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INTERVIEW

Japanese

バンドじゃないもん!MAXX NAKAYOSHI

2019年04月号掲載

バンドじゃないもん!MAXX NAKAYOSHI

Member:鈴姫みさこ 恋汐りんご ななせぐみ 望月みゆ 甘夏ゆず 大桃子サンライズ

Interviewer:宮﨑 大樹

-では、ここからは収録曲についてもお話をうかがっていければと思います。

大桃子サンライズ:序盤は"生き残っていくんだ"とか"生きる意味や人生に向かってアイドルでいることを選んだ"っていう、めっちゃ意味のある始まりになっています。

ななせぐみ:そのあとに「イミ・ナイ・ダンス」。

鈴姫みさこ:1周回ってるんですよね。みんなごちゃごちゃ考えすぎだよって(笑)。

ななせぐみ:意味のないダンスだけど、意味はあるという。

鈴姫みさこ:"かわいいだけでいいじゃない"とかそういう気持ちで。意味がなくても楽しければいいというか、アイドルだとかバンドだとかなんなんだよって。

ななせぐみ:そして酒を飲んで、記憶をなくし......。

望月みゆ:すごいアルバムだ。

鈴姫みさこ:そして最後に「ハッピーバースデーソング」で爆誕します。

大桃子サンライズ:今回はQ-MHzさんと作ってきたような速い曲がないんです。大人っぽいと言えば大人っぽいのかなと。

鈴姫みさこ:スタンダードなアイドル・ソングを作ってくれるミナミトモヤさんとかKOJI obaさんとかの曲も今回はないけど、これからまたお願いすることは全然あるし、むしろやりたいんです。

大桃子サンライズ:深く関わってくれた方とは"MAXX NAKAYOSHI"になってからの遊びができると思うので、逆に早くやりたいですね。アルバムとシングルでは制作の意図が変わるので、今の段階で次のリリースについても考えています。Q-MHzさんにはやっぱり改名後初となる、会心の一撃を狙うシングルで"MAXX NAKAYOSHI"の代表曲を作ってほしいと思ってるんです。それをポニーキャニオンの方に打診しているのですが、予算の問題で"今回のアルバム次第"って言われてるので、みなさん応援してください。

鈴姫みさこ:よし、売るぞ!

ななせぐみ:このアルバムが宣伝されなかったらもう......死ぬ(笑)。

大桃子サンライズ:なので、買ってください。

-(笑)曲についても具体的に聞いていきたいのですが、1曲目はSEの「BKYR」で、今までのバンもん!の王道とも言えるポジティヴなイメージと離れたという驚きがあります。気になるのは、誰に対して、何に対しての"バカヤロー"なのかということです。

恋汐りんご:この"バカヤロー"は深いんですよ。

ななせぐみ:この曲が一番深いかもしれない。

鈴姫みさこ:私の"バカヤロー"って声が入っているんですけど、これ、中野サンプラザ(2018年4月15日に開催した"バンもん!コンサート2018 サブカル大相撲♡ドス恋!ヨイショ!~春場所はっけよいのこった~")のアンコール前に、ひとりずつファンの人にメッセージを話すMCのときに思わず叫んだ声なんですよ。バンもん!のライヴって、楽器を演奏しながらのパフォーマンスや、ツアーによってコンセプトが違ってたりして、完成までにすごく時間がかかるんですよね。"こういうことをしたら楽しいんじゃないのか"って、思ったとおりにはやっているんですけど、仕上げるときに、わがままにも思われることを通してでも楽しいものを作りたいなっていう気持ちがあるぶん、"これだけ頑張っても楽しんでくれる人がいなかったらどうしよう?"とか、考えてすり減っちゃうこともあって。"私さえいなければうまく進むんじゃないか?"、"自分は必要ないんじゃないか?"と思うこともありながら、中野サンプラザに向けて自信がなくなる瞬間があったんですよ。で、アンコールって惰性のアンコールもあるというか、終わりました用のBGMが流れなかったら自然と起こるものではあるんですけど、中野サンプラザのアンコールは、心の底からみんなが"もっと続きを観たい"って思ってくれているときの声が聞こえたんですよね。そのときに、"私は何を悩んでいたんだろう"と思って。これだけ人に楽しんでもらえるものが作れるのに、"私がいなかったらスムーズにことが運んでいたんじゃないか"とか悩んでいたのが馬鹿らしくなったというか、一瞬でも考えたのがいけないことだったんだなと。思わずそう考えてしまった自分に対して"お前はまだまだ本当はいけるんだぞ、なのに何を悩んでいるんだ、そんな不安なんてどうでもよくないか"っていう気持ちで思わず出たのが"バカヤロー"だったんですよね。そのときに、笑いと同時に泣いたって言う人が結構いて。

ななせぐみ:爆笑しながら泣いたの初めてだったよ!

望月みゆ:そこで出てくる言葉が"バカヤロー"なのがみさこっぽい。

鈴姫みさこ:普段は私も言わないんです。全然別のMCを考えていたんですけど、とっさに出たのが"バカヤロー"だったんですよ。

大桃子サンライズ:"自分なんて必要ないんじゃないか"って誰でも思うことだと思うんですよね。そういう自分に対しての喝なんですよ、ひと言で言うと。それを考えて、飛行機の中でこの曲を聴いたら涙が出てきてしまって。

ななせぐみ:この曲もそうだけど、このアルバムにはひとりで泣いちゃう曲が結構あります。泣きそうにない曲でも泣いちゃう。

恋汐りんご:このSEで弱い気持ちを蹴散らしてからライヴに臨むっていうことが最近できていて、メンバーもそうだしフロアのみんなもリミッターを解除することができるすごい曲なんです。

大桃子サンライズ:音楽的なところで言うと、このSEでBeyoncéが出てきてもおかしくないほどの壮大なSEをゆよゆっぺさんに作ってもらいました。

鈴姫みさこ:もんスター(※ファンの総称)への愛もあって、みんなが作ってくれた"デジモン ポケモン ドラえもん 石川五右衛門 バンドじゃないもん!"というコールのあとに"おい"の掛け声が始まるようにしてくださいってお願いしました。だから誰も置いていくつもりは全然ないんだよって言いたいです。

-続く「SUMOU」も、ゆよゆっぺさんによる曲で、SEから繋がるように始まりますよね。

鈴姫みさこ:繋がるようにしてもらいました。CDのマスタリング作業で曲間を何秒にするか決められるんですけど、それに全部立ち会って、ここは疾走感を残したまま、ある意味1曲になるようにした感じです。

-キャッチーなメロディながら、メタル・サウンド感もあって。

鈴姫みさこ:ハイブリッドなロックという感じですよね。ベビメタ(BABYMETAL)さんの「KARATE」に対抗できるようなアイドル・シーンを代表する曲にしたいって、ももが言ったところから、今の私たちの気持ちを相撲で表す歌詞にしてほしいと要望してできた曲です。

-今の環境や、バンもん!のスタンス、姿勢を、"相撲"になぞらえた理由はなぜなのでしょう?

鈴姫みさこ:中野サンプラザもそうだし、もともと相撲をテーマにしたツアーをやっていたりもして、私たちは相撲が好きなんです。

恋汐りんご:"はっけよ~い/(のこった!!)"という言葉に深い意味があって。最近のアイドル・シーンは卒業とか解散とかいろいろあるじゃないですか? その時代にあっても私たちは生き残りたいっていう気持ちを表してるんです。相撲の"はっけよい、残った"自体にそういう意味があるらしくて、それを考えた昔の人はすごいなと思いました。

鈴姫みさこ:相撲にしたのは海外意識もあって。"MAXX NAKAYOSHI"も、決め手の1個であったというか。"仲良し"っていう言葉に代わる英語がないんです。

-なるほど。海外へ意識が向いたのはいつごろからですか?

鈴姫みさこ:アルバムを作ろうっていうタイミングでは意識してました。

恋汐りんご:加入してすぐに"Japan Expo"に出られるよって言われたんですけど、結局出れなくて(笑)。そのころから海外でライヴしたかったんですよ。タイの"JAPAN EXPO THAILAND 2019"で、やっと出ることができました。

鈴姫みさこ:タイはバンもん!が世界でも戦える可能性をすごく感じたライヴで。

大桃子サンライズ:野外で通行人の人も観られる環境だったんですけど、見た目がかわいいのにときに激しく演奏し、ときに楽器を放り出し歌うっていうのが良かったのか、タイに旅行に来ている外国人の人がどんどん集まってきて、"Wow!"、"Amazing!"っていう顔で観ていて(笑)。

鈴姫みさこ:私服で歩いていると"Photo OK?"って言われたりとか、勝手に撮られたりするからヴィジュアル的にもいけるんじゃないかって。

望月みゆ:なので、次のツアー"バンドじゃないもん!MAXX NAKAYOSHI JAPAN TOUR 2019 ○○元年!NAKAYOSHI幕府♡"では、今回初めて全国ツアーじゃなく"JAPAN TOUR"って言うようにしてるんです。ジャパン以外も頭にあるぞ、と。

恋汐りんご:ワールド・ツアーをやりたいです。タイでライヴしたときに、初めての場所や初めての人も多いであろうに、なぜか懐かしい気持ちになって、"何年か前のあのころ"の感じがしたんです。難しいことを考えないで、ただライヴが楽しいって思うだけの感じがしたというか。音楽とかパフォーマンスに身を任せて楽しんでくれたのかなって思いました。

鈴姫みさこ:言葉が通じないぶん、余計なものが削ぎ落とされて、"バンもん!のライヴってこんなに楽しかったんだ"っていうことを私たちも思い出したっていう感じでしたね。

大桃子サンライズ:めっちゃ話が逸れたね(笑)。