Skream! | 邦楽ロック・洋楽ロック ポータルサイト

MENU

INTERVIEW

Japanese

LOCAL CONNECT

2019年12月号掲載

LOCAL CONNECT

Member:ISATO(Vo) Daiki(Vo/Gt) まーきー(Gt) しゅうま(Ba) Natsuki(Dr)

Interviewer:秦 理絵

-もう少し詳しくアルバムの収録曲について聞かせてもらいたいんですけど、8曲目に収録されているピアノ・バラード「Letter...」がとてもいい曲です。

Daiki:これは完全にヴォーカルふたりが推してる曲ですね。ISATOは正直なので、歌録りをするときに覚えてる曲/覚えてない曲があるんですよ。

ISATO:あぁ(笑)。

Daiki:別に覚えてないから良くないっていうわけじゃなくて。たまにちゃんと歌える状態で僕の家に来るんです。それが今回では「Letter...」で、歌い終わったあとも"あぁ、ええわ"って言ったから、歌ってて気持ちいいんやろうなって思いましたね。

ISATO:これに関しては歌詞が"僕に歌ってくれ"と言わんばかりのものやったんです。"お母さん、ありがとう"っていう気持ちでデモを入れてたら、ひとりで泣きそうになったんですよ。前にいる彼(Daiki)の背中をぽんぽんって叩いて、"アルバムに入って良かったな"って話したんですよね。

-両親への感謝を伝える楽曲って、人生で何度も書くものじゃないと思いますけど、どうしてこのタイミングで書こうと思ったんですか?

Daiki:メジャーを抜けるときも両親が親身に話を聞いてくれてたんです。"お前がそれを信じてるんやったらやってもいいんじゃない?"って言ってくれて。それに対する感謝を込めるタイミングは今なんかなっていう。本当は売れてからとか、でっかいところでやるようになってからこういう曲を作ることが、憧れではあったんですけど、たぶん今ここで伝えへんかったら、もう伝えられるタイミングはないかもしれないと思ったんです。

-なるほど。

Daiki:あと、これをISATOに歌ってほしいと思うのは、彼はすごく家族を大事にしてるからなんですよ。それは中学校のときからなんですけど。自分が親に感謝を伝えたいと思ったときに、普段からそれを実践してる彼に歌ってもらうっていうのは一番大きかったと思います。僕が歌ってほしいと思う通りの歌を聴けて泣きそうでしたね。

-この曲は"あなたの愛を今日も僕は歩いているよ"というフレーズが肝ですよね。

Daiki:本当に助けてもらいっぱなしですからね。これだけ愛されてないとバンドなんてやらせてもらえへんよなっていうところもあったし。"この年まで音楽をやってて、あんた大丈夫なん?"とか言われたことがないんですよ。それってすごいことやなって思うんです。俺はこの人らが敷いてくれた愛情の上を歩いてんのやなっていうのが、この歌ですね。

-同じく"愛"というところでは、1曲目の「ストーリー」でも"愛を今日も生きてる"って歌ってますね。作詞はISATOさんですけども。

ISATO:これは、Daikiの家に行くときに道で身体障がい者の方とすれ違ったんですよ。それは別に珍しいことではないと思うんですけど、ふと......すごいパワーが飛んできたんです。めちゃめちゃ生きてるなって感じて、いきなりパーンと出てきたんですよ。

-メロディですか? 歌詞ですか?

ISATO:メロディですね。で、Daikiの家についてから、"愛が呼ぶ方へ"や"今ここから始まるストーリー"のところが出てきて、これを今歌いたいと思ったんです。僕は"愛"っていう言葉が好きで、その言葉を使うことを恥ずかしいと思わないから、ぼんぼん歌詞に使っちゃうんですけど(笑)、愛を持って接してくれる人が好きだし、自分も愛を持って接していきたいし、そういうハッピーな空間で生きたい。それをストレートに歌った曲ですね。なんか24時間テレビみたいなテーマになってますけど(笑)、愛に包まれて死のうぜっていうのが根底にあるから、僕らしいテーマになったと思います。

-アルバムの最後に収録されているのが、疾走感溢れるピアノ・ロック「アンダーグラウンド」です。"命を燃やしていく"という力強いフレーズが印象的でした。

ISATO:この曲で終わるのは、満場一致やったよな。

Natsuki:そもそも、今回は曲順を決めるのがめちゃめちゃ早かったんですよ。みんなのLINEで"せーの!"で送ったんですけど、ほぼみんな一緒。

Daiki:最後にメッセージをちゃんと伝えたかったんでしょうね。

-今回歌詞を書くうえでは、寄り添うというよりも、聴く人が新しい一歩を踏み出すための力になれたらという想いが強かったそうですけど、「アンダーグラウンド」はまさにそういう立ち位置の曲じゃないですか?

Daiki:そうですね。今回は寄り添うっていう優しさがちゃんと強さとして出るアルバムにしたいと思ったんです。結局歩かなあかんのは自分自身だから、そのための強さを持ってほしいんですよね。この曲は音にも歌詞にも、その想いが出てると思います。

-なぜ今LOCAL CONNECTは、寄り添うよりも、背中を押すようなスタンスでありたいと思うんでしょう?

Daiki:たぶん僕ら自身が今戦ってるからだと思います。関係ない第三者として"お前行ってこい"じゃなくて、"俺らもこんだけやってるから、お前も頑張ろうぜ"って言える。そこがデカいかなと思いますね。僕らにそういう気持ちがなくなっちゃったら聴いてる人が冷めちゃうじゃないですか。"結局言ってるだけでしょ"ってなるから。

ISATO:迷ったときに背中を見せられるバンドがかっこいいですよね。

まーきー:俺もそう思う。"ついてこい!"っていうか。"俺を見てお前も頑張れよ"みたいな感じやろ? 目指すのはそういうところですよね。

Natsuki:「Sailing」も、まさしくそんな曲ですよね。これは僕の性格なんですけど、人に"頑張れよ"とか、"一緒にやろうぜ"とか言うのが苦手なんです。"俺は先に行くで。勝手に頑張って、来るなら来いよ"みたいなスタンスなんですよ。その感じをDaikiさんに曲にしてくださいって伝えた曲ではあるんです。

-アルバムのタイトルを"NEW STEP"にしたのは全曲出揃ってからですか?

ISATO:そうですね。全部曲ができてから決めました。今までの作品でもタイトルにはそのときの自分たちの心情を反映させてて。あんまりストレートに付けすぎるのはって悩んだりもしたけど、今回はわかりやすいほうがいいかなって思ったんです。これから新しい一歩を踏み出す自分たちをそのままタイトルに落とし込みました。

-英語表記で軽やかなのが、今のバンドのムードに合ってる気がします。

ISATO:ズシッというよりは、ポーンって感じですよね。重たくなりすぎないようにしたかったから、そう受け取ってもらえたなら嬉しいです。