Japanese
Laughing Hick
2023年11月号掲載
Member:ホリウチコウタ(Vo/Gt) たいち(Dr) あかり(Ba)
Interviewer:藤坂 綾
自分で聴いて泣いちゃうくらい、自分のことをちゃんと書けてるなって
-「さよなら恋人、おかえり恋心」はいつ頃作られたんでしょうか。
あかり:「さよなら(恋人、おかえり恋心)」は去年の10月頃にデモを上げてもらったのかな。
ホリウチ:そうだね。この曲は、ある程度年齢を重ねていくと、みんな恋をするじゃないですか。いろんな人を好きになって、足が速いからとか、顔がいいからとか、面白いから、優しいから、お金あるからとか(笑)。
あかり:あるある、恋する理由はいろいろありますよね(笑)。
ホリウチ:きっかけはどうであれ、人を好きになって、その恋が実ったとして、その人といろんな経験をして、でもいつか別れるっていうことを繰り返すなかで、"好きってなんだっけ?"っていう感情と出会ったタイミングがあって。好きな子がいても全然満たされなくて、好きっていう感情がなくなってしまったのかなって思いながら何年か過ごしたとき、ある日突然の出会いがあって、それはほんとに頭や理屈で考えるんじゃなくて、"あ、これが「好き」か"って感覚的なものを思い出したときがあったんです。でも結局その人もいなくなって、その恋が終わろうとしてて、また恋できるのかなって、そういう夜を切り取って書きました。恋人とはさよならだけど、これが恋心だったよなということで、"さよなら恋人、おかえり恋心"。
-なるほど、素晴らしいタイトルです。好きって感情がわからなくなることって結構多くの人が体験することだと思うので、これは共感する方も多いんじゃないでしょうか。
あかり:私は好きってなんだろうとか考えると、"もういいや、めんどくさい! 好きって何? 何なの?"ってどうでも良くなるタイプなんですけど(笑)、誰かを好きになってその人を失ったときのダメージとか、誰かを好きになったときにまたこんな想いをするなら、とかで1歩を踏み出せない気持ちはすごくよくわかるので、この曲を聴くとやっぱり共感しちゃいますね。
たいち:この曲は「モノクロ(セカイ)」とは違う淡々さがあって、そこも好きですね。メッセージ性が強いのでドラムはビートを主体にして、あえてガッといかないというところを意識したんですけど、メロディもすごくいいし、歌詞も共感できるし、みんなにも共感してもらえるんじゃないかっていう期待がありますね。
あかり:去年デモを貰ったときから大好きで、最初ワンコーラスしかなかったから早くフル作ってよって、私が聴きたくて催促してたくらいなんですよ。うちのバンドは中高生、Z世代が多く聴いてくれているから、恋をしだす年頃でもあるし、そうやって恋をして失恋も経験するなかで、この曲も寄り添える曲になったらいいなという想いが強くて。ひとりで考え込んでしまう夜、この曲を聴いてここにも味方がいてくれたって思ってもらえたら嬉しいです。
ホリウチ:Laughing Hickはミドル・バラードがすごくいいんで、得意な曲をこうやってリリースできて嬉しいですね。
あかり:メロと歌詞がマッチしすぎて、グッときちゃうよね。
ホリウチ:失恋の曲でバラードすぎるのは嫌だったし、暗すぎるのも嫌だったから、ちゃんとバラードなんだけど悲しすぎず、でもサビは泣いちゃうメロディでっていうアンニュイなバランスでサウンドも作れたし、淡々と物語が進んで、サビがきて、また淡々として、"どうか日曜日よ 連れて行かないで"の歌い方を力強くするところも上手くいったし、最後半音転調するんですけど、そこからラストに持っていくところもすごくいいなって。個人的に、この曲ができてから失恋をしたんですけど(笑)、そのとき自分で聴いて、泣いちゃうくらいだったんですよ。
-あー、それはすごくいい曲が書けたっていうことですよね。
ホリウチ:そうですね。それくらい自分のことをちゃんと書けてるなって。夜ってすごく孤独だけど、自分は音楽に助けられてきたし、失恋ソングに支えてもらったからこそ、どうしようもない夜、消えてしまいたい夜、夜という孤独なときに"わかってるよ、味方がいるよ"って、そういう曲にしたかったんです。
-この曲もそうですし、ライヴもそうですけど、これまでよりも聴く人に寄り添いたいっていう想いがより強くなってるような気がします。
たいち:自分がLaughing Hickの一番のファンだと思っていて、自分自身も支えられることが多かったぶん、聴いてくれる人も支えたいなって常に思ってるし、寄り添いたいっていう気持ちも常に忘れないでいたいなと思います。
あかり:私メンタル弱めなんで、自分が頑張れてるのってお客さんがいてくれるからで、自分が寄り添ってもらってるからなんですよね。だから1歩勇気が出せるのであって、だから自分が貰ってるぶんもっともっと返したいし、支えたいし、ずっと支え合っていければなって、勝手にそう思ってるんです。お客さんとはそういう関係をずっと築いていけたらなって、そういうマインドでやってるし、これからもやっていきます。
-そのお客さんとのやりとりが楽しみな東名阪の対バン・ツアー[Laughing Hick LIVE TOUR 2023 "さよなら恋人、おかえり恋心"]がありますね。
ホリウチ:ツアー自体久しぶりなんですけど、最初に地方行ったときなんて5人とかだし、ひどいときはバーカンしかいなくて(笑)。そういうこともあったから、ツアーを3ヶ所回れてしかもソールド・アウトって、それは当たり前じゃないから、しっかり噛みしめて伝えていきたいです。対バンも、失恋してつらい夜、寂しかった夜に支えてもらった曲を歌ってくれるバンドに声を掛けてるので、そのバンドたちと、失恋の曲でセンチメンタルに浸りたいと思います(笑)。
あかり:私は、バンド人生通して初めてのツアーなんですよ。初めてのツアーで全箇所ソールド・アウトってなかなかないことだと思うので、恵まれてると思うし、ありがたいですよね。その土地のLaughing Hickが好きな人と楽しめることも嬉しいし、対バンには大好きなバンドさんを呼んでるので、最高な3日間になるんだろうなと思います。
たいち:いろんなところでライヴはしてたんですけど、ツアーは久しぶりだし、自分たちの曲を連れて東名阪を回らせてもらって、さらには全箇所ソールド・アウトっていうのは嬉しいし、好きな対バンを呼んで一緒に作っていくという意味では前回のツアー("DOPAMINE Tour")とはまったくの別物だし、あかりが加入してパワーアップしたLaughing Hickを全部出し切れたらなと思ってます。
-そして、来年は初ワンマンもあります。人生に一度きりの初ワンマン、どんなものにしたいですか。
ホリウチ:渋谷WWW Xというライヴを観に行ったことしかないライヴハウスで、そこが埋まるのかという緊張感もあります。3年前に初めて"MINAMI WHEEL"に出たときにその会場が入場規制になったんですけど、地に足がついてなくて、届けられなかったっていう想いがあるんです。それがすごく残ってて。これまでで最大のキャパで、新しい曲を携えての初ワンマンなので、しっかりと地に足をつけて、自分たちが届けたいものをちゃんと届けられるよう、浮足立たないライヴにしたいです。
たいち:"人生で一度きりだ、ワー"ってマジで実感してますけど(笑)、そこに対してめちゃめちゃわくわくもしてるし、ドキドキもしてるし、埋まるのかなっていう気持ちもあるなかで、ワンマンって自分らだけを目当てに来てくれるお客さんがいるってことだから、そこは絶対大事にしなきゃっていう気持ちは強くて。コウタも言ったように浮足立たないように、100パーセントぶつけて、100パーセントで会話したいなと意気込んでおります。
あかり:初めてのワンマン、Laughing Hickだけを観に来てくれるというのはやっぱり嬉しいことだし、もちろん埋まるかなっていう不安はあるけど、そこでいい再会をしたいです。"Voyager"からずっと企画を組んできて、お客さんとの分岐点もあって、お客さんがいてくれたからのワンマンだと思うんです。当日までいろんなことがあると思うし、お客さんもいろんなことがあると思うけど、初めてのワンマン、みんなで一緒に最高の夜、最高の景色にできたらなと思います。
ホリウチ:ワンマンのタイトルが"ダンデライオン"なんですけど、今まで各地でライヴをしながら撒いてきた種が、その日集結して花を咲かせて、また風に乗って各地でいろんな花を咲かせようって、そういう想いを込めたのと、ライオンはどうやら自信がないやつに吠えるらしいんです。幸せになることに限りを感じてるやつらに喝を入れるっていう意味もあるみたいなので、うちのリスナーの背中をWWW Xで押せたらなと思います。そういう気持ちを込めてライヴをしたいと思います。
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