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INTERVIEW

Japanese

Ivy to Fraudulent Game

2019年07月号掲載

Ivy to Fraudulent Game

Ivy to Fraudulent Game

Official Site

メンバー:寺口 宣明(Gt/Vo) カワイリョウタロウ(Ba/Cho) 大島 知起(Gt) 福島 由也(Dr/Cho)

インタビュアー:秦 理絵

Ivy to Fraudulent Gameは不気味なほど底を見せないバンドだ。インディーズ時代の『行間にて』『継ぐ』といった作品の頃は、ポスト・ロックやシューゲイザーの系譜を引き継ぐオルタナティヴなバンドという印象が強かった。そこから、メジャー1stアルバム『回転する』収録の「革命」や、ヴォーカル 寺口宣明が初めて作詞作曲を手掛けた「sunday afternoon」(『Parallel』収録)といった楽曲がリリースされるたびに、実に多彩な音楽性を持つバンドであることに驚かされてきた。そんなアイビー(Ivy to Fraudulent Game)が7月24日にリリースするニュー・シングル『模様』は、またしてもリスナーの意表を突くバンド初の王道のロック・バラードだ。美しいメロディに乗せる言葉は極めて詩的でありながら、そこには葛藤から立ち上がろうとするひとりの人間の息遣いが生々しく刻まれている。メジャー・デビューから1年半。今のアイビーは何を思い、曲作りやライヴに臨むのか。メンバー全員に訊いた。

-最近のアイビーって、前作『Memento Mori』(2019年1月リリースの2ndシングル)にしても今回のシングル『模様』にしても、すごくバンドが外向きに広がってるように感じるんですね。端的に言うと、わかりやすい。それはライヴを観てても思うんですけど、意識はしてますか?

寺口:それは意識してますね。例えば、ひとつライヴをするにしても、自分たちは"この日はこう見せたい"っていうイメージを決めていかないと、難しい音楽性のバンドだなっていうのを自覚するようになったんですよね。

-いろいろな方向性の曲があるからっていうことですね。

寺口:そう。ステージに立つ時間は限られてるから、その時間内で今の俺たちのどこを見せたいか? っていうのを狙ってやっていかないと、(伝えるのが)難しいんです。

-そういうことを意識するようになったのは、メジャー・デビューしてからですか?

寺口:そうですね。でも、メジャー・デビューしてからも、イメージはあったけど、なかなかものにできてない感じがあって。最近はちゃんとフィジカルがついてくるようになった手応えはありますね。だから、お客さんも、"この間観たところときとまた違うところが見えた"みたいな現象が増えてるみたいで。その反応も楽しみなんですよ。

-他のメンバーは、どうですか?

カワイ:周りのスタッフさんとディスカッションすることも多くなったし、自分たちだけでバンドが完結するものじゃなくなったから、ちゃんと"外に向けていく"っていうことも作戦に入れないといけないっていう考えは、深まってると思いますね。

福島:僕は、そういう変化って"メジャーを機に"とは思ってないんですよ。その時々のモードで変化してきたバンドだから、メジャーどうこうは関係なく、たまたまこのタイミングで、自然体でやれるようになってきたのかなと。

大島:たしかに。

寺口:それが正解かどうかもわからないところにいるんですけどね。

-外に向けていくことが、必ずしもアイビーにとって正解とは限らない?

福島:ゴールがそれだけじゃない感じはしますよね。単純に選択肢のひとつだと思ってるというか。いろいろな表現の形があっていいんじゃないかなっていう感覚なので。

-さっき福島さんが"自然体でやれるようになってきた"って言ってましたけど、それは他のメンバーも感じてますか?

寺口:うん、僕は前より自然な感じですね。素のままやれています。

-今までは自然じゃなかった?

寺口:なんかね、もっと捻くれてた(笑)。それがいいことなのか、悪いことなのか、わからないですけど。生きていくうえでは健康なことになってきてる。迷いが晴れることはないけど、すごく細かいことで迷うことがなくなったっていうことですね。

福島:結局"答えはない"ってわかったんですよね。悩んだ事実だとか、選択をしたっていうこと自体が、その人の決断であって、そこに答えはないなって。

-より自然体になってるのは、他のメンバーも?

カワイ:ライヴとかでも、前はこういうアクションをしたらいいかなとか考えてたんです。でも、新木場のときもそうだけど、もっと直感的になってきてる。ライヴが終わったあとに"楽しかった"っていう感情が残るようになりました。

-今まではライヴのあとにどういう感情を抱いてたんですか?

カワイ:"もっとこうすれば良かったな"とか、自己嫌悪が多かったんです。

-大島さんは?

大島:前はすごく負のこと、"こうなったらどうしよう?"って思うことが多かったけど、前よりも自然にできるようになってると感じますね。

福島:ずっと完璧であろうとしてたんですよね。完璧が存在すると思ってた。それが、もうちょっと......完璧はない。ないけど、完璧であろうとするというか。それが正しいんじゃないかなって今は思ってますね。何も考えてないわけじゃないけど、余計な不安を持ったりすることを取り除けるようになったのかなって。

-なるほどね。こうやって話を聞いてると、なぜアイビーがああいう内省的な曲を生むのかわかる気がします。いつも何か不安で、迷って、満足できないから答えを探そうとしてる。そこで生まれるぐちゃぐちゃとした想いが、全部歌になってるというか。

寺口:迷ってないときのほうが少ないですからね。1個クリアしたら、すぐに次の迷いが出てくるし。自分の中で迷いをクリアできたと思ってるのは、ただどちらかを選んで答えに向かって歩んでるだけなんですよ。あとになって"こっちを選んで良かったな"って思えればいいと信じてやってる。それが歌になってるんですよね。