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INTERVIEW

Japanese

岸田教団&THE明星ロケッツ

2018年02月号掲載

岸田教団&THE明星ロケッツ

Member:岸田(Ba) ichigo(Vo) はやぴ~(Gt) みっちゃん(Dr) T-tsu(Support.Gt)

Interviewer:杉江 由紀

なんたる高潔なまでの求道ぶりだろうか。今期注目のTVアニメ"博多豚骨ラーメンズ"のOP曲に起用されている「ストレイ」をこの世に生み出した岸田教団&THE明星ロケッツは、話を聞けば聞くほどすべてがガチすぎて驚かされることしきり。好きなものや好きなことを徹底的に究める姿勢は、もちろん彼らの音楽活動の基盤となっているのにほかならず、今回のシングルを仕上げていくまでのエピソードについてもつくづく感心させられてしまった。すなわち、彼らが持つ深いヲタク気質こそ、まさにストイックな求道者のそれだと言えよう。何かと異端視されることも多いバンドなのかもしれないが、この異端なる求道者の持つ存在感こそ絶対である。

-もともと同人サークルでの活動を基盤としながら始まったという岸田教団&THE明星ロケッツは、これまでも多くのアニメ・タイアップ楽曲をリリースしてきておりますが、今回のシングル表題曲「ストレイ」はTVアニメ"博多豚骨ラーメンズ"のOP曲として(TOKYO MX他にて)絶賛オンエア中です。バンドとしてアニメ・タイアップをしていく際には、やはりアニメ作品そのものの内容を考慮したうえで曲作りや作詞をしていくことになるのでしょうか。

岸田:むしろ、今回もタイアップが決まってから曲や詞を作りだしましたからね。まずはアニメの原作になっている本を買ってきて読む、というところからのスタートなんですよ。

-完全なるオーダーメイドなのですね。

岸田:アニメのタイアップ曲という前提があるときは、そこで自分たちの世界観を前面に押し出したいという気持ちは非常に希薄ですね。うちはもとが同人サークルでの活動から発足したバンドなので、まずは"我々はアニメあってのものですから"という揉み手感が先に立ちます(笑)。

-なかなか、そこまでの姿勢でタイアップに臨むバンドはいないような気もします。

岸田:歌詞なんかも、アニメ制作側からの注文があればいくらでも"はい、喜んで!"くらいの勢いでコロッと変えちゃいますから(笑)。別に、そのタイアップを足掛かりにしてどうにかなってやろうみたいな野望は皆無なんです。むしろ、俺たちにとってはアニメとタイアップができるということ自体がゴールです!

ichigo:あはは(笑)。"嬉しい、やったー!"ってなるもんね。

はやぴ~:うちらは楽器が弾けたり、曲が作れるだけのガチヲタクの集まりなんですよ。あとは楽器とか機材ヲタクっていうのもありますね。だから、バンドをやっていてもモテる要素がまったくない(笑)。

岸田:僕なんかは基本的に、いわゆるラノベ(ライトノベル)厨なんですよ。でも、この間も俺とはやぴ~とてっちゃん(T-tsu)で今期のアニメの覇権についてじっくり議論したもんな。"ポプテピ"(※TVアニメ"ポプテピピック")がやっぱりすごいとは言いつつも、全般的に豊作でこれと絞るのが難しいんです。

T-tsu:京アニ(※京都アニメーション)の作品もあるしねぇ。

-ちなみに、"福岡に住んでいる"という岸田さん、まさに"博多豚骨ラーメンズ"というのは、タイトルどおりに福岡が舞台になっているわけですよね?

岸田:たぶん今回この依頼があったのもそこが大きかったと思います。

はやぴ~:うちのバンドは、僕とてっちゃん以外みんな福岡出身ですから。

ichigo:しかも、はやぴ~もてっちゃんも全員福岡に住んでたことがあるんですよ。

岸田:僕とみっちゃんは今でも現役で福岡在住ですし。

みっちゃん:そういう意味で、"博多豚骨ラーメンズ"に出てくる場所は僕らからするとどの場面も知っているところばっかりですね(笑)。

はやぴ~:わかる。懐かしいなぁ、ってなる!

-ということは、表題曲「ストレイ」の歌詞にある"ネオンが映る川沿いで"なるフレーズは......。

岸田:中洲のことです。

-やはりそうでしたか。仕事で数回行ったことがある程度でも、このくだりからは容易にあの場所の猥雑で独特な雰囲気を感じることができました。なお、歌詞とは別に曲調の面で「ストレイ」を作っていくにあたり岸田さんが留意していたのは、どのような点になるのでしょう。

岸田:二転三転しながら、このかたちに落ち着きましたね。最初のうちはもっとルードな感じのある曲だったんですけど、アニメ自体が女子向けであるということを考えながら、途中で音の方向性を少し変えたんです。商業的な理由により、というやつですね(笑)。