門脇更紗

Japanese

2023年04月号掲載

流行りに流されず、自分の"好き"を突き止めながら、今っぽさを交えた曲を作っていきたい

－それと門脇さんの実際の友達にリンクさせていくときに、どういう気持ちがありました？

ライバルじゃないけど、やっぱりその子がいてくれたから。高校生の時代から、曲ができたらデモとかをその子に渡して聴かせていたりしたんですけど、感想は全部簡単な言葉しか言わないし、"いい"しか言わないし（笑）。全然否定とかはされたことはなかったけど、誰に貰うよりもその子に何か感想を貰うのが一番嬉しくて。その言葉がすごいパワーになっていたので、夢を描いている途中でその子をすごく必要としていたかなと思います。

－歌詞の中でこれは核心っていう部分はありますか？

"君のオチのないトークを／笑って聞くだけで／心が少し救われた夜もあったんだ"っていう、2コーラス目のAメロはすごくリンクさせた部分だなって思います。リアル（笑）。アニメというよりは私の日常とか、その子をすごくリンクさせて書いたところかなと。

－楽曲的にはどうですか？自然ではあるけどフックがあるし。

サビとかはちょっと難しくしようって思ったんです。ちょっと階段のように上がっていくメロディが特徴的になっています。全体的に言ったら、こういう明るい曲が春に出せるっていうのは個人的にすごく嬉しいなぁと思います。

－これからの季節、いろいろな変化もあるなかで聴いてもらうといいかもしれないですね。

そうですね。大切な人にお手紙代わりに渡してもらえるような1曲になってもいいなと思います。

－今回のアートワーク、いいスナップですね。

そうなんです。友達の手がいい感じに入っていて（笑）。

－ミュージック・ビデオも同じテイストですね。

そうですね。1日で撮影したんですけど、衣装を10着以上ぶん、着回しできるようにIKEAのデッカい袋ともうひとつ袋を持っていって。帽子とか小物類とかも全部持っていって、1～2ヶ月ぐらいの時間軸を描いているっていう感じですね。

－新鮮でした。友達と一緒にいるシチュエーションで。

いい表情が出ているんじゃないかなって思いますね。

－ところでライヴで、新たに何かやってみたいなぁっていうのはありますか？

この間初めてキーボードの方と同期を入れたりとかして、ふたりの編成でやったんですけど、バンド規模は毎回できないけど、そういったふたりの編成で、同期を全部入れるんじゃなくて、引き算して"これは入れる、入れない"って楽曲によって工夫したりするのがすごく楽しくて。なので、それをこれからもやっていきたいなぁっていうふうに思っています。

－どういうふうに進めていったんですか？

リハで"これはちょっと同期残したほうが。ベースはちょっと。ベースいないけど、変にカラオケみたいになっちゃうからそれは抜こう"とか、"いやここは残してたほうがいいな"とか相談しながらやっているんですけど、いつもの弾き語りのライヴより華やかになって、バンドよりは音数は少ないけど、すごく自分がやっていても楽しいって思えるライヴができたので、これからもそういう編成を見せられたらなぁって思ってます。

－今やってみたい新しい音楽のタイプやジャンル感はありますか？

アコースティックっぽい感じのイメージから少しかけ離れた楽曲をやってみたいなっていうのはありますね。

－洋楽では去年はレゲエとハウスが取り入れられてポピュラーになった印象がありますが。

そうですね。流行りの流れが速いので、流行りに乗りすぎず、自分の"好き"は突き詰めながら今っぽいものをうまく交えてやっていきたいなっていうふうに思います。

－「君がいるから」がリリースされたあと、初夏や夏の予定はどんな感じですか？

解禁されていないものもあるんですけど、春から夏にかけていろいろサーキット・フェスの予定も決まっているので、地方に行ったりとか楽しくなりそうだなって思っています。

－並行して、また新しい楽曲を作っていかれる感じですか？

はい。今制作を進めているので、楽しみにしていてもらえたら嬉しいです。