Japanese
2025年09月号掲載
ランチブレイク
Member:クソトングいのうえ(Vo/Gt) 小松 チホコ(Vo/Gt) misaki(Vo/Key) すみれスミス(Ba) 船橋"ロリス"孝太郎(Dr)
Interviewer:山口 哲生
札幌発、進化したポップをドラマチックに体現する5人組 ランチブレイクが、3rdフル・アルバム『ナイスに恋して』を完成させた。前作『この街って天国』から約4年ぶりとなる本作には、サウンド・プロデューサーとしてカメダタク(オワリカラ/YOMOYA)を招聘。万人の耳と心にするりと入り込むキャッチーさはありながらも、どこかオルタナティヴな香りが漂う独自のポップ・センスをじっくりと突き詰め、凝縮させた一枚に仕上がっている。自信作について5人に話を訊いた。
-約4年ぶりのフル・アルバム『ナイスに恋して』、しっかりとポップなんだけどオルタナティヴな空気があって、楽しく聴かせていただきました。まずは完成した今の手応えや、前作からここまでの期間を振り返ってみて感じることをお聞きできればと思っています。
いのうえ:前のアルバムを出したのが2021年だったんですけど、勢いのまま2022年には次作を発売しようと思って猛烈に曲作りをしていたんです。そのときに8曲ぐらい作って、すぐにアルバムにできるかなと思ったんですけど、もっといいものにしようという気持ちがどんどん高まっていって。アルバムに入ってない曲を含めて15、16曲ぐらい作った中から、今回は11曲という形になったので、手応えとしては非常にありますね。余力がありながらの11曲というイメージがあります。
-最初の1年間で作った8曲の中で、本作に収録されている曲というと?
いのうえ:「ミントコンディション(In Love with NICE Things)」、「愚直(In Love with NICE Things)」、「いいのいいの」、「暁鐘は鳴る」はそのタイミングで土台を作ってそのまま入っている曲です。「海岸の瓶」もそのときに作ったんですけど、だいぶこねくり回していて。だから4.5曲みたいな感じですね。残りの曲は、この3年間で作ってブラッシュアップしていきました。
-いつもアレンジをしていくなかで結構変わります?
いのうえ:いや、今まであんまり変わらなかったんですけど、今回は結構練りました。どういうふうに届けるか? ってところで、かなりこねくり回した感じはありますね。
-今回はサウンド・プロデューサーにカメダタク(オワリカラ/YOMOYA/Key)さんを迎えられたわけですが、"こねくり回した"というのは、カメダさんと一緒に作業していくなかで、そんな感じになっていったと。
いのうえ:そうですね。カメダさんは東京なので遠隔ではありますけど、こっちで下地を作ったものをお送りして、返ってきて、アドバイスを貰いながらまたこっちで作業をして、確認してもらいながらっていう作り方が多かったです。ただ、誰に言われたわけでもないんですけど、今回期限を結構厳しく設定したんですよ。この日までに作業して録音しようというのを結構縛ってやっていたので、それがちょっとしんどくて(苦笑)。衝突するまではいかないですけど、結構話し合いはしてましたね。
-小松さんはいかがです? 完成させた手応えや、この4年間を思い返すとどんな時間だったと思いますか?
小松:みんなでこねくり回す時間は結構楽しかったので(笑)、僕的にはいい思い出だったんですけど。ただ、僕といのうえが分担してそれぞれ作曲をしているんですけど、僕は作曲段階でなかなか難航しちゃって。産みの苦しみって言うんですかね、偉そうに言うと(笑)。2曲目の「バカと自由」とかは、結構ハッピーで楽しい曲なんですけど、作っているときはなかなかできずに落ち込みながら作ってましたね。
-どの部分がそんなに引っ掛かってしまったんですか?
小松:もっとキャッチーなものができるはずだとか、もっといいメロディがあるはずだとか、そういうことを考え出すとやっぱりキリがなくて。このアルバムに懸けたいという気持ちがすごくあったから、それに相応しい一曲をって気持ちで作り始めると、自分の中で合格点を出すまでがなかなか結構大変でした。
-今お話しされた"このアルバムに懸けたい"というモチベーションは、バンド全体で共有しながら進めていたと。
小松:そうですね。去年の2月とか3月ぐらいに、いのうえと"このアルバムを形にしたい"という話し合いをして、じゃあ今はこういう曲があるから、最高のアルバムを作るにあたってこんな雰囲気の曲があったらいいねとか、ここまでに曲を作ろうとか、話し合いを結構計画的に進めて。全て計画通りに行ったわけじゃないんですけど、そういうふうに気持ちを作っていきました。
-となると、2022年にアルバムを出そうと思っていたときと、最終的にできあがったものとで、構想に結構差があるんですか?
小松:去年の初めに話し合った段階からは、ゴールに向かってちゃんと階段を登っていけた感じはあるんですけど、前作を出した後の気持ちとは結構違うかもしれないですね。
いのうえ:2022年の頃は、とにかく出てきたものを全部形にしようという感じでやっていたんですけど、そこから自分たちが成長したなと思うところもあって。アレンジ面についてが多いんですけど、なんでも詰め込むんじゃなくて、自分たちの伝えたいものを狙ってやっていけるようになったのは、この4年間の成長かなと感じてます。
-2024年のタイミングで決めたアルバムの方向性みたいなものって、言語化するとどんなものなんですか?
いのうえ:僕と小松の間の話ですけど、全方位に向かうようなものというか、ポップを主軸にしながらっていう感じですね。
小松:オルタナに振っちゃってた曲が多い時期もあったんですけど、そっちに寄りすぎず、あくまでポップっていう着地点を目標に。でも、自分たちのやりたいことは詰め込んでいきたいよね? みたいな。
いのうえ:うん。そこが基本線でした。
-まさにそういう作品になってますね。ポップだけどオルタナティヴって。
いのうえ:なので、冒頭の言葉が一番嬉しい感想ではありますね(笑)。
-良かったです(笑)。misakiさんは、本作の手応えや、前作から本作までの期間を振り返ってみてどんな感覚がありますか?
misaki:当初よりも時間がかかったんですけども、最初に取り掛かった2022年から比べると、メンバー同士の話し合いとか、こういう曲を作りたいねみたいな共有がかなりできるようになったのが、私の中では一番良かったなと思うことですね。
-メンバー間でアレンジを詰めていくなかで、印象に残っている楽曲を挙げるとするとどれですか?
misaki:「あの街って天国」に取り掛かったときに、どういうイメージにするかとか、どんな風景なのかとかを作曲者のいのうえからかなりしっかり聞いて。自分もそれを理解することができたし、ちゃんと音に出せたなっていうところが一番印象に残ってます。
-「あの街って天国」についてですが、前アルバムのタイトルが"この街って天国"でしたよね。
いのうえ:『この街って天国』はコロナ禍に作っていて、アルバム全体として札幌を大事にしていこうぜみたいな感じだったんですけど。今回のアルバムを作るときに、カメダさんやエンジニアさんと話をしていて、"北海道のバンドだから北海道の曲を聴きたいな"というオーダーがあったのと、自分としても取り組みたいなと思って。札幌以外の道内にも僕等のことを愛してくれたり、イベントがあったら呼んでくれたり、いつも気に掛けてくれている人たちがいるので、そういう皆さんに向けて、最終的にこのタイトルにしました。
-サウンド的には音響系といいますか。ポストロックな感じで、景色もすごく浮かんでくるんですが、これがいのうえさんの思う北海道の風景だと。
いのうえ:そうですね。雪の美しい部分も怖い部分も全部入れてもらっていて。そこはmisakiさんにオーダーしてやってくれた部分だなと思います。
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