADIO
This is LAST / NEE / シンガーズハイ ほか
Hump Back / ヨネダ2000
FUNKIST
East Of Eden
NOT WONK
moon drop
原因は自分にある。
kobore
GRAPEVINE
ExWHYZ / Tani Yuuki / cross-dominance
INORAN
LEGO BIG MORL
藍坊主
ジュウ
ぜんぶ君のせいだ。× TOKYOてふてふ
ラックライフ
Galileo Galilei
キタニタツヤ
"DreamARK presents 『D-FES』"
TENDOUJI
Jack White
- 2025.03.16
-
HY / SUPER BEAVER / Saucy Dog ほか
フラワーカンパニーズ
さとうもか
"machioto2025"
sumika
ヒトリエ
OKAMOTO'S
TENDRE / Chilli Beans. / iri
ビレッジマンズストア
GANG PARADE × BiTE A SHOCK
ズーカラデル
PIGGS
East Of Eden
礼賛
FUNKIST
原因は自分にある。
osage
Appare!
AIRFLIP
ぜんぶ君のせいだ。× TOKYOてふてふ
moon drop
JYOCHO
ART-SCHOOL
a flood of circle
キタニタツヤ
w.o.d.
THE BACK HORN
RELEASE INFO
- 2025.03.04
- 2025.03.05
- 2025.03.06
- 2025.03.07
- 2025.03.12
- 2025.03.14
- 2025.03.19
- 2025.03.26
- 2025.03.28
- 2025.04.01
- 2025.04.02
- 2025.04.04
- 2025.04.09
- 2025.04.11
- 2025.04.15
- 2025.04.16
FREE MAGAZINE
-
Cover Artists
フラワーカンパニーズ
Skream! 2025年02月号