Japanese
小林太郎
2022年02月号掲載
Interviewer:吉羽 さおり
聴いている人の強い味方になれればとより思えた
-改めて、10年前の自分が映ったこの曲をどう感じていますか。
まず歌詞が少ないですよね(笑)。
-これはもとから英語詞だったんですか。
そうです。当時は高校生でNIRVANAとかが大好きで。NIRVANAの歌詞カードを読んでいくと、例えば2コーラス分の構成があったら、その分の歌詞があるはずじゃないですか。NIRVANAはないんですよね。
-繰り返しですよね(笑)。
あ、これでいいんだ! っていう。そういう衝撃を受けたことを、そのまま曲に当てはめたものだったんです(笑)。当時はもちろんコロナによる孤独感ではなくて、高校を途中でやめて音楽に集中していくなかで感じていた孤独感──高校の友達は学生生活を楽しんでいるけれど、自分はそうじゃないわけで。そういう孤独感がそのまま出た曲だなと思いますね。
-スプリットEP『ESCAPE』でのコラボレーションに続いて、今回のレコーディングもアカバナのみなさんとの制作になっているんですか。
結構、バラバラではありましたね。「sickness」はアカバナにレコーディングでお世話になったんですが、曲によっては、アカバナ経由で紹介してもらったアレンジャーさんにお願いをしているとかもあって、近年稀に見るバリエーションかもしれないです。
-それもあっての、幅広いサウンドの広がりもあるんでしょうか。
これまでは、アルバムを作るタイミングでガーッと曲を書いて、レコーディングすることが多かったので。一本筋が通ったような感じがあったんですけど。今回はいろんな予定変更などもあって、以前にリリースしたものが収録されているのが一番多いアルバムじゃないかなと思いますね。今回もこれまでと同じようなマインドでは作っていたけど、アルバムとして成り立つのかなというのは正直ありました(笑)。ただ、こういうアルバムを作ろうと意識して作った「骨伝導」で悩みながらも前を向いて歩き始めて、いろんな曲があって、最後に「踏み出す一歩目」がきて、絶対に後ろ向きにならないストーリーになるのがとてもいいなと思ったし、この2曲があれば揺らがない作品になるなとは思いましたね。
-6曲目にインスト曲「天滴-interlude-」がきて、この曲を境にアルバムの雰囲気が変わる感じもありますね。流れとしてイメージしたことはありますか。
フル・アルバムでインタールード、インスト曲を挟むことが多いんですけど、今回の「天滴-interlude-」はそこまでの前向きでガツガツした激しいエネルギーを、この曲でガラッと変える役割があるというか。そのあとに続くのが「sickness」なんですけど。「天滴-interlude-」でそこまでの一心不乱なテンションをいったん落ち着かせて、「sickness」で始まる、それまで省みていなかった心の負担だったり、自分の疲れだったりにも目を向けるような流れにしたかったんですよね。これまでのインタールードやインスト曲の位置づけとは違う意味合いがあります。サウンドも日本的で凛とした、そぎ落とされたリセットする感覚があって。
-一方、激しい曲のほうにも触れたいのですが、1曲目の「骨伝導」に続く「Burst」がアグレッシヴなロック・チューンで、低音でひずみのあるヴォーカルを聴かせているのもインパクトがありました。
「Burst」は苛立ちみたいなものを思い切りぶつけている曲ですね。音的にはミクスチャーっぽい感じです。前向きなものにとは思いつつも、例えば外出できないとか、その状況って非常に大変なことだし、めちゃくちゃ鬱憤がたまるもので。普段の生活で言えば僕はおうち大好き人間なので、外出できない苛立ちはあまりなかったと言えばなかったですけど、音楽活動はしづらくなった面がありましたしね。「骨伝導」で、いろいろあるけれど、踏ん切りをつけて前向きに進んでいこうというその次は、溜まった鬱憤を晴らそうってことでした(笑)。ロックやパンクの役目ってなんだって言ったら、やっぱり攻撃的なまでの発散だと思うんですね。今はライヴで声を出せないけれど、これまでのロック・バンドのライヴで叫んだり、暴れ倒したりして、何をしているかって言ったら発散なんですよ。それを街中でやったら捕まっちゃうし。エネルギーをマイナスなほうに向けてしまうと誰かと喧嘩しちゃうとか、トラブルになってしまうけれど、音楽はそれをポジティヴに変えてくれるもので。そのロックの力である、力技でネガティヴをポジティヴに変えることをやりたかった曲ですね。
-こういう曲こそ今ライヴで聴きたい。
そうですね、アルバムのリリース・タイミングではまだまだ、予断を許さないところではあるんですけど。ライヴで、これで叫びたいとか、身体を動かしたいと思ってくれれば非常に嬉しいですね。
-そういう「Burst」や「GAMING SHOUT」のヘヴィさとは違う、「六速」の爽快なギター・ロックもまたいいですね。
これも実は10年前くらいからあった曲なんです。音だけでなく歌詞も含めて1コーラス分くらいあって、アレンジもほぼこの方向性で。爽快感があるというか、清涼飲料水が似合うような曲です。
-これまでの小林さんのロックではガタイのいいバイクのイメージがあったと思いますが、この曲は自転車なんですよね(笑)。その爽やかさがいいなっていう。
そういう幼さと爽快感とが合わさった曲ですね(笑)。それが「Burst」とか「ドラゴンキリング」とかゴリゴリな暑苦しい曲が並ぶ前半で、いい風を送ってくれそうだなと。
-幅広いサウンドになっていますが、この曲はアレンジなどを試しながら変わっていた曲だなとか、面白いものになったなという曲はありますか。
変わっていったという意味では、「伝波」ですね。以前からよくツイキャスをしていたんですけど、コロナ禍でライヴができなくなったときにツイキャスが発信できる場所になって。カバー曲や自分の曲の弾き語りをしていたんですけど、ツイキャス中に何か曲を作ってみようと思い立ったんです。ちょうどアルバムを作っているタイミングだったから、この曲がアルバムに入りますよってなったら面白いかなって。何も考えずにツイキャスで言っちゃったんですよね(笑)。ツイキャスで作るものだったので、せっかくだからツイキャスを意識した曲にしようというので、冒頭の歌詞"触れそうで でも触れなくて/歌声くらいなら 届きそうな夜だ"はツイキャスをイメージした2行です。
-そういう背景があった曲だったんですね。
10年前や20年前では考えられないくらい、コメントがすぐに反映されて、それを読んで会話しているような感覚があるんですよね。歌ったり、いろんなコメントを読んだり、近況報告をしたり、些細なことなんですけど、それが見ている人の活力になったりすればいいなというのもあるし、僕自身もそれがあるのとないのとでは全然違って。ライヴでしかコミュニケーションが取れなかったものがツイキャスやSNS、配信とかもあって、今のコミュニケーション・ツールってすごくありがたい面もあるなと。それを使って、前向きな感情や愛情みたいなものを「伝波」で表現したいなという感じでした。
-様々なドラマが詰まっているアルバムですが、"合法"というタイトルはいつぐらいから頭にあったんですか。
アルバムの方向性をガラッと変えたときに、今回の前向きさやロックの力強さが伝れる言葉がいいなと思って、いくつか考えていたタイトルがあって。実は他のタイトルでずっと進めていたんです。ただ、そのタイトルだと響きはいいんですけど今ひとつ尖った印象がつけづらいなと思っていて。他に何かないかと思ったとき、"合法"っていう言葉が出てきたんですよね。よくニュースとかで脱法○○とかが出てきて、脱法って聞くと違法なんじゃないか、ダメなんじゃないかというイメージを抱くけれど。じゃあ逆の意味の合法だったらどうだろうと思ったとき、この合法ってのもちょっとまた違法っぽいなというか(笑)。
-あえて、"合法"って言う、そんな印象はありますよね(笑)。
自分の生活する範囲に違法なものなんてないわけだから、あえて合法なんて言わなくてもすべて合法なわけで(笑)。それをあえて"合法"って言うと、ちょっといかがわしいのかな? っていう感じもあって、それは僕が狙っていた尖り方に近いなと思ったんです。前向きですよ、ポジティヴな気持ちになってほしい、と言いながら2曲目の「Burst」でいきなり、"舐め腐ったボケが邪魔しくさって"とか言っちゃうような感じもあって。
-「Burst」での話じゃないですが、合法的にタガを外して遊べる、発散できるのもロック・ミュージックだからこそで。またこの"ごうほう"という響きと今作の内容から、"号砲"とも結びつくなとも感じましたね。ここからまた始まる合図、そういうパワーがあるアルバムというイメージも感じました。リリース以降、この2022年のヴィジョンとして思い描いていることはありますか。
一昨年、昨年とより状況が大変だったこともあってライヴの予定が組めなかったんですけど、今年は規模感やスケジュールはひとまず置いておいて、ライヴハウスでのライヴはしたいと思っていますね。今年はやる前提で考えています。今回の『合法』で聴いている人の強い味方になれればとより思えたので。ライヴはもちろん、SNSや配信など、ファンの人と交流したり情報を発信したりできる場を増やしていきたいのもありますね。
LIVE INFO
- 2025.02.22
-
ビレッジマンズストア
おいしくるメロンパン
四星球
kobore
Vaundy
リアクション ザ ブッタ
OKAMOTO'S
ラックライフ
SILENT SIREN
osage
くるり
WtB
大原櫻子
MYTH & ROID
ぜんぶ君のせいだ。× TOKYOてふてふ
映秀。
THE BACK HORN
tacica
Aimer
MAN WITH A MISSION
ザ・ダービーズ
"ブクロック!フェスティバル2025"
4s4ki
go!go!vanillas
Appare!
さとうもか
THREE1989
eastern youth
片平里菜
DENIMS / 大黒摩季 / Ryu Matsuyama(O.A.)ほか
藍坊主
Czecho No Republic / YONA YONA WEEKENDERS / CHIANZ ほか
LEGO BIG MORL
wacci
アーバンギャルド
9mm Parabellum Bullet
- 2025.02.23
-
リアクション ザ ブッタ
Vaundy
ビレッジマンズストア
OKAMOTO'S
THE YELLOW MONKEY
Hedigan's
RAY×BELLRING少女ハート
w.o.d.
SCOOBIE DO
AIRFLIP
WtB
ぜんぶ君のせいだ。× TOKYOてふてふ
DIALOGUE+
moon drop
BIGMAMA
Czecho No Republic
GREEN DAY
tacica
Appare!
⾬模様のソラリス
阿部真央 / wacci / アルカラ ほか
コレサワ
片平里菜
- 2025.02.24
-
4s4ki
OKAMOTO'S
アイナ・ジ・エンド
ラックライフ
くるり
w.o.d.
SCOOBIE DO
Panorama Panama Town
女王蜂
moon drop
THE BACK HORN
kobore
WANIMA × MONGOL800
ぜんぶ君のせいだ。× TOKYOてふてふ
東京初期衝動
go!go!vanillas
Appare!
ZEDD
大原櫻子
SAKANAMON / 藍坊主 / SPRINGMAN / omeme tenten
KiSS KiSS × 豆柴の大群都内某所 a.k.a. MONSTERIDOL
SpecialThanks
フレデリック
"ブクロック!フェスティバル2025"
Nothing's Carved In Stone
indigo la End
tricot
- 2025.02.25
-
NEW ORDER
This is LAST / the shes gone / reGretGirl
THE ORAL CIGARETTES
GREEN DAY
サカナクション
秀吉
the paddles
- 2025.02.26
-
ZEDD
This is LAST / the shes gone / reGretGirl
UNISON SQUARE GARDEN
anewhite / 3markets[ ] / ガラクタ
TOOBOE × Chevon
ザ・シスターズハイ
GREEN DAY
米津玄師
サカナクション
- 2025.02.27
-
WANIMA × MONGOL800
片平里菜
マカロニえんぴつ
ザ・ダービーズ / THE NOiSE
UNISON SQUARE GARDEN
NOT WONK
SILENT SIREN
NEW ORDER
米津玄師
- 2025.02.28
-
miwa
WANIMA × MONGOL800
打首獄門同好会
FUNKIST
マカロニえんぴつ
GLIM SPANKY
そこに鳴る
ANABANTFULLS
ラックライフ
女王蜂
オレンジスパイニクラブ
Dear Chambers
礼賛
RAY
カズミナナ / Lay / sEina / 栞寧
- 2025.03.01
-
ストレイテナー
サカナクション
Vaundy
moon drop
ぜんぶ君のせいだ。× TOKYOてふてふ
片平里菜
THE BACK HORN
Czecho No Republic
4s4ki
FUNKIST
リアクション ザ ブッタ
tacica
miwa
藍坊主
TENDOUJI
This is LAST
バンドじゃないもん!MAXX NAKAYOSHI
w.o.d.
さとうもか
MAN WITH A MISSION
ザ・ダービーズ
osage
フラワーカンパニーズ
9mm Parabellum Bullet
PIGGS
Lym
YOGEE NEW WAVES
大原櫻子
"見放題東京2025"
映秀。
くるり
kobore
shallm
- 2025.03.02
-
ぜんぶ君のせいだ。× TOKYOてふてふ
Vaundy
サカナクション
moon drop
片平里菜
GLIM SPANKY
FUNKIST
猪狩翔一(tacica)
go!go!vanillas
秀吉
ゲスの極み乙女×ブランデー戦記
かすみん(おこさまぷれ~と。)
9mm Parabellum Bullet
さとうもか
MAN WITH A MISSION
藍坊主
WONK
w.o.d.
空白ごっこ × クレナズム × Hakubi
佐々木亮介(a flood of circle)/ 荒井岳史(the band apart)/ hotspring ほか
BRADIO
眉村ちあき
LACCO TOWER
Hedigan's
くるり
I Don't Like Mondays.
Halujio
フラワーカンパニーズ
センチミリメンタル
- 2025.03.04
-
片平里菜
三四少女
礼賛
輪廻 / マリンブルーデージー / CARAMEL CANDiD / サブマリンオルカ号
ZOCX
This is LAST / the shes gone / reGretGirl
サティフォ(ONIGAWARA)
- 2025.03.05
-
Apes
アイナ・ジ・エンド
Yogee New Waves
マカロニえんぴつ
Cody・Lee(李) / 浪漫革命 / SKRYU
SIX LOUNGE
UNISON SQUARE GARDEN
- 2025.03.06
-
片平里菜
Yogee New Waves
マリンブルーデージー
三浦透子
アイナ・ジ・エンド
a flood of circle
マカロニえんぴつ
荒谷翔大 × 鈴木真海子(chelmico)
SAKANAMON
UNISON SQUARE GARDEN
- 2025.03.07
-
フラワーカンパニーズ
四星球
THE YELLOW MONKEY
ビレッジマンズストア
kobore
礼賛
カメレオン・ライム・ウーピーパイ
SCANDAL
THE BACK HORN
OKAMOTO'S
w.o.d.
ズーカラデル
ザ・ダービーズ
YAJICO GIRL
リュックと添い寝ごはん
レイラ
- 2025.03.08
-
Lucky Kilimanjaro
never young beach
四星球
リアクション ザ ブッタ
a flood of circle
サカナクション
GRAPEVINE
SUPER BEAVER / 東京スカパラダイスオーケストラ / WurtS ほか
片平里菜
WONK
MAN WITH A MISSION
ぜんぶ君のせいだ。× TOKYOてふてふ
moon drop
礼賛
osage
GLIM SPANKY
秀吉
SCANDAL
おいしくるメロンパン
OKAMOTO'S
w.o.d.
mzsrz
BLUE ENCOUNT / 崎山蒼志 / CHiCO ほか
PIGGS
FINLANDS
sumika
緑黄色社会
Nornis
go!go!vanillas
Aimer
- 2025.03.09
-
さとうもか
四星球
a flood of circle
サカナクション
マカロニえんぴつ / Saucy Dog / ヤングスキニー ほか
osage
君島大空
yama
ぜんぶ君のせいだ。× TOKYOてふてふ
moon drop
KALMA
kobore
リアクション ザ ブッタ
4s4ki
THE BACK HORN
GLIM SPANKY
OKAMOTO'S
ズーカラデル
FUNKIST
Co shu Nie / 七海うらら ほか
FINLANDS
SCOOBIE DO
Base Ball Bear / 橋本絵莉子
miwa
藤巻亮太
go!go!vanillas
Aimer
RELEASE INFO
- 2025.02.25
- 2025.02.26
- 2025.02.27
- 2025.02.28
- 2025.03.01
- 2025.03.04
- 2025.03.05
- 2025.03.07
- 2025.03.12
- 2025.03.14
- 2025.03.19
- 2025.03.26
- 2025.03.28
- 2025.04.01
- 2025.04.02
- 2025.04.04
FREE MAGAZINE
-
Cover Artists
フラワーカンパニーズ
Skream! 2025年02月号