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INTERVIEW

Japanese

OKAMOTO'S

2023年02月号掲載

OKAMOTO'S

Member:オカモトショウ(Vo) オカモトコウキ(Gt) ハマ・オカモト(Ba) オカモトレイジ(Dr)

Interviewer:石角 友香

世にあってもおかしくないようなストレートな曲でしか見えないキャラクターとかってあるんだなと認識しましたね


-そして「Intro」は「Sugar」のイントロなんですか?

ショウ:これはもともとなかったんです。実はもともと"EPで良くない?"みたいなので作り始めたアルバムだったんですけど、6曲できてみたら29分ぐらいあって、"長いね"ってなったときに、いっそこういうことを1個加えて、30分ちょっと超えるぐらいのボリュームで7曲入ってるみたいにするのも良くない? って話になって。これはレイジさんのアイディアですね。

-この曲はイントロの概念として「Intro」っていう曲を入れたんですか?

レイジ:"どうする?"って話になって、これもいろんなパターンがあって。「Sugar」の前じゃなくてもよくね? みたいな話もあったんです。1曲目にあって2曲目で「Gimme Some Truth」とか、最後のほうに出てくるっていうパターンも挙がってて。でもやっぱりツアーのことを見越して考えると、これがSEで出てきて、楽器持って1曲目に「Sugar」やるみたいなのはいいんじゃんという話になって、じゃあここは繋げようかって感じになりましたね。

ショウ:あと、アルバムの途中でイントロってのがあるのってどうなの? みたいな話もあったんですよ。

レイジ:スキットにしてもいいわけですよ。インタールードにしても。

ショウ:そうそう。なんか"イントロで良くない?"みたいな。総じてこのアルバムはね、 いっぱい考えちゃう前に決めていくみたいなのを大事にしてたんで(笑)。

-瞬発力っていうか。

ショウ:そうそう。前作は本当すごかったんですよ。たぶん3年ぐらい作り続けた曲も入ってたりして。まぁ煮詰めるだけ煮詰めるのが必要なタームだったんで良かったんですけど。今回はもっともっと無責任にやりましたね。

-そして「Sugar」、これもカッコいい曲を捻らずにやるカッコ良さかなって(笑)。

ショウ:そうですね、まさに。"そのままやるんだ"っていうね(笑)。前作の最後に「For You」ってのが入ってたんですけど、前作のツアーの(本編)最後にやってて。ツアーで回っていくなかで、散々捻ったり、自分たちのオリジナリティってなんだろうとか、この時代にバンドでどういう音を作るか、2021年、2022年のロック・バンドの音って何? とかをずっと考えながらやってたりして、挙句最後「For You」みたいな曲をさらっとやったとき、要は別に世にあってもおかしくないようなストレートな曲をやった時に、普遍的な曲であればあるほど、歌ってる俺のキャラが出てるような気がしたんです。だからOKAMOTO'Sらしさとかを考えたときのリフよりも、普通の曲を普通に歌ったときのほうが目立つというか、着てる服が派手だと中の人がその服込みで派手に見えるけど、Tシャツにデニムだと中の人の色がもっと出るみたいな感じっていうか、服着てんのに裸みたいな感じがして(笑)。「Sugar」はその経験を経て、"そういう良さってあるよね"とか、"そういうときにしか見えないキャラクターとかってあるんだな"と改めて認識したうえで作りましたね。

-そういう経緯を経てなんですね。

ショウ:だからなるだけ余計なことをしない、でもいいなと思えるようなアレンジっていうのをやりました。OKAMOTO'Sはコウキさん以外全員OASISを実は通ってないんですけど、ストレートなロックと言えばOASISでしょうって、初めてOASISを4人でレコーディング・スタジオでコピーしてから、「Sugar」を録るみたいな。

コウキ:みんなLiam(Gallagher)もNoel(Gallagher)もそんなに違いがわかりません。

ショウ:すごく普通だからあんまり聴いてこなかったんですよね。聴いても"普通だなぁ"っていう気持ちにしかならなかった。

レイジ:サポートで(Zak)Starkeyがいたっていうのは知ってましたけど。

-そっちですか(笑)。こういう楽曲をやるバンドはいっぱいいるけど、音が良くなかったりとかして。音が良くないと腹の底からカッコいいっていう感じにならないじゃないですか。

ハマ:そうですね。キラキラした音でやられるとちょっときついものがありますよね。

-OKAMOTO'Sの説得力は演奏力もなんですけど、きっと音ですね。

ハマ:意外と初めて3拍子をやって。なかなか簡単にやれるもんじゃないみたいなハードルもちょっとあったんですけどね。うまいことやれて良かったです。シンプルこそ難しいので。ずっと斜に構えて通ってなかったぶん、"やれるかな?"っていうのがあったんですけど。

ショウ:みんな楽器うまいんだなと思ったもん。ライヴでやるのに俺はアコギ弾きたいなと思って弾いてるんですけど、3拍子になっただけでめちゃくちゃ難しいですもんね。OKAMOTO'Sみんな上手なんだなぁと思って感心してます(笑)。

コウキ:数年前はできなかったような感じですね。

ショウ:でもそうだと思う。"つまんない"もあったかもしれないし、今ようやくその振り子が逆に触れるときだからできていることな気はしてますね。でも良かった。これを聴いて"バンドだな"とか、"音がカッコいい"とかって思ってもらえるのはかなり嬉しいですね。

-そして「Last Number」は一番驚きましたね。

レイジ:驚きましたか? どういう驚きでしたか?

-ポップ・チューンっていうか、日本のロック・バンドのポップ・チューンの王道、みたいな。

ハマ:今まで洋楽の側面が多かったからってことですよね。

-そう思います。すごく歌を聴かせるオケでもあるなと思うので。

ショウ:うんうん、そうっすね。

レイジ:これももう全部俺が作った状態でショウに送って、歌とメロをつけてもらって。Dメロだけはコウキがつけ足してくれました。

ショウ:ほんとに同じコードのループで曲を書くことないんで、結構時間はかかりましたね。

レイジ:今日取材受けた人みんなが違う印象を持ってて面白い。最初の人は"もろストーンズ(THE ROLLING STONES)ですね"、ふたり目が"PRIMAL SCREAMですね"、で、やっと"日本のロック・バンドの王道のポップですね"って話になって。でも全部狙ってたんです。

-全部狙ってたんですね(笑)。

レイジ:全部の要素を入れてたんです。

-バンドを続けていくうえでの力の抜き方をすごく感じました。

ハマ:実際抜いたほうが作品の中でウケるんですよね。僕ら合間で作ったものとかのほうが、傾向的に支持率が高かったりするんで、力が抜けてるっていうのは良かったなと思います。

-無意識でも力が入っちゃう期間があったから。

コウキ:カチカチでしたよ、もう5年ぐらいずっと。

ショウ:あと時代もちょっと変わり出してる感じがして。まだ変わったって感じもないですけど、"あぁ、みんないろんなことに飽きてんな"みたいな。どうでもいい、飽きちゃったけど次がないな、みたいな感じですかね。だからこういうときは思ったままを緩くやるみたいなのもいいかもなぁって。で、EPっぽいタイミングで実験すると結構その次に繋がったりするんで。

-そう思います。こういうときに無理矢理次の機運とかトレンドとか探しても仕方ない気がするので。

ショウ:そうそう。たまたま選ばれた人が次のそこになったりすることはもちろんありますけど、こういうときは好きなことをちゃんとやるのが大事だね。