Skream! | 邦楽ロック・洋楽ロック ポータルサイト

MENU

INTERVIEW

Japanese

Ivy to Fraudulent Game

2019年07月号掲載

Ivy to Fraudulent Game

Member:寺口 宣明(Gt/Vo) カワイリョウタロウ(Ba/Cho) 大島 知起(Gt) 福島 由也(Dr/Cho)

Interviewer:秦 理絵

-バンドとしては、2017年にメジャー・デビューしてから1年半ぐらい経ちますけど、振り返ってみてどうですか?

カワイ:僕は、バンドを始めたときに感じた楽しさが、ずっと変わらないんですよね。もちろん葛藤はあるんですよ。"どうやったらこのシーンのお客さんに届くのか?"とか考えることは増えてるんですけど、根本にあるバンドの楽しさは変わらないですね。

寺口:夢中になってできることをまっすぐやれてる。しかも、それで暮らせてるのは、すごく幸せなことだなと思います。でも、もっと愛されたいっていう気持ちがあって。

-1年半前に思い描いていた場所に、今バンドがいられてると思いますか?

寺口:全然いないですね。

-そうですか。

寺口:難しい......ですよね。前より良くなったとは思ってるけど、1年半後こうなんだよって1年半前の自分に見せられたら、"俺全然ダメじゃん"って感じると思うし。だけど、1年半前にはわからなかったことに今はすごく幸せを感じられたりするから。人間的には豊かになってるけど、"理想のところにいるか?"って言われたら、そうではないですね。

-それはライヴの動員とか、CDの売り上げみたいなところに対して?

寺口:うん、焦りが1年半前よりあるんです。もう25歳だから、のんびりしてられる年ではない。それはメンバーの中で、俺が一番感じてると思います。

-メジャー・デビューしてから1年半で、Zeppとか新木場STUDIO COASTでライヴができるのであれば、見る人によっては、順調っていう言い方もできなくはないと思うけど......。

寺口:でも、もっともっと知られたいし、もっと僕たちの音楽に、バンドについてきてほしいっていうのは思ってますね。

-なるほど。今回のシングル「模様」が今まで以上に大勢の人に届くような楽曲になったのは、そういう想いもあったからですか?

寺口:うん、そうですね。この曲はいろいろな人に届けたいなと思って書きました。

-アイビーで、こういう王道のロック・バラードは初めてですよね。

寺口:こういう曲が自分の得意な形なのかもしれないです。自分が聴いてきたものもJ-POPの王道というか、メロディがぐっとくるものが好きなんですよ。だから、Aメロ、Bメロ、サビの全部がぐっとくるようなメロディを書きたいなと思って書いたんです。バラードにするって決めて作ったわけではないから、選択肢としては、アップテンポとかミディアムだった可能性もあったけど、とにかくいろいろな人に届くようなものを作ったら、結果こういう曲調だったんですよね。

-メンバーは寺口さんからこういう曲があがってきて、どう思いましたか?

福島:デモを聴いたとき、ノブ(寺口)らしくていい曲だなと思いました。もともと僕もJ-POPで育ってるから違和感がないんですよ。逆にロック・バンドを求められるほうが、僕にとっては違和感だったんですよね。

カワイ:サビにぐっと力があるラインですよね。最初はもっとバンドっぽいサウンドも想定してたけど、アレンジをしてもらってバラードになったときに、ぐっと落ち着いたというか。バラードになったことでサビの力が強く生きてきたかなと思います。

-大島さんは?

大島:"超いい曲じゃん!"って思いましたね。

-寺口さんがアイビーの曲として初めて作詞作曲をしたのは「sunday afternoon」(2018年リリースの1stシングル『Parallel』収録曲)で、そこから少しずつ増えてきてるじゃないですか。それまではずっと福島さんが作詞作曲をしていた経緯もあるけど、それに関しては、どう感じてますか?

福島:僕の曲よりも、ノブの曲のほうが間口の広さを感じるんですよね、そこにノブらしさもあるし、ノブのルーツが反映されてる。だから、逆に僕も自分のやりたいことをやっていいんだろうなって思うし、バンドのあり方としてはいいなと。

カワイ:バンドの可能性が広がってますよね。

-寺口さん、最初は"自分が書いていいのかな?"って迷ってたって言ってましたけど。

寺口:それはそうですよね。本当にやったことのないところから始まったから。今回の「模様」も、作ってみていい曲だったからバンドでやることになって、発売することになったけど、ひとりで、弾き語りで作ってるときは自分の好きなようにやってるだけだから、"アイビーでやったときにかっこいいかな?"っていう不安はあって。できてみてからじゃないと、答えがわからないんですよ。それは、「sunday afternoon」の頃もだし、この曲でも変わってないんです。ただ、ちゃんといい曲を(バンドに)持っていこうっていうことだけは、100パーセント思ってますね。

-こんなにいい曲でも、自信満々でバンドに持っていくわけじゃないんですね。

寺口:福ちゃん(福島)と違って僕は打ち込みでアレンジをやらないから、イメージを膨らませながら作れないんですよ。曲ができたら、ふーっと息をついて、バンドに投げて、自分のイメージがないところはメンバーに任せて、あるところは、どうやったらそれを再現できるかっていうチャレンジになるから。すべてができあがって納得するまでは、そんなに(自信はない)ですね。