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INTERVIEW

Japanese

"BAYCAMP"(ATFIELD inc. 青木 勉氏×Awesome City Club)座談会

2021年05月号掲載

"BAYCAMP"(ATFIELD inc. 青木 勉氏×Awesome City Club)座談会

BAYCAMP実行委員会 代表/ATFIELD Inc.:青木 勉
Awesome City Club:atagi PORIN モリシー
インタビュアー:吉羽 さおり Photo by 上坂和也


"BAYCAMP"は集客力や知名度が戦闘力じゃない ライヴハウスで強いやつが一番盛り上がる(atagi)


-この10年でも、いろんな人の青春時代がそこにあるんですよね。その世代、その世代があの場所で経験したものを持っているというのが、イベントや、フェスの素晴らしさだと思います。

atagi:"BAYCAMP"は特に、バンド界隈のやつらが唯一遊べるフェスだなって思うんですよ。都内から気軽に行けるフェスだし、めちゃくちゃ楽しみにしている人が多いですからね。

青木:たしかに、バンドが行きやすくて、ちょうど観たいアーティストがいるのかもしれないですね。"友達が出た!"みたいなのもあって。

atagi:一番身近なシンデレラストーリーの場所なんですよね。例えば、渋谷や、下北沢でのサーキット・イベントは、みんなある程度経験しているんですよ。だけど、大きなイベントや、フェスに出演する最初のきっかけが"BAYCAMP"の人って、多いんじゃないかなと思うんですよね。あのときの高揚感はたまらないですから。だって、一番バンドが楽しいときだからね──今が楽しくないとかじゃないんだけど(笑)。これから何が起こるんだろうみたいなキラキラ感がある時期で。

PORIN:"超注目されてる!"みたいな感じになるんですよね。

atagi:何よりお客さんがいいんですよ。早耳な人、音楽に対して感度が高い人が必然的に集まっているし。

PORIN:音楽を本当に楽しんでいる感じがします。

-Awesome City Clubは毎年のように出演するなかで、イベントとしても自分たちとしても変わっていったところはありますか?

atagi:重たい話に聞こえるかもしれないですけど、昨年11月にやった"BAYCAMP 2020 10th Anniversary"に出たときに、完全に世代交代したなって思ったんですよ。そういうのを肌身で感じたのが初めてで。特に"BAYCAMP"というリアルな場で、僕らはその時々の、言ってみれば旬や、顔になる感じではなくなったんだなって身に染みてわかった部分があったし。でも、それはマイナスな意味だけではないんです。アーティストとしていろいろ考えさせられることもあるし、青木さんもきっとそれ込みで誘ってくれているんだろうなと思うと、胸にくるものがあるというか。素敵なイベントに呼んでもらえているんだなって思っていますね。

青木:Awesome City Clubは、バンドとしてはメンバーが脱退したり、激動の時期もあったと思うんですけど、新しい形で、音楽もちょっとずつ変わりながらパフォーマンスはどんどん良くなっているんですよね。それが一番、いいなと思うんですよ。いつの間にかPORINが前に出てきたなとか。

モリシー:そういう変化をちゃんとみなさんに見てもらっていますね。

青木:雰囲気がガラッと変わった瞬間もあったし、ちゃんとお客さんを掴んでいったし。最初は曲がおしゃれな感じでいいなっていうのがありましたけど、それがどんどん肉体的になっていく、いわゆる"バンド"が年々感じられて。いつの間にか、"BAYCAMP"になくてはならないバンドになったんですよね。

PORIN:今すごく嬉しいなと思うのが、お客さんがホームのように迎えてくれるんですよね。イベントだけど、ワンマン・ライヴをしている感覚になっていて。自由に、自分たちらしくパフォーマンスができるし、プラスアルファ発見もあるというか。

atagi:"BAYCAMP"って出ている出演者の力関係が他のフェスとは違うんです。さっきも話に出たけど、フェスって基本的には集客力や知名度が、いわば戦闘力みたいなものだと捉えられがちなんですけど。"BAYCAMP"は唯一と言っていいくらい、ライヴハウスで強いやつが一番盛り上がるんです。

青木:そうそう。

atagi:ライヴハウスで一番盛り上がってるやつらが、ちゃんとその年のハイライトになるみたいな。それはやっぱり独特だなと思う。だから、フェスでお客さんを集められる実力があるアーティストも、"BAYCAMP"に出ると、頑張らないとなっていう感じになるし。僕らも、決してホーム感だけではなくて、ちゃんとピリピリした緊張感や張りのある瞬間があって。それが"BAYCAMP"特有かもって思いますね。

モリシー:そういう"ライヴ感"がめちゃくちゃあるんだよね。

-[BAYCAMP2021 "DOORS"]もまさに、そういうライヴが観られそうですし、ラインナップも充実していて、楽しみですね。

青木:いつもだったらCLUB CITTA'でオールナイトでという形でやっているんですけど、今はオールナイトの開催はできないし、ソーシャル・ディスタンスを考えて、今回は5月22日にUSEN STUDIO COASTで開催することになったんです。もともとは2月にやる予定でブッキングしていたんですけど、日程が変更になったので、みなさんの都合もあるしラインナップもどうしても変更が出てくるじゃないですか。Awesome City Clubにはもちろん出てもらいたいなと思ってたんですけど、どのきっかけでオファーしていいかわからないまま、なんとなく打診はしていたんですよね。

atagi:で、そのまま、本決定になっていましたね(笑)。

モリシー:いつのまにか出演が決まってた。

青木:そうこうしているうちに、映画"花束みたいな恋をした"が公開されてどんどん話題になっていって。Awesome City Clubが出演しているのももちろん、言ってみれば、僕らのすごく身近なことや、カルチャーが描かれている作品が大ヒットして、そこにAwesome City Clubの曲「勿忘」の良さが相まってという、本当にいい売れ方になっていったなと思っていて──

モリシー:それはずっと"BAYCAMP"を続けてきた、青木さんの力もあると思いますよ。

PORIN:どんなときも私たちに輝く場所を用意して、応援してくれたので。

青木:だから、売れちゃうとオファーしづらくなるんですよねぇ。

モリシー:いやいや、そこは変わらずいてくれよ! 青木さん!

atagi:そこは、例えば、BUMP OF CHICKENがツアーの初日は絶対に千葉LOOKでやってたみたいに、恩義がある人たちとの信頼関係は続いていくものだと思うし。まぁ、気持ちとしては出たいですけどね──っていうのは冗談ですけど(笑)。

青木:はははは(笑)。これからも、Awesome City Clubにはオファーし続けますよ。

atagi:毎回出演させてもらえているのは本当にすごく嬉しいんですよ。

青木:じゃあ、トリやってもらおうかなぁ。

モリシー:この場で、そんな簡単に言わないでください(笑)。

EVENT INFORMATION
[BAYCAMP2021 "DOORS"]


5月22日(土)新木場USEN STUDIO COAST
OPEN 11:00 / START 12:00 / CLOSE 20:30(予定)
出演:
Awesome City Club / 崎山蒼志 / ドミコ / Helsinki Lambda Club / 羊文学 / NOT WONK / 東京初期衝動 / 時速36km / 岩崎優也 / さとうもか / 湧(Welcome act)
【DJ】
FREE THROW(弦先誠人 / 神啓文 / タイラダイスケ) / SHiN(TIPS) / judgeman / 片山翔太(BYE CHOOSE) / TOMMY(BOY) / 石毛 輝(the telephones/Yap!!!)
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